のんびりとした元旦を迎えることができました。
昨年秋の奈良の旅を思い出しながら、記録したいと思います。
【10/6 土】 1日目
信貴山の中腹にある信貴山朝護孫子寺を大和七福神巡りのスタートにしました。
バスに乗ってカーブの多い急な坂道を登りバス停で降りて10分ほど参道を歩くと大きな虎が迎えてくれました。
(信貴山朝護孫子寺)=毘沙門天
聖徳太子が物部氏討伐の祈願をしたところ、寅の年、寅の日、寅の刻に毘沙門天が現れ願いが叶ったことから「信ずべき山、貴ぶべき山」として信貴山と名付けました。広大な境内に舞台造りの本堂や多宝塔など、多くの塔頭寺院が並びます。
ホテルに着いてのんびりと名物の柿の葉寿司を夕食にして、デザートに公家芋饅頭をおいしくいただきました。
【10/7 日】 2日目
早朝から出発し、JR三輪駅からすぐの大神神社へ行きました。ここは、交通の便がよいこともあり、たくさんの観光客で賑わっていました。
(大神神社)=七福倍増の福宝
日本最古の神社として知られる大神神社。「日本書紀」によると、崇神天皇の時代に疫病が流行した時、夢の中に現れた神託に従い、大物主神の子である大田田根子を神主として三輪山の大物主神を祀らせたところ平和になったとされています。神社の後ろにある三輪山を御神体としているため本殿はなく、拝殿の奥にある三ツ鳥居を通して三輪山が拝まれています。
次に桜井駅からバスで安倍文殊院へ行きました。境内の入り口は狭く、民家の並ぶ平地にあるため、町内の憩いの場のような雰囲気でした。コスモスの花がいっぱいで、「コスモス迷路」が敷地に造られ、子供たちがたくさんいました。敷地の中に立派な古墳が.....(・o・)
(安倍文殊院)=弁財天
「知恵の文殊さん」として親しまれ、多くの受験生が参拝に訪れます。645年に安倍倉梯麻呂が安倍一族の氏寺として創建しました。狐と人間の間に生まれたという伝説が残る安倍晴明が陰陽道の修行をした地とされ、占いのために天文観測をしたという場所に安倍晴明堂が建っています。本尊の文殊菩薩像は快慶の作で、国の重要文化財に指定されています。
一旦桜井駅まで戻り、またバスで今度は談山神社へ向かいました。吉野山の風景に似た深い山道でした。20分ほど登った山のバス亭で降りると空気はひんやりとし、鼻がすぅ~っと通って頭がクリアになりました。ほんとうにこんな山奥で密談が交わされたのか???何もここまで.....(-_-;)
(談山神社)=福禄寿神
藤原鎌足と中大兄皇子が大化の改新の談合をした山、「談らい山」から生まれたといいます。日光東照宮の手本になったといわれる本殿には、御祭神である鎌足公が祀られています。境内には、十三重塔をはじめ、華麗な重要文化財の社殿が15棟も建ち並びます。また紅葉の名所としても有名です。
あと残すところ4箇所。明日一日では無理だと思い、足早にもう一箇所、おふさ観音へ向かいました。ガイドブックに駅から7分と書いてある場合、たいてい10分くらいかかるので、さすがに一人では退屈で随分長く遠く感じました。もうほとんど意地で廻っている感じでした。
(おふさ観音)=恵比寿天
境内に約1800種類のバラが咲き乱れる、花まんだらの寺として有名。昔、土地の娘「おふさ」が、鯉が淵という池で白い亀に乗った観音様をご覧になり、お堂を建てて奉ったのがはじまりといわれています。本尊・十一面観音は長寿や病気退散にご利益があるとか。
【10/8 月】 3日目
残り3ヶ所は奈良の西寄りに集中しているので、楽に廻れるだろうとのんびり出発しました。
子嶋寺....初めて知ったお寺でした。あまり期待もなくスタンプラリーのごとく向かい、駅について民家の間をとぼとぼと歩きました。その道はゆるやかな傾斜になっていて脇の溝にはきれいな水が流れ、わざと段差をつけているのか、せせらぎの音が心地よかったです。しばらく行くと遠くに小さな境内が見えました。
(子嶋寺)=大黒天
孝謙天皇の勅願所で報恩大徳により開基されました。二代目延鎮は坂上田村麻呂将軍と共に京都に清水寺を開き、子嶋寺の支坊としました。日本三大曼荼羅図(両界曼荼羅図)、重文十一面観音立像、その他宝物多数あり、格式高い古刹の由緒を静かに物語っています。
次に向かう久米寺は何度も訪れた明日香村散策の拠点にしていた橿原神宮駅の付近にあるはずですが、行ったことがありませんでした。橿原神宮関係の敷地があまりに広くてわかりにくく、遠回りをしてしまいました。なんだか狭いところに新しく造られた雰囲気にガッカリでした。でも管理人(?)と思われるお寺のお婆さんの話を聞いて、なるほど....と溜め息をついてしまいました。歴史のめまぐるしい変貌です...。
(久米寺)=寿老神
聖徳太子の弟・来目皇子が、この地で薬師如来に祈願したところ眼病が治癒したため、自らを来目皇子と名付け、久米寺を建立しました。神通力で空を飛んだといわれる久米仙人ゆかりのお寺としても有名です。
残すところあと一箇所だけど時間がない!中将姫伝説で興味津々だった當麻寺へ急ぎました。
(當麻寺)=布袋尊
美しい二上山山麓に佇む、天平建築の古寺。本堂には藤原豊成の娘・中将姫が阿弥陀仏の助けを借り、一夜にして極楽浄土の光景を織り表したといわれる當麻曼荼羅が祀られています。(実物はさすがに傷みがひどく、別の場所に保管されているそうです)また金堂には弥勒仏・四天王が祀られています。
よく、歩き(走り)ました(^_^;)そして一生心に残る「大和七福神巡り」の旅になりました。
あれから3ヶ月経ちましたが、またそろそろ奈良が恋しくなっています。
今回は七福神巡りでしたが、まだ神仏を拝むことには、こだわりがありません。それよりも歴史の中の人々の生活や気持ちにとても興味があります。いろいろ勝手に思いを巡らせるのが好きです。知識はないけれど、行ってその場で感じてみたいのです。ヒントとなる文献がやっと残っているくらいの時代が面白いです。
奈良の短大に入り寮生活をしていた学生時代には全く興味がなかったのに....今になってなぜこんなに魅力を感じるのでしょうか?歳のせい?
でも自由になるお金と時間があり、足腰丈夫な今だけ、満喫できることかもしれません....。
ってことにして、今年もどっか行きたいな(^_^)v