Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

イヴ・サンローラン

2014-09-18 17:47:10 | 映画
今回は映画「イヴ・サンローラン」について。







ゲイにとってこの手の映画、観ないわけないでしょう(笑)。きっとこの映画を観に来ている男の多数はゲイだと思います。観に行った時にそう感じましたから。ゲイレーダーはゲイにしか備わっていないので。


内容は・・・


953年、パリ。亡きクリスチャン・ディオールの後継者として関心を向けられるファッションデザイナー、イヴ・サンローラン(ピエール・ニネ)。デビューを兼ねた初コレクションを成功させた彼は、21歳にしてファッション業界の天才としてあがめられる。そんなイヴとディナーで出会ったピエール・ベルジェ(ギョーム・ガリエンヌ)は、その才能に惹(ひ)かれると同時に恋をする。ベルジュは仕事でもプライベートでもパートナーとしてイヴを支え、彼の名を冠したブランドを一緒に立ち上げてファッションの革命をもたらしていく。

と書いてあります(笑)。



なんとも、スーパーゲイな映画(笑)。サンローランはゲイを公表していたし、パートナーとの関係も良いと思っていたのですが、この映画を観て、天才ゆえの苦悩と、天才に群がりたがる人たちには良い影響を与えない人たちが多いということがわかりました。



サンローランは若くしてディオールの後継者となりますが、彼は戦争に徴兵されるのです。この話、知りませんでした。もちろん戦争で戦えるはずもないので、精神を病んでもどってきます。これがディオールから解雇される理由だったんですね。

その後ピエールの力を借りて、自らのブランドを立ち上げます。ディオールの時代からのミューズであるモデル、ヴィクトワールとは独立してからも、仲良しだったのですが、ある時ピエールが彼女と関係してしまうんです。つまりピエールはバイセクシャルなんですね。ここでサンローランは怒り、彼女をクビにしてしまいます。この話もなかんかすごい。



でね、若くして成功したもんだから、金があるでしょ。金があるところにはいろんな人たちがやってくる。そこにドラッグが入ってくるんですね。そして、セックス。けっこうサンローランは若かったから、ハッテン場にいったりしてたんですね~。

その描写も露骨で、そういうのに嫌悪感がある方は観ない方がいいかもしれません。僕たちは自分もしてることだしね(笑)、嫌じゃないですよ、ぜんぜん。

カールラガーフェルドが、ほんとスーパーゲイでオネエサンなんです。こういうの、いいんですかね。バレても。

で、そのラガーフェルドの彼氏が良い体で、顔も良く、サンローランと関係が深くなるんです。このときこの関係がピエールにばれたときにも「彼を愛しているけど、生涯の男は君(ピエール)だけ」と言うんです。こういうこと、ゲイのカップルだからなのかなぁ。なにせピエールも他の男と寝たり、平気でしてますからね(笑)。




ピエールはまだ、まともだから、彼がドラッグでダメになっていくことが耐えられなかった。だから、そういった仲間たちとはできるだけ、離れてほしかったんです。

ドラッグで体がボロボロでも、ショーのラストにはまともに見せるようにピエール達がなんとか頑張る、ステージ裏の姿も観ることができ、その大変さと愛情の深さを感じました。

そして、意外と長生きだったのもわかりました。ガンで亡くなったのが2008年だったんですね。72歳でした。エイズとは無関係だったのは、なんか良かったと思いました。

衣装が、すべて本物だということで、ショーの場面はエレガントで素敵です。

ちなみに、もう1本のサンローランの映画があるみたいですね。こちらも日本で公開するようです。見比べるのもおもしろいかも。


この映画、ファッションに興味があり、ゲイにも理解のある方しか、基本的におすすめしません(笑)。




GODZILLA ゴジラ (2014)ネタバレ注意

2014-09-18 17:13:48 | Weblog
今回は映画「GODZILLA ゴジラ (2014)」について。




僕は、日本のゴジラは昔の白黒のくらいしかしっかり観たことがありません。というのも、あの「いかにもミニチュアの街を壊していく着ぐるみのゴジラ」をお金払って、大画面で観る気がしなかったからです。テレビでやっていたとしても、しっかり観るというよりは、なんとなく観るといったくらいで。もちろん、この作品には思い入れを持っている方がたくさんいると思いますが、僕はそんなに思い入れは無い方です。

でも、今回の孤児らは予告編を観る限り、良くできていると思ったので、観に行くこととしました。



ここで内容を・・・


1999年、日本。原子力発電所で働くジョー(ブライアン・クランストン)は、突如として発生した異様な振動に危険を感じて運転停止を決意。だが、振動は激しさを増して発電所は崩壊し、一緒に働いていた妻サンドラ(ジュリエット・ビノシュ)を亡くしてしまう。それから15年後、アメリカ軍爆発物処理班の隊員である、ジョーの息子フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)は、日本で暮らす父を訪ねる。原発崩壊事故の原因を調べようと侵入禁止区域に足を踏み入れた二人は、そこで思いも寄らぬ光景を目にする。



と書いてあります(笑)。



観終ってみると、「きっと日本のクリエーターの人たちも、このくらいの質で作りたかったんじゃないかなぁ」って思いました。それほど、良くできた作品だと思います。ツッコミ所はありますが、ほぼ、日本のゴジラ映画の作りを踏襲していて驚きました。よほど、この監督さんがゴジラに対して思い入れがあるんだと。

原発の事故などの表現や、ハワイでの戦い、ラストのアメリカ本土など、スケールは日本版より大きいのですが、ゴジラがどこか日本っぽい「神々しい」という雰囲気をうまく出していると思います。

日本のゴジラに思い入れがある方の中には、あまり評価が高くないこともあるみたいですが、僕は「このゴジラのシリーズ」なら続けて観たいです。

できれば、大画面でごらんになってみてもらいたい作品です。


ここからはネタバレです。ご覧になっていない方は読まないでくださいね。














僕、今回もう一つ怪獣がでてくること知らなかったんです。だから、最初の方で原子力をエネルギーにしている大きな怪獣がゴジラじゃない形にびっくりで(笑)。これが今回の怪獣MUTOなんですよ。

MUTOには雄と雌がいて、原子力のエネルギーを得て、交配し、子供をつくるために現代によみがえるという話。これを阻止するためにゴジラが登場するんですよね。

過去に起きていた水爆の実験などはゴジラを倒すためだったという新たな設定も、僕は面白いと思いました。

日本のゴジラもきっと神々しいイメージがあるのだと思いますが、それがどうも日本の特撮によって、「子供映画」のイメージが抜けないのです。だけど、そこを生かしつつも、うまく映像化ができていると感じました。

一つ、文句を言うならば日本人の芹沢博士(この役名は一番最初の白黒のゴジラに登場します)役の渡辺兼が、ダメだと僕は感じました。

日本人の役者は彼しかいないのか、と感じるくらい彼が出演するアメリカ映画が多いのですよね。でもこの役は彼以外の誰かで良かったのではないかと思いました。やはり、英語がダメなのでしょうか、セリフが少ないし、だから、重要な役どころなはずなのに、なぜが存在感が無いんです。残念だと感じました。



ゴジラの咆哮、この映画でかっこいいと、はじめて思いましたよ(笑)。