梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之私信 <神田~湯島をお散歩>

2007年08月13日 | 芝居
今日は久しぶりにお稽古がない日。この時期珍しくお休みとなりました。
そこで、三越劇場で公演中の劇団新派『婦系図』を拝見に。新派の舞台を生で観るのは、研修生の頃、公演見学で拝見した『歌行燈』以来ですから、10数年ぶりとなりますでしょうか。
ご存知新派の当たり狂言。お蔦に波乃久里子さん、主税に風間杜夫さんという顔合わせ。狭い劇場を考慮した場割り(5幕9場)、演出になっておりました。
やっぱり「湯島境内」の素晴らしさにつきますね。「切通しを通るんですねえ。思いを切って通すんじゃなく、身体を裂いて別れるような…」お蔦の台詞が切実でした。



終演後は家内と共に、神田の<薮そば>に行ってみようと訪ねたところ今日から夏期休業とのこと、それではと、明神前の甘酒屋<天野屋>で甘酒のかき氷…と思いましたがこちらもお休み。何とも残念! 神田明神様にお参りをして、とにかく食事、食事…と歩いているうちに、はからずも今日の芝居の舞台、湯島天神についてしまいました。
幸い社前のお蕎麦屋さんで遅い昼食もすますことができ、本日2度目のお参り。ひいたおみくじは末吉でした。お蔦よろしく梅の枝に…といきたいところですが、禁止行為なのでポーズだけ…



こじんまりとしたとっても安らげる境内ですね。『婦系図』の原作者、泉鏡花の<筆塚>もございましたよ。




和菓子舗<つる瀬>の“ふく梅”をお土産に、上野御徒町まで歩いて鈴本演芸場中席の顔ぶれをチェックし(菊之丞、権太楼、さん喬、正蔵に、のいる・こいる、ロケット団、紙切り正楽と、なかなか豪華メンバーです!)、浅草経由で夕暮れ時の帰宅。よい気分転換になりました!