梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

やることいっぱい! 2日目 

2009年08月11日 | 芝居
未明の地震には久々に肝を潰しました。
マンションの上階なんで、揺れが増すのですよ…。ああ怖い、万歳楽万歳楽…。

《歌舞伎体験教室》は本日<総ざらい>。
今日から生演奏となった鳴物・三味線、あるいは狂言作者さんの柝やツケ打ちの音に、みんな興味津々といったカンジでした。
みんな昨日より元気に演技してました! 私としては、やっぱり舞鶴の4人が気になりますが、いや~随分立派になりました(加賀屋(魁春)さんもおっしゃってましたから間違いなしです)! 声もよく出てましたし、いわゆる<時代に張る>台詞回しを掴んでくれてます。明日はもう、化粧、衣裳もいたしましての<舞台稽古>。サァみんなどこまで頑張れるかな?
…同じ先生に習っても、それぞれの個性が色濃く出るのが面白いですね。

            ◯

今日も宗家に伺いまして、『双面』。
松若とお組がやってきてからのやりとりは、相手がいるのでよいのですが、幕開き、一人でいう台詞に、どうすればもっと気持ちや風情を込められるかが大きな課題です。客席に語りかけるというわけでもないし、独り言でもありませんし…。もっと私がおしずになり切っていれば平気に喋ることができるのでしょう。稽古稽古!
登場人物全員が揃ってからは、それぞれの踊りの合間あいまを、おしずが万端仕切ってゆくような芝居が続きますが、この辺りはだいぶ慣れてきました。目の前でおきた<二人お組>という異常事態に、どれだけ驚けるか、なんとかしなくちゃと思えるか。それがお芝居のウソで、ケロッと総踊りになったり、目隠し鬼ごっこになったりする洒落、趣向のバカバカしさも、全部ひっくるめて、まず自分が楽しまなきゃいけないのかな。

そろそろ悩んでばかりもいられなくなってきた。課題を克服するのは当然のことながら、どっかで開き直れる度胸ももたないと!

…《趣向の華》『有馬猫』は、今日の稽古はほぼ全員揃っての稽古でした。<悪の女小姓>梅丸も、大きなお役ゆえに難儀をしておりますが、頑張って欲しいです! 全編観てのお楽しみという盛りだくさんなお芝居なので、詳しくは説明できませんけれど、台詞もたくさんですし、体もバンバン使う大変なお役なのですよ、本当に…。