浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

プジョル夫妻 ファリャの「水車小屋の踊り」と「はかなき人生の舞踏」

2008年11月17日 | 器楽奏者
エミリオ・プジョルのSP盤を知人から頂いたときのことは忘れられない。Victorの赤盤にPujolといふ名を見たときは、正直言ってそれほど関心は持たなかったのだが、その盤に針を下ろすや僕はこの盤の虜になってしまった。

西班牙の作曲家、ギター奏者、ビウエラ研究家として活躍したプジョルは、僕がこのSP盤を愉しんでゐた頃は、未だ存命中であったやうだ。1980年に94歳で亡くなるまで楽譜の編纂など研究を続けたといふ。

そのSP盤には、Matilda Cuervas y Emilio Pujolといふ記載があった。マティルダ・クエルバスはプジョルの最初の妻の名であり、夫婦によるデュオだったのである。どうりで一人で弾いてゐるにしては凄すぎると思ってゐた。特に「はかなき人生」の舞踏曲の方はのりも素晴らしく、ギターの胴を叩きリズムをとってゐて痛快無比の演奏である。このやうな優れたレコヲドを、現在聴くことができないのは何故だらう、残念でならない。復活を心待ちにしてゐる。

プジョルの後ろには若き日のセゴヴィアが写ってゐる。

盤は、私家版SP復刻CD-R 765-0048INS。


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