梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之私信《一心會舞台稽古》

2007年08月01日 | 芝居
日本橋劇場での《一心會》舞台稽古。丸一日劇場で過ごしました。
昨日の<下ざらい>では、テープから生演奏へと<音>が変わりましたが、今日は<舞台>が変わります。間口も奥行きも広い所作舞台に場所を移し、<居所>や歩数、動きの間合いを変えなくてはなりませんが、壁やら人やらを気にすることなく、のびのびと動けるようになることで、ある意味大変楽になります。

とはいえ緊張もさらに高まるのは事実で、劇場での稽古となりますと、客席には関係者の皆様や先輩後輩、あるいは師匠方もおいでになりますので、そういう環境のなかで踊るというのはやっぱりプレッシャーになりますね。
私自身、昨日の課題を克服しようという気持ちからか、だいぶ踊りに力が入ってしまいました。もっと軽く、自然に演じたかったのですけどね。
ただ、今日の稽古で目一杯心も体も動かせたので、明日はどういう加減で勤めればよいか、その目安がはっきりしたのでよかったのではないか、とも。なにしろ明日1回しかない晴れ舞台、悔いのないよう一生懸命勤めるのは当然のこととして、御宗家からのお教えをどれだけ守れるか、そういうこともしっかり心に入れて踊らせて頂きます。

ご覧頂く皆様には、なにとぞ鷹揚のご見物のほど、お願い申し上げます。拙いのは当然のこと、とにかく行儀よく、皆様の心に届く踊りを目指しますので!!