てんてんのタイムスクープ!

~アジアの伝統文化に触れて~

万葉の秋~興福寺・新薬師寺・白毫寺~

2018-10-28 | 旅行記(奈良)
秋の奈良旅二日目は興福寺中金堂の今昔写真展から始まりました。





今、目の前にある中金堂こそ当時のものと同じだとわかるとますます感激でした


ドイツ人僧侶の解説がとてもわかりやすく、短い時間でちょっとした興福寺通になった気分に

焼失と再建を繰り返し、七転び八起きで甦った中金堂には長い歴史の中、たくさんの人々の思いが込められています。
今世紀の再建にもたくさんの難題をクリアするための苦労があったようです。

私がだいぶ出遅れて寄進した丸瓦は現在の建物には使われず将来再建をめざす回廊に使われるのだとか。
長生きしたら見れるかなぁ

電動自転車で坂道をスイスイと久しぶりの新薬師寺へ。
静かで落ち着くお気に入りの高円山の麓です。





行方不明になっていたけど奇跡的に発見され戻ってきた香薬師像の右手が特別公開されていました



「恐れなくていい」というメッセージを表す優しい右手でした。



白毫寺は萩の季節は終わっていたけど、万葉集に出てくる風景を想い浮かべることができる場所。





白毫寺から見渡す風景




今年の秋の奈良旅もすてきな二日間を過ごせました。


甦る天平~正倉院展・春日野・二月堂・興福寺~

2018-10-27 | 旅行記(奈良)
平成最後の正倉院展は煌びやかな宝箱。
ときめきの3点

「玳瑁螺鈿八角箱(螺鈿のかざり箱)」と「沉香木画箱」は写真のイメージより大きくて豪華で丁寧に細かい細工がしてありました。
「繡線鞋(刺繍飾りのくつ)」は宮廷で実際に室内履きだったとされています。トルファンの遺跡から発掘されたものと同じです。
高松塚古墳のお姉さま方が着ていらっしゃるのと同じスカートも見れました。解説によると宮廷ではあーゆう衣装をまとうよう義務付けられていたのだとか。
写経用の経典の貸出記録や借金契約記録など、とても几帳面な役人のお仕事ぶりも感心しました。

奈良の都中でたくさんのイベントが開かれていました。


天平菊絵巻の会場では正倉院ゆかりの楽器の演奏会をしていました。


二月堂から眺める秋の夕暮れ




興福寺中金堂の一般公開も始まりました。
夜の幻想的なライトアップの中で中金堂の仏像を初めて拝観しました。






金色が眩しいご本尊「釈迦如来像」と脇侍の兄弟菩薩「薬王・薬上菩薩像」が安置されています。

春日野・二月堂・興福寺

平城宮に出勤しました

2018-05-02 | 旅行記(奈良)
奈良二日目は平城宮の役人になったつもりで宮廷まで出勤しました。電動自転車で。
当時の役人は夜明け前には出勤していたそうです。終業時間も早いんだけどね。

たびたび来てる平城宮跡地だけど、今年の3月に平城宮跡歴史公園として新しく開園されたので楽しみでした。

小雨が降っていたので来場客は少なかったけど天平祭の前日でスタッフは準備万端。

巨大スクリーンのVRシアターで約1時間、3本の上映を見る事ができました当時の平城京の中にいるような臨場感を味わえます
実写版「阿倍仲麻呂」のドラマは特に感動しました
『天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に出し月かも...』

平城宮跡歴史公園

都の夕暮れ(二月堂~氷室神社~興福寺)

2018-05-01 | 旅行記(奈良)
インスタで憧れた二月堂からの夕暮れの景色。
きれいな夕焼けは見れなかったけど、ゆったりと穏やかな都を見渡せました
二月堂の御本尊である二体の観音様は絶対秘仏で誰も見れないそうです。
このお堂の中にそんな仏様が...とお堂の壁板を穴があくほど見つめていたけど、穴はあきませんでした

献氷祭が行われた夜の氷室神社では氷献灯が並べられて幻想的な美しさでした
二月堂・氷室神社・興福寺

奈良歴史研修の旅~明日香村~

2018-05-01 | 旅行記(奈良)
大好きな明日香村へ行ってきました

よくも悪くも整備は進みどんどん変わる明日香村です。

今回の主な目的はキトラ古墳壁画体験館“四神の館”と飛鳥資料館の特別展「あすかの原風景」でした。



甘樫丘で出会ったボランティアガイドのおじいちゃまは、藤原京近くの有名な史跡の敷地にあるおうちの方でしたいろんなお話が聞けてラッキーでした。

飛鳥時代の風景って現在とどれくらい違うのかわからないけど甘樫丘からの眺めは、歴史をさぐるヒントになる気がします。

明日香村

第69回正倉院展は巻角の羊さん

2017-11-06 | 旅行記(奈良)
今年の正倉院展も初めて見る芸術品の1300年経ているとは思えない染色や輝きに感動しました。

大理石で作られた玉尺八の復元演奏も聞けました。昭和24年に宮内庁の楽師により再現されたその音色は想像よりも伸びがあり、とても繊細でクリアな音でした。

漆槽箜篌(うるしそうのくご)というハープのルーツといわれる楽器も明治時代に復元されたものの音色はとても美しく現代の私達に親しみのある音でした。

今年の代表的なモチーフは巻き角の羊さん。
正倉院展ならではのグッズを買いました。



正倉院について興味深い記事を見つけました。
正倉院には「蘭奢待(らんじゃたい)」という香木が納められていて、このお宝は見ることはできないけど約1200年経った今も香りが残っているのだとか。
そして宮内庁の科学調査で蘭奢待の香りが伽羅と一致することが確認されました。
蘭奢待という文字の中に「東大寺」という字が隠されているのも面白い。



天皇の許可なく持ち出すことができない香木を織田信長が東大寺を脅してまで切り取らせたというその香りを嗅いでみたくて伽羅の線香を買ってみました。


この扉の中にまだまだお宝いっぱい

秋の奈良旅「めざせ!ソムリエ」

2017-11-05 | 旅行記(奈良)
秋の奈良旅はこれ
奈良検定1級を受けるためには体験セミナーの受講が条件なのです。

馬見古墳群を巡るプログラムに参加しました。
馬見丘陵公園は、紅葉が真っ盛りで本来の目的を忘れてしまいそうでした


でも聞いたことある有名な古墳が目の前に現れるとコーフン。






この復元された埴輪は叩くとどれも違う音がしました。埴輪楽器ありかも( ̄∀ ̄)


大きいのから小さいのまでいっぱいある古墳は、上空からの写真を見た方がわかりやすいのだけど、古墳から眺める古代と同じ遠くの景色が堪能できました。

帰ったらこの景色を思い出しながらお勉強です。

東大寺ー聖武天皇祭ー(誕生寺・不空院・十輪院・徳融寺)

2017-05-02 | 旅行記(奈良)
聖武祭が始まるまでの時間、ちょっと近くまで....

中将姫生誕の地と伝わる誕生寺です。
伝承がさだかかどうかは別として、時空の隔たりを超えて中将姫を偲ぶことができる場所でした。










中将姫の父親、藤原豊成の邸宅跡と伝わる徳融寺です。
中将姫の修道の場であったとも言われています。





十輪院は、元興寺の一子院と言われ、あの吉備真備の長男・朝野宿禰魚養の開基とも伝わっています。魚養は奈良時代の官人で能書家だったそうです。
魚養塚(うおかいづか)が祀られていました。

魚養伝説に興味があって行った場所ですが、本堂の中に祀られた重要文化財の石仏龕は珍しいもので、すごい迫力でした。






不空院の秘仏も今の時期だけ公開中です。
本尊の不空羂索観音菩薩坐像は手にもっている蓮華の花が開いているのが珍しく、今まさに悟りを開かれた姿を現しているのだとか。

秘仏の宇賀弁財天は、豊穣福徳の宇賀神と弁財天が習合した形です。
弁財天の頭上に体は蛇で頭は老人の宇賀神がのっていました。

また、不空院は鑑真和上も弘法大師も住まわれた場所です。長屋王が唐に送った袈裟の話、「風月同天」、井上内親王の話、縁切寺の由来となる芸妓さんの話などお寺の方に説明していただき一つのお寺や院の長い歴史の中で生きた人々に思いをはせました。




東大寺は子供の遠足と外国人観光客で大賑わい
聖武天皇祭も厳かに開催されていました。







聖武天皇祭 舞楽


今回は体調に気を付けて、のんびりコースと決めてたのに、レンタサイクルでついついあちこち行きたい場所が増えてしまった

奈良巡り中は血も巡ったけど、帰宅した今は顔がむくんで疲労困憊....また無理してしまった

氷室神社ー献氷祭ー/璉珹寺の秘仏

2017-05-01 | 旅行記(奈良)
GWは特別な行事の多い奈良です。

氷室神社の献氷祭を見に行きました。
氷の聖地奈良、氷室神社は氷文化発信の場所です。全国の製氷業界の方が氷室の神事に由来する伝統行事に参列されました。









璉珹寺で秘仏特別公開をしていました。
美しい女人の姿をした阿弥陀如来立像は上半身は裸で下半身には絹の袴をまとわれています。

50年に一度取り替えられるという袴も寺に保管されていて間近で見せていただきました。細い絹糸で四神の模様などが緻密に織られた素晴らしい作品でした







奈良ホテル

ちょっと高くて泊まれないけど入ってみたかった奈良ホテルです。
ティーラウンジでのんびりリッチな気分。ケーキがすごく美味しかったわ

生駒-宝山寺-

2017-01-08 | 旅行記(奈良)
奈良検定試験が終わって、宝山寺へ行きました。
「生駒の聖天さん」と親しまれている商売繁盛の神様です。



宝山寺駅へ行くケーブルカーは、営業用としては日本で一番最初にできたそうです。
“ミケ”という名前のケーブルカーに乗りました。途中ですれ違ったのは“ブル”です。
これも奈良検定の過去問題に出ていたので、しっかり覚えてましたよ



昔は賑やかだった門前町です。
ずぅ~っと階段なので、ちょっとでも若いうちに来といてよかった


「一の鳥居」です。
国内でも特に背が高いものとされています。
寺院で鳥居を見かけるのはまれです。バラモン教の神様も祀っているからだとか。



今まで来ようって思いつかなかった「宝山寺」はすごいところでした
境内に入るやいなや本堂の後ろの岩壁「般若窟」に圧倒されました


境内全体の模型はそっくりにできていました。



ますます訪ねたくなる奈良

なんだか盛沢山なお寺です。

今回はあいにくの雨の中、足早に見てまわりましたが、またいつか奈良検定1級にチャレンジする時、ゆっくり来てみたいお寺でした。


正倉院展と斑鳩の里<法起寺・法輪寺・藤ノ木古墳>

2016-11-07 | 旅行記(奈良)
【二日目】

正倉院展最終日の朝一番はすぐに入館できてゆっくり観覧できました。



前日テレビで正倉院展の特別番組があったので実物を見るのは一段と楽しみでした。
特別な儀式に使われた工芸品はその技術に驚きと感動があります。私は特に作った人の痕跡を感じる物が好きです。そしてもっと興味深いものは当時の書物です。行政の役割がきちんと記してあり、人々の暮らしを知ることができ、奈良時代と現代の距離が縮まる気がします

帰りは再び法隆寺駅でJRを下車。
3時間のレンタサイクルを借りて、法起寺と法輪寺に行きました。







そして藤ノ木古墳。



10年以上前に来た時とは違ってきれいに整備され、藤ノ木古墳を中心とする史跡の紹介をする斑鳩文化財センターもできていました。

玄関口にある真っ赤な石棺は藤ノ木古墳の石棺の実物大レプリカです。
実際に水銀朱が塗られてこんなふうだったらしい。



未盗掘の石棺は二上山の凝灰岩で作られており、中はもろく、調査のため蓋を開けるときは、このレプリカで何度も練習をしたそうです。

発掘と開棺調査実施後、この石棺を中の遺物とともに広島県立ふくやま歴史博物館で見たことをセンターの人に話すと首をかしげられたけど記憶違い?私はいったいどこで見たんだろう...あの時の衝撃だけは覚えてるんだけど。

今回も面白い奈良の旅でした

斑鳩の里<法隆寺・中宮寺>

2016-11-06 | 旅行記(奈良)
今年の秋の奈良旅は斑鳩地方と正倉院展です。

【一日目】
9時半に着いた法隆寺は観光客は少なく静かでゆったりしていました。
観光センターで資料集めをし展示品を見て出発。
同年代の4人グループに混ぜてもらって、ボランティアガイドさんに案内をしていただきました。
ガイドさんの解説に引き込まれ、小学校の修学旅行を含め3度目にして初めて法隆寺の事を知った感じ。


中門はただいま改修中。

亀と兎、石の魚、伏蔵、秘仏、壁画、葵の紋、涅槃像、当時の斑鳩などなど古い写真を見せてもらいながら興味深いお話ばかりをしていただきました。









ガイドのお爺さんは他の人のブログによると90歳になられるようです。今は月に3回しかガイドをされていないとか。今日出会えたことは幸運でした。3時間以上も一緒に歩いてくださったのに私達のスケジュールを考慮して短縮されていたのだそうです。

盛りだくさんな内容はこの方のHPを紹介します。
杉澤東洋さんのブログ(←クリック)

名残惜しくお別れした後は、中宮寺へ。
あこがれの菩薩半跏像(伝如意輪観音像)を初めて拝観しました。



平城京天平祭の最終日で、フィナーレの東儀秀樹さんのコンサートに駆けつけたけど間に合わず残念でした。



東儀秀樹 【蒼き海の道】  薬師寺 蓮華



山の辺の道<北ルート>

2016-05-06 | 旅行記(奈良)
長いお休みはやっぱり奈良へ。一人で気ままにふらっと出かけてしまいます。

秋に南ルートを歩いた山の辺の道。
春にとっておいた北ルートを歩きました。

天理駅から商店街を歩いて出発。
石上神宮の境内はさすがに空気がとっても気持ちい~い。春に来てよかった。








古代の道には荘厳な歴史の跡がいっぱい。





ただ歩くだけで嬉しい





大好きな柿本人麻呂公の足跡が多い地域です。



長岳寺の敷地は比較的広いまま現存しています。






石棺に掘られた石仏。

一日目は山の辺の道北ルートをあちこち寄り道して満喫しました。

そして、二日目は春日大社の中にある万葉植物園へ。
思ったより広い敷地には、たくさんの万葉歌が紹介されていました。


白い藤の花が満開でした。


この写真は浮舞台と遥拝石。
「歌仙堂」というお堂(写真撮るの忘れた)には柿本人麻呂公が神様として祀られていました。


もっと勉強して、また違う見方で歩いてみたいと思いました。

奈良国立博物館では「信貴山縁起絵巻展」が開催されていて、正倉院展並みの見ごたえがありました

明日香村~キトラ古墳の天文図~

2015-11-09 | 旅行記(奈良)
飛鳥駅で、この人達がお出迎え。



今回の奈良旅の目的の一つ、飛鳥資料館の特別展「キトラ古墳と天の科学」を見に行きました。



キトラ古墳の石室の天井に描かれた天文図は4世紀頃の古代中国で観測された星の配置図である可能性が高いという研究発表がありました。
日本書紀には天武天皇が天文に関する知識に長けていたとされ、その頃の日食、月食、隕石、彗星、流星などの観測記録がありビックリです



岡寺の近くに移転した“カフェことだま”さんです。
長い時間、資料館にいたためランチに間に合わず残念。でも以前よりもっとステキになったお店でゆっくりしたくてモンブランのケーキセットをいただきました


犬養万葉記念館です。
犬養孝氏が台湾の台北高等学校の教授時代、万葉集の講義をした教え子の中には、後の台湾総統となる李登輝氏もいたそうです。


亀石


伝承板葺宮跡

明日香村は、また今度ゆっくり来ることにして、お馴染みのルートを通って飛鳥駅へ戻りました。