
ここのところ、うちの近所にやや大きめの雑種の迷い犬が
出没している。柴犬と秋田犬を混ぜたような犬。
痩せていて歳も取っているようだ。
食べ物がないんだろう、うちの生ゴミをあさっていた。
(うちの生ゴミなんて肉や魚の類いはほとんどないのに。)
この日(水曜日)はうちの風呂焚き場の近くの、
陽が当たって暖かいおがくずの山にちんまりと横たわっていた。

写真を撮ってるといやなのか、重い腰を上げる。
「いいんだよ!ここにいて」って言っても裏山へ行ってしまった。
父ちゃんは「だめだよ、情がわいちゃうし。」と言って
犬がうちの周りに来るのを困った顔してみてる。
「絶対にえさとかやっちゃだめ」って言われてるんだけど
こっそり夜、うちから少し離れた岩場の上にネコのえさを
置いてきた。

次の日(木曜)は寒波が来てすごい冷える。
一時的だけど雪がふあーっと降る。
「こんな寒い日、あの犬はどうしているんだろう」と
父ちゃんに聞くと「犬なんてみんな外で飼われてるでしょ」と
すげない。

寒い中掃除機をかけようとコタツ布団を上げるとチイが
どかない。おまえはええのぉ。
置いておいたネコのごはん、犬は食べたかなと思って
見に行くときれいになくなっていた。
しかしうちのタマがゲフ~といった顔つきで昼頃帰宅。
こいつに食べられてしまったかも‥‥
金曜日、朝から名古屋へ出かけた。
夜帰ってきて晩ご飯を食べてると、遠くから犬の叫ぶ声が
聞こえた。普通の声でなく何か助けでも呼んでるような叫び声。
気になって軽トラでちょっと見てくる、と言ったら
父ちゃんが代わりに行ってきてくれた。
結局、犬は見あたらない。今晩も冷える。
土曜日、ほかほかと暖かい小春日和。
父ちゃんが大きい声で「いぬいたよ~」。
ああ、よかったー。「じゃあごはんあげてもいい?」
「うーん、遠くでね。」
ほんとはうちで飼わないならごはんなんてあげてはいけないんだろう。
それはよくわかってる。でもあんなに歳を取ってから捨てられて
寒い中たべものもなく歩き回っているのを見てるだけっていうのはどうしてもつらすぎる(わたしが)。
飼い主はどうしてこんなことをしたのか。
畳の上で死ねんぞ!