チマチマ毎日

木工屋と陶器屋の夫婦が作るセルフビルドの家と、まいにちの生活、道具のあれやこれや。

昭和歌謡命

2007年05月24日 | 読む見る聴く&思う
     アキ・カウリスマキ監督
                   「過去のない男」

 映画館にはなかなか行けずBSに頼るのだけれど
それは最近ちょっとレパートリーがいいからだ。
トリュフォーも連続してやってるし。
この「過去のない男」も先週やってた。

カウリスマキは好きだ。
淡々と切り取りを並べるように話がつづく。
単純なように見える中になんだかほおずりしたくなるようなものが
ある。

「過去のない男」---誰かに殴られたかして記憶がなくなった男が
気がついたらいたその土地に住み、その土地の人と話し関わる。
あらずじを話すとものすごく単純なのでやめとくけど
男が電車(汽車か)に乗り食堂車で夕食をとるくだりで
寿司と日本酒が出るのだ。(マイ箸出して食べるし)
バックには昭和歌謡(ムード歌謡)がわびしく流れる。
思わず音量を上げ、じっくり。

エンディングをスロ-にして先程のムード歌謡は誰だろう?
とチェックしていたら「Motto Wasabi   Onose Masao」と出た。
ずっこけた。(死語)
さらにチェックしていると「Hawaii  No Yoru    CrazyKenBand」。

この映画の公式HPを見てみたらなんとカウリスマキは
フィンランドで一番のクレイジーケンバンドのファンらしいのだ。
そうか、そうか、と夜一人でなんだか温かいものが
心に満たされてゆくのを感じた。


さてCKBも好きは好きなんだけれど、もともとの昭和歌謡は
どういう訳かすらすら唄えてしまうのだ。
ラジオから聴こえて来ると胸が弾む。たまには涙も。
もしかしたら戦前の生まれと友人がいうのも
本当なのかもしれない。