梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

『音の会』総ざらいです! そして<全体会議>

2009年08月01日 | 芝居
午前11時から『棒しばり』の<総ざらい>。

最後の最後の、葛桶の蓋の片付けもうまく間に入りました。曲と振りをちゃんと体にいれておけばドキドキもない! あとは手際の問題ですね。

…『棒しばり』の後見は2人出ますが、本興行では、たいてい太郎冠者役の方のお弟子さんと、次郎冠者役の方のお弟子さんがお勤めになります。
大名が一度引っ込んだところで、太郎と次郎の居所が変わるので、それに合わせて後見もいったん退場し、上手下手を入れ替えて再登場することが多いのですが、今回の後見は私と京珠くんで、踊る人の弟子ということではないので、退場して入れ替わることはせず、私は上手係、京珠くんは下手係というように役割を分担しています。

後見の段取りを教えてくだすった先輩のご助言で、このようにさせていただきましたが、
「一度引っ込むとね、だいぶ楽なんだよ」という言葉の意味がよくわかりました。
舞台滞在時間が、長くなるわけでして、足の負担がなかなか…。

でも、若輩の我々は弱音ははきません! 出入りが減る方が、舞台の進行の邪魔もしないですむということでもありますし。
これも修行です!

          ◯

<総ざらい>のあとは、《合同公演》の事務をいくつかこなして、夕方から“全体会議”。
《合同公演》出演者のほとんどが集まりまして、今後の確認、討議が必要な事項は意見を交わします。
チケットの売れ行き、と申しますか、チケットセンターではなく、我々自身が担当しているチケットの残席状況をとりまとめてみました。絶好調の回もあれば、もっと頑張らねば! の回もありました。

今一度、「自分たちの会であること」を意識して、なおいっそうの宣伝活動に取り組んでゆくこと、そして、お越し下さる方々のために、しっかりした舞台を作ることを最大の課題とすることを確認しあいました。

各自が公演に、勤めるお役、演目に責任を持つことは、当然のこととはいえ、実は難しい。27人の参加者の気持ちを、どれだけまとめてゆけるか。いろいろ考えてるうちに、鬱々としかけたのですが、少しは気が晴れるかもよと、会議のあとで仲間が誘ってくれた江戸川の花火大会に、救われました…。

          ◯

最後の最後まで、『全日完売』を目指して頑張ります!
どうぞ、どうぞよろしくご協力のほど、お願い申し上げます!

(8月3日 記)