初めて担任をしたのは、初任校の2年目だった。
今から考えると凄いことなのだが、当時県立高校が毎年5、6校ずつくらい開校していた。それにともない、現在よりも人事異動が激しかったように思う。新設校の開校には、管理職はもちろん、それなりのベテランをおかないと、学校が「動かない」からだ。
初任校も、僕が採用になった年次を含めると、4年間で15人(5、2、6、2)が新採用として赴任していた。1学年10クラスの学校で3人が採用2年目、2名が同3年目、転勤2年目の30代が2人、残り3人がその学校で2度目の担任という編成だった。副担任も4名で、2名は新卒・新採用。今から考えるとこれしかなかったとはいえ、ずいぶんむちゃをしたものだ。
僕は同期の5人の中で、就職浪人などをしていなかったので、一番学年が下だった。けど、なぜか担任がまわってきた。
担任業務はうまくいかなかったことが多く、特に生徒指導案件も多い学校だったので、ず~っとあたふた、どたばたした記憶がある。生徒に伝えること(しからなくちゃいけないこと)が、とにかく多かった。連絡事項をどうしたらちゃんと伝わるか、いろいろ考えた。最初はわら半紙を二つ折りにして、大福帳のようなもの作り、生徒に話した後、黒板に貼った。でも、生徒連絡用と自分のメモ(記録)を二つ作るのは、無理・ムダなことだということは、担任1週目で気がついた。先輩の仕事を見て、生徒に伝える情報は1カ所に集中することが大事だとわかり、それ以来基本的にはノートにすべて書くことにしている。最初はB5、いつのころからかA4ノートになった。このノートの名前が、「担任のぉと」である。
- ノートには生徒に渡すプリントは、縮小コピーして貼り付ける。
- 委員会や保健室からの連絡も、コピーをとって貼り付ける。
- 何か問題行動があったり、保護者に電話をした場合は全部記録。
こんなふうにノートを使っていくと、罫線を無視して書くことも多い。こんな使い方をするのだから、ホントは白紙のノートがいい。でも、学校にはないので、2日で1ページなんてこともある。とにかくビジュアルにパッと見てわかるように作っている。何か不機嫌だったり、怒っていると、字がでかくなる。嬉しいと、ラインマーカーで書いていたりする。そんな傾向に気がついたのは、担任1年目の冬だったか。時系列で振り返ることが出来るので、いろいろな意味で便利だった。
いろいろ貼り付けるので、普通の大学ノートが使い終わることには3cmくらいの厚さになる。3年生の担任の時は4冊、1、2年の担任の時は5冊。だいたいこれくらい「担任のぉと」が担任をすると出来てしまう。
先週、今年3冊目のノートを使い始めた。卒業まであと5ヶ月ちょっと。着々と卒業の日が近づいてくることを、自分だけ実感した。