梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

No.30 <『音の会』いよいよ…!>

2007年08月09日 | 芝居
今日は《音の会》の<総ざらい>。午後6時半からの顔寄せに引き続き、小劇場に飾られた『忠臣蔵 九段目』の装置を<道具調べ>。監修・指導でいらっしゃる、大和屋(玉三郎)さん、師匠梅玉のお二人が、この決して広いとは言えない劇場で私たちが不都合なく十分演技できるよう、書き割りの位置から木戸の置き場所、竹薮の枝の生え方までご指示を下さり、あわせて、舞台の寸法にあった役者たちの動きの段取りもつけて下さいました。

続いての本稽古では、明日の舞台稽古を控え、進行中もさかんにダメだしが入りました。台詞回し、イキ、間合い、要所要所の動き方、あるいは役作りに対しての「もっと重く」「柔らかく」というようなご注意まで。前回の稽古同様、義太夫さんにもご指導は及びまして、並みいる参加者一同の集中力もものすごく、稽古場全体ピリッと張りつめた空気。 大変な<場所>に居合わせることができた喜びは、こうしてキーボードに向かっている今も、ひしひしと感じております。
終了後もたっぷりとダメだし。これもはたから拝聴するだけでも有難いお言葉ばかり。なんだか今日の総ざらいは<歌舞伎ゼミナール>みたいな趣きで、聞き逃しては絶対後悔するぞというくらいの充実の3時間。やっぱり歌舞伎ってすごい…。

明日の舞台稽古、さらに我々の『九段目』は深まってゆきます。