梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之旅日記’07 『舞台稽古でした』

2007年08月30日 | 芝居
今日は埼玉県川口市【川口リリア】メインホールで<初日通り舞台稽古>。
まずは楽屋作りからはじまりましたが、これからひと月は、毎日荷開けと撤収の繰り返し。できるだけコンパクトにいたしましたれど、それでも結構な数にはなります。

さて、『番町皿屋敷』で私が勉強させて頂く<茶屋の娘>。この芝居では、お抹茶を点てて出す茶屋でございますので、なかなか演技が大変です。進行している芝居に間に合うように、棗から茶を入れお湯を汲み茶筅をかきまわし…。ひとつひとつの動きに、きちんとした作法があるわけですが、といって馬鹿正直に決まり通りの動きをしていては、芝居の流れを止めてしまいます。今回このお役を教えて頂いた先輩にも、お茶を点てるところでは『作法に気をとられすぎないで、芝居の<運び>を壊さないようにトントン演じること』というご注意を頂きました。あくまでそれ<らしく>見えれば可、ということでございます。ご覧頂く皆様には、何卒鷹揚のご見物をお願い申し上げます。

そうはいってもこのお役、幕開きに町奴2人、それから師匠演じる青山播磨、すぐ続けて再び町奴に、というふうに、お茶を出す場面が多く、その他2脚の床几を片付けたり、播磨の羽織を脱がせたりと、することがいっぱい! それぞれの仕事をさりげなくこなすのは本当に難しいです。先輩からは『とにかく慣れること』といわれておりますので、千穐楽までにどれだけ自然に、目立たずにできるようになるか、自らの課題として、精一杯学んでいこうと思います。

いよいよ始まる《公文協西コース》、東京近郊の公演のおりには、皆様どうぞお出まし下さいますよう!