鳥肌が総立ちしてそのあとかあーっと血が巡るような経験を
させてくれたものの中にノルシュテインの映像がある。
湿り気をおびた空気を、映像の中のはりねずみと一緒に
吸っているようなかんじがする。
このノルシュテインの絵本展が東京に次いで、長野県安曇野市の
ちひろ美術館でやっていた。8日までである。
このGWどこも行かずにいたので、あまのじゃくなわたしたち一家は
最終日8日に下道をのんびりと走って行くことにした。
「映像になっていたものを絵本にする」というと
映像を切り取って静止画像にすればよいではないか、
と思っていた。さにあらず。
ノルシュテインいわく「映像では音、はりねずみのうごきなどで
この暗い森のこわさを伝えているが、絵本では一枚の絵に
それを込めなくてはならない。」
たくさんのたくさんの時間を思い切り費やして
仕上げていくこの人の仕事はほんとうにすばらしい。
この人がこの世にいてくれてありがとうー!なのである。
絵本の原画は本で見るよりも数倍美しく
それは何が違うといえば色。発色が違う。
多治見にある絵本屋さんのご主人が言っていたが
最近の絵本の紙やインクだと昔みたいないい色合いがでないそうで。
ちひろ美術館は高い山を遠くに望む平地にある。
絵本の部屋やカフェにこどもが座るとちょうどよい大きさの
椅子がたくさん置いてある。
それが使われてきて色合いが変化して来て、よくなっていた。
カフェではノルシュテインにちなんで「ボルシチセット」が
あったけど売り切れ。おやきセットを頼んだら
熱いそば茶にナスの麹味噌のおやきと切り干し大根のおやきが
きた。とってもおいしい。