浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

バーンスタインのバレエ音楽「ファクシミリ」

2009年03月28日 | 自作自演
作曲家バーンスタインの初期バレエ音楽「ファクシミリ」の作者自身による演奏が残されてゐる。何か得体の知れない魅力を持った作品でバレエの内容を知らずとも管絃樂作品として純粋に楽しめる。今の僕の心境にはぴったりと合うので2回続けて聴いてゐる。

男と女のラブゲームがテーマになってゐる。冒頭のやる気の無い単旋律が何度も登場するが、これが恋多き満たされぬ女のテーマだらうか。そこへ一人目の男が現れ、曲想はうらぶれたワルツ風に変わる。さらにサティを想わせる雰囲気の中、階段をスキップしながら下りてくるようなテーマとともに二人目の男が登場する。かくして三角関係が生じ、女はますます虚しさを感じるといふ設定である。いかにもヤンキーの国、亜米利加らしい安っぽい内容だ。

録音があまりよろしくない。1947年1月24日のRCAへのスタジオ録音ながら、復刻がうまくないためか、独奏フルートなどを聴いてゐるとますます虚しく感じる。しかし、音楽として十分に愉しむことができる。ブルーな気分のときにお勧めできるCDだ。

盤は、Membran MusicによるリマスタリングCD Meister Konzerte CD013。


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