テレビじじいの観戦日記

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渡辺棋王が自玉を必死に詰まそうとしていた

2020-02-17 10:24:00 | 将棋

棋王戦第2局、AbemaTVを見たら、挑戦者の本田奎五段が渡辺明棋王を破り11敗に追いついたところだった。

少し遅れて入室してきた立ち会いの田中寅彦九段が「金を取ったらどうなるの」と聞いている。ここでは問答は続かなかったけれど、両棋士が大盤解説会場に移動してからのやりとりが面白かった。

金を取ったらどうなったの?

今度は解説の森内俊之九段が聞く。

先手の本田が5一に金を捨て王手したのに対し、渡辺は取らずに逃げて、即詰みのコースに入り投了した。もし金を取っていたら。

本田が「詰みます」と駒を動かすのだが、すぐギブアップ。

渡辺がこうしたらこうなってと動かし始めた。

どうも詰まないのだ。

勝勢の本田が自信たっぷりに金を捨た王手。渡辺は取ることは全然考えていなかった、という。

はったりが通ったみたい、と本田が言って会場に笑いが起こった。

金を取らなかった手を大悪手にしたくない渡辺の、必死に自玉を詰まそうとする姿も会場の笑いを誘っていた。

即詰みはなくても結局負けは変わらない結論になったようだ。

渡辺の明るい気性が場を支配して、ジメッとしない。最高の大盤解説だった。