てんてんのタイムスクープ!

~アジアの伝統文化に触れて~

奈良1300年前へ~平城京大極殿発掘現地説明会~

2009-06-21 | 旅行記(奈良)


今年に入って奈良旅行を何度か計画したものの、新型インフルエンザ騒動や他の予定が入ったりして断念していました。

そしてやっとこの土日で行くことに決め、2010年、いよいよ晴れ舞台を迎える平城京跡と聖武天皇、光明皇后に縁のある場所を巡る事にしました。

GWに鬼ノ城や吉備真備公に縁のある地を散策してから、聖武天皇に関心をもち、ついに今まで行く気にならなかった東大寺と春日大社というメジャーな観光地へ訪れるきっかけになりました。

6/20(土)

高速バスで京都まで行き、近鉄で西大寺の奈良ファミリーに寄りました。せんと君グッズを買うためP1010657_2に。

せんと君は一時の不評を覆すほどの人気ぶりと聞いていましたが、実際は女性客に「気持ち悪い....」「怖い...」と相変わらず嫌われている様子。

ぬいぐるみは、かなり無理して可愛く作られていますが、私はリアルなせんと君も好きだな。 

せんと君は奈良の地で育まれたエネルギーの化身なのです。何も言わなくても、笑わなくても愛嬌たっぷりのせんと君が私は好きです。

さてさていきなりの買い物で荷物が増えましたが、そのまま平城京跡方面へ歩きました。

するとおじいちゃま達が次々と私を早足で抜かして行くではありませんか。何事かと思い私も早足で追いかけてみると、草むらに「現地説明会13時30分から」という看板が見え隠れしていました。ちょうど始まる時間だったようです。

なんてラッキーなのでしょう!

第一次大極殿の発掘調査が終了し最後の現地説明会がありました。天皇の即位式や外国のお客様を迎える儀式が行われた平城京の中でも最も重要な場所の遺構です。長い年月をかけた発掘調査の末、いよいよ来年の平城京遷都1300年祭に向けて一帯の舗装工事が始まるため、埋め戻して保存するそうです。

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とても嬉しい偶然に迎えられました。

復元された朱雀門からまっすぐに伸びたところに遺構はありました。周りは草がなびいているだけで、目に入る障害物もなく、まさにここに都があったと想像できました。

役人達が早朝出勤で集まる朝堂院や宮殿の給食センターなど場所が明らかになっており、宮内で働く人々の生活の臭いまでしてきそうでした。実際には柑橘系の香りが漂っていました。

平城京の広い敷地を歩いてまわり、売店のアイスキャンディーで一息ついてから、法華寺に向かいました。

法華寺には光明皇后が1000人の垢を流したという言い伝えで有名な「から風呂」がありま す。また重文の十一面観音像は光明皇后がモデルだと伝わっています。

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現在は小さな境内ですが、天平時代は荘厳な大伽藍だったそうです。

すぐ近くに海龍王寺がありました。ここは光明皇后が創建した由緒あるお寺で、平城京の鬼門を護っています。扉が全開のお堂には近年まで秘仏とされていた十一面観音像が安置されていました。

今回泊まるホテルは今年3月にオープンしたばかりのスーパーホテルでした。建物の中は外観よりも素敵で、スタッフの皆さんも恐縮してしまうほど親切でした。近頃は口コミで厳しく評価されるため、ホテルの従業員の意識が違ってきているようです。

外国のお客様も多い観光地のホテルでこれだけの素晴らしい接客は日本の古都をますますPRしてくれそう。

暗くなりかけてから、三条通りのみやげ物屋を見て歩きました。猿沢池あたりまで行くと露店もほとんど閉められて、静かないい雰囲気になっていました。

一番行きやすい場所にある興福寺は毎回必ず行くお気に入りの場所です。五重塔は控えめな明かりでライトアップされ、お寺の社務所はいつも明るく、お寺に閉館時間はありませんよ~って言ってくれているみたいです。

ほとんど人がいないので、建物の礎石のみを復元した高台に上がって歩いたりしました。

いつも参拝に来ているという地元の年配の女性に声をかけられ、「あちらにある像の頭をなでてごらん、病気にならないよ」「あちらの観音様は一言だけお願いを聞いてくれるよ」と教えてくださいました。

そして、さっき南円堂の前に右近の橘はあるけど…….左近の桜がない?と疑問に思っていたのを察したらしく、「ここは藤原氏のお寺だから、右側は桜ではなくて藤なのよ」って教えてくださいました。

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お昼間の賑やかな時に来ていたら出会わなかった縁でした。

前に来た時はお掃除をしているお寺の人に右近の橘(みかん)をこっそり頂きました。

やっぱり興福寺は夜がいい。

翌日は東大寺周辺と春日大社周辺をゆっくり徒歩で見て回りました。

東大寺は小学校の修学旅行以来だし、大仏や仁王像をまじまじと見るのは初めてでした。その大きさと彫刻の技術にはびっくり。製作した人達のエネルギーが伝わってくるようでした。

二月堂、三月堂、四月堂で、天平当時の仏像を見ることができました。

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慈悲深い功績の言い伝えがある光明皇后のファンになり、東大寺裏の光明皇后の万葉歌碑を見に行きました。歌のとおり、皇后が慕った聖武天皇も魅力のある人物だったはず。

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学校の歴史の時間に「聖武天皇は呪いを恐れて都を移してばかりいた....」とちっちゃなイメージを植えつけられていたけど、それだけではなかった……..と思いたくなります。生涯おびえて過ごしたという説もありますが、皇后に支えられ素敵な日々も多かったに違いありません。

鹿たちがのんびりしているので、私もなんとなくのんびりと東大寺から春日大社まで歩きました。

春日大社はとても綺麗な神社でした。女性に人気のスポットらしいです。団体客が多く、接客に忙しい神社という印象で本社への入場も1時間以上待たされ、少し興ざめしながら、とりあえず来たぞって満足して帰りました。

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今回もよく歩きました。500円で買った「歩く地図帳」は親切なガイドブックでした。時間の目安も年配の人に合わせているようで、実際には地図より距離を感じませんでした。

やっぱり奈良が好き、と再確認。

これからどんどん変化して行きそうだけど、地元の人達は私よりももっと奈良が好きだから、きっといい感じに歴史を残していくのだと思います。

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今度は吉野方面かな。