Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

ラ・ラ・ランド(ネタバレ注意)

2017-04-02 17:47:59 | 映画
今回は映画「ラ・ラ・ランド」について。






アカデミー賞でも監督賞を始め、たくさん賞をもらっているミュージカル映画。公開される前から、かなり話題になっていて気になっておりました。観に行ったのは公開最初の週でしたが、やはり人気の作品でかなり人がいました。監督はセッションのデイミアン・チャゼルということでここも観に行きたいツボでした。それにゲイはミュージカル好きですからね。


ここで内容を・・・



何度もオーディションに落ちてすっかりへこんでいた女優志望の卵ミア(エマ・ストーン)は、ピアノの音色に導かれるようにジャズバーに入る。そこでピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と出会うが、そのいきさつは最悪なものだった。ある日、ミアはプールサイドで不機嫌そうに1980年代のポップスを演奏をするセバスチャンと再会し……。



と書いてあります。




観終って、監督の往年におけるハリウッドミュージカルに対しての愛と、セッションの時にも感じたジャズに対しての愛がたくさん詰まった映画だったなぁと感じました。冒頭の高速道路でのミュージカルシーンからはじまり、ミアの女友達との歌、セバスチャンのピアノ、天文台でのロマンチックなミュージカルシーン・・どこをとっても、すばらしい「王道」の映画でした。なので、アカデミー賞で作品賞ではなかったというのも、納得でした。

こんなに王道な映画に全世界が魅了されたということは、それだけ現実の世界が複雑で厳しいものだからなのかもしれません。せめて映画の中ではそんな現実を忘れて、夢のような世界に酔いたいということなのかなと感じました。

ライアンゴズリングはピアノの猛特訓を3か月行ったとか。


これは劇場の大きなスクリーンで観てもらいたいです。そして、ラストのミュージカルシーンを楽しんでほしいです。




ここからは、ストーリーについてのネタバレになりますので、ごらんになっていない方は読まないでくださいね。

















セバスチャンはジャズへのこだわりを捨てて、ジャズをミックスしたようなバンドから誘われ、キーボードを参加することに。ジャズへの信念がなくなったわけではないけど、ミアとの将来を考えて安定した収入を得ようと参加することになります。そして、そのバンドは大当たりして、一躍スターになっていくのです。ですが、そのステージを観たミアに「そんな音楽を本当にやりたいの?」と言われてしまうセバスチャン。

一方、オーディションに落ち続けたミアはセバスチャンの勧めもあって、小さな劇場で一人芝居を企画していきます。公演はとても成功とはいえない状態。セバスチャンも仕事で観に来ることができず、ミアはロスを離れて、実家にもどってしまいます。

そんな時、セバスチャンのもとに、ミアの公演を観たエージェントからぜひうちの映画のオーディションをうけてほしいと連絡が入ります。

ミアのもとに駆けつけるセバスチャン。かたくなに断るミアに「そんなに簡単にあきらめて良いのか」と以前自分に言われた言葉をミアに返します。

セバスチャンとともにロスにもどったミアはオーディションを受け、自分のパリとの思い出を歌で表現するのです。

そして、結果は見事合格。ミアは映画の撮影のためパリにいくことに。

セバスチャンとミアは二人の未来のために、別れることになります。


それから5年後、ミアは大女優になっていました。
そして、別な男性と結婚し娘もいて幸せな生活を送っていたのです。ある日、ミアは旦那と二人で夕食にいくことにしたのですが、道路が混んでいて、予定している店をあきらめることに。街中を歩いていると、階下から聞こえるジャズの音楽。旦那がその店に入っていくとその店のロゴは「セブズ」それはミアがセバスチャンが自分の店をもった時には、この名前が良いと言っていたもの。

中に入ると、バンドが演奏しています。席につくミアと旦那。舞台にセバスチャンがあがると、ミアが来ていることに気がつくのです。
ここから、最後のミュージカルシーンが始まります。

もし、一番最初の出会いで二人ともうまくいって、ミアの公演もうまくいって、セバスチャンもジャズで成功して自分の店をもっていて、女優として大成功して、二人は結婚して、息子もできていて・・・

でも、現実にもどる二人。

ミアはセバスチャンの店を出ていくのです。


切ないエンディングですよね。でも、やっぱり王道(笑)。ラストのミュージカルシーンがこの映画のハイライトだと感じました。

この監督の次の作品がどうなるのか気になります。