マルガリータのつぶやき

フォトジェニックな「趣味の記録」:マルガリータの庭、国内海外の旅、グルメ、美術・音楽・映画、自分勝手流読書、etc

終わらざる夏 

2010-07-27 19:00:12 | 本 MEMO
 やっと、読了しました。
 実に20日間、胸がいっぱいになって小休止をとりながらの前進でした。
  
  下巻に入ってからは、ページをめくるごとに、こちらの顔つきも強ばってきて…。

  いますぐにまた最初から、今度は一気に~などという誘惑をたちきり、
  初読みの読後感をまとめておくのも大切ですよね。

今朝の読売朝刊にご本人のインタビュー記事が大きくのりました。
  


浅田ファンのみならず多方面から、そろそろ色々と出てくるでしょうからその前に


        
    (無料解説冊子より)

 
 新宿紀伊国屋書店で見つけたB5 16ページ の冊子にも「一大群像劇」とありました。  
 そのうちの一人で一冊の小説が書けそうな、それぞれの背景はとても重い。

 おもいを寄せて考え込む時間は、読書人には至福の時ですが… 
  いずれ、浅田次郎の筆により続編なりであらわされることになればと~
               浅田次郎に限ってはあり得ない?

    
  方面軍参謀 吉江恒三のエリート故の理不尽な死にいたる経過がまずは印象的でした。
   占守島に来た当初のぐずぐず~に、さまざまの機密を知るために、正体をかくして~
   本文では、機転をきかせた…との表現をしてますが。それにしても哀しい。
   
  たんたんとかきこんではいるようで、、
    物語の最後にもってきたところが浅田のしかけのような気がしておちつかない。

   
  一瞬の間隙のあと、あ~!と思いだされたのが
       
     「夢顔さんによろしく」 西木正明
    
   首相嫡男の近衛文隆の数奇な生涯と謎に満ちた死の真相をサスペンス仕立てで追っていく傑作です。
    あるいは、劇団四季ミュージカル「異国の丘」タネ本といったら思い当たる方も?
   抑留先のシベリアで最後をむかえるところも、一般人と違うところでの苦悩も共通です。 
 
  ただ、考えるほどに、二作の違いも浮き上がってきました。
  
  どちらがどう、ということではなしに浅田は潔い。すべてを説明し尽くして
  あいまいなところを一分ものこさない。
  
  サスペンス仕立てで謎をのこされて余韻にひたるのもたのしいですが
  フィクションとはいえ明白な結末を示し、
    その後に(うまく言えませんが)、考えにしずみこませる…
   
 やっぱり 浅田次郎は天才

     浅田本読了後のいつもの一言~まだ読んでいない人が心底からうらやましい これからのお楽しみがのこっているから