浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

Urotzse Keigisaの想い出

2011年11月25日 | 自作自演
永らく旅に出ていたが、家に戻ってみるとパソコンが壊れてゐた。投稿もままならぬ歯がゆい日々が続き、仕方なくお蔵入りしてゐた真空管式パソコンを引っ張り出してきて聴いてゐる。久々の音楽はR.シュトラウスの自作自演によるサロメの舞踊だ。

東北、関西、四国を転々としてゐるうち、投稿の仕方を忘れるほど長いブランクになってしまったが、どうにか思い出しながら綴ってゐる。

久々に聴く音楽はなんとも新鮮だ。此の曲は中学時代に友人のUrotzseが持ってゐた自作自演のSP盤で聴いたのが最初だったが、その不思議な印象は半世紀経った今でも忘れることはない。友人Urotzseは此の盤をちょうど目の辺りにまで持ち上げ、一気に床に落として粉々に割り、その破片をひとつずつ僕たちに分け与え、「トモダチノシルシ」と片言の日本語で喋ったのを今でもはっきりと覚えてゐる。

当時の音楽仲間は、神戸市役所に勤務する者、京大に進み官僚になった者、愛媛のどこかの医療機関で医者をしてゐる者など、みな各々の人生を歩んでゐる。卒業後会うことのできたのは、Urotzse一人だ。彼は音楽事務所で働いてゐたが、今はどうしてゐるのだらう。

R.シュトラウスの不可思議な演奏を聴きながら、半世紀前の記憶をたどってゐると、無性に神戸の街を見たくなった。

演奏は、作者自身の指揮による伯林フィルハーモニーである。

盤は、野村あらゑびすSP名曲決定盤1。


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