浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ダリウス・ミヨーの洋琴協奏曲第2番 自作自演

2009年09月16日 | 自作自演
ダリウス・ミヨーの楽天的な世界はサティーの研究をしてゐた学生時代に出会った。僕の頭の中ではジョアン・ミロの絵画としばしばオーバーラップする。今日は仕事も暇で、帰宅してひと寝入りしてから風呂に入り、ミヨーの愉しい音楽を聴いて寛いでゐる。

この協奏曲は1941年に作者と市俄古交響樂團によって初演された。ミヨーは第1交響曲などを創立50周年を迎えた同響の為に書いてゐる。3回目の市俄古響とのステージで披露されたのがこの作品といふことになる。

プロヴァンス地方の陽気な雰囲気と亜米利加の大衆音楽(ポピュラー音楽)が持つ能天気さが合体したやうな第1楽章だが、その快活さは正にミヨーの真骨頂である。サロン音楽と民謡の間を行き来するネイティヴなテーマで始まる第2楽章では、クラリネットによってテーマが反復される。さらに弦楽器群に引き継がれていく瞬間は夢心地になる。バスーンによる第2主題が登場し、最後には初めのテーマに回帰する。終楽章では、ミヨーが若い頃に友人の秘書として滞在した南米のカーニバルの香りを発する音楽でしめくくられてゐる。

難しいことを考えずに単純に愉しめるのがミヨーの良さだと思ってゐる。眉間のしわがフッと緩んでいくのが分かる。演奏はミヨー自身の指揮するルクセンブルグ放送管絃團とカール・ジーマンの洋琴独奏。

盤は、米國VoxによるリマスタリングCD CDX5109。


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