これで、すべて終わり、だ。
何ひとつ、自分たちは父親に逆らえない。
云われるがまま。
生まれたときから決まっていたと云う運命を。
このまま、終えるだけ。
光が集まる。
何かの魔法がはじまっている。
「・・・・・・!!」
禁じられた魔法。
それが、
もはや、周りは何も見えない。
翼と耀、そしてチドリ。
周りにいる皆の顔も。
ばたばたと、倒れる音。
身体の力が抜けていく。
「心配するな」
声が聞こえる。
「眠るように、終わるだけだ」
京子は手で探る。
誰かを、
誰かの手を握ろうと。
誰か・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・あれ?」
集まった光が消える。
京子は顔をあげて、あたりを見る。
他の皆も顔をあげる。
互いの顔が見える。
「・・・・・・?」
「何が?」
先ほどの空間とは違う。
怖ろしい気配は感じられない。
「え?」
何が起きた?
いや、
「何も起きていない?」
満樹が呟く。
「何も起きて」
「いない?」
「なら、いったい何が」
「こちらが聞きたい」
声が響く。
低く。
それは、
京子たちに向けられているのではなく。
「何をしている」
父親の声。
「チドリ」
NEXT
何ひとつ、自分たちは父親に逆らえない。
云われるがまま。
生まれたときから決まっていたと云う運命を。
このまま、終えるだけ。
光が集まる。
何かの魔法がはじまっている。
「・・・・・・!!」
禁じられた魔法。
それが、
もはや、周りは何も見えない。
翼と耀、そしてチドリ。
周りにいる皆の顔も。
ばたばたと、倒れる音。
身体の力が抜けていく。
「心配するな」
声が聞こえる。
「眠るように、終わるだけだ」
京子は手で探る。
誰かを、
誰かの手を握ろうと。
誰か・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・あれ?」
集まった光が消える。
京子は顔をあげて、あたりを見る。
他の皆も顔をあげる。
互いの顔が見える。
「・・・・・・?」
「何が?」
先ほどの空間とは違う。
怖ろしい気配は感じられない。
「え?」
何が起きた?
いや、
「何も起きていない?」
満樹が呟く。
「何も起きて」
「いない?」
「なら、いったい何が」
「こちらが聞きたい」
声が響く。
低く。
それは、
京子たちに向けられているのではなく。
「何をしている」
父親の声。
「チドリ」
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