チマチマ毎日

木工屋と陶器屋の夫婦が作るセルフビルドの家と、まいにちの生活、道具のあれやこれや。

黒豆の煮汁で染める

2022年03月22日 | 家の中でつくるコマゴマ

 

 白い毛糸をたくさんもらってあって、あーこれは染めたい、と

ずっと思っていたんだけれど、あいにく冬はあまり使えそうな植物がない。

 

台所の周辺にあるもの、まえに一度、栗の渋皮煮を作ったときの煮汁でやった毛糸が

すごく好みの色に上がったので、今回は黒豆でやってみることにした。

 

まず毛糸は鉄媒染で下処理をしておく。

黒豆は数日前から浸水しておき、何日か薪ストーブの上に置いて茹でておく。

(上写真はもう煮汁を取って湯洗いしたもの。煮汁はもっと黒ぐろしてます)

媒染をおえた毛糸を薄めた墨汁みたいな黒豆の煮汁につけて

しずかに小一時間煮る。これまた薪ストーブ。

この時期少し気温が低くなってちょうどいい薪ストーブの出番。

 

一度では色が薄かったので、煮汁二番目も使って、もう一度染める。

すると少し濃くなった。

モヘヤは毛100%じゃないから、染まりがにぶく、一度だけの染めでは

ダメだったなー(ひと束だけ白っぽいモヘヤが一度だけ染めたもの)。

真っ白もいいんだけど、くつしたを編んでいると少し色がついていた方が

気持ちが盛り上がる気がする。

 

さて茹で上がった黒豆は、今回ぜいたくにお味噌にしてみる予定。

 

 

 

 


編み物の効用

2022年03月14日 | 家の中でつくるコマゴマ

 

 くつした編みをしない日はないくらいに、くつしたを編んでいる。

家事の合間の10分のときもあるし、40分編み続けることもある。

すこしでも時間があると編む。

だから私の座る場所の横には簡単な道具を入れたカゴが置いてある。

 

 

いろいろなことが起こって、ココロが揺れてしまうときとか

イラッとするときに、ちょこちょこと編み棒を動かして数段編むだけで

だいぶちがう。

作家の坂口恭平さんが、家事をしていると、畑をしていると鬱がとおのくって書いていた。

わたしには両方ともとてもよくわかる。

そういえば坂口さんは編み物もしていたっけ。手編みのセーターが素敵だった。

 

はじめて編んだくつしたに比べると、細い糸のものが編めるようになったし

カカトもいろんな編み方を覚えた。それもうれしい。

毛糸はだいたい昭和に暮らしていたおばあさんたちのもので

糸が切れていっぱい結んであるものもある。

この輪針はワイヤーに針先が溶接してあり

おそらく売ってなかったので、近場の誰かに作ってもらったんだと思う。

 

むかし編み物をしていた人たちも、編みながら日常を手の中に

納めていたのだろう。

わたしもおそらく同じことをしている。