梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

No.27 <松濤稽古場便り・3>

2007年08月05日 | 芝居
今日は午後2時から御宗家稽古場で『乗合船』のお稽古。ただし今日の稽古は各役個人ごとの稽古で、勘祖師がお昼から夜半まで、万歳→白酒売り→鳥追い→通人…と、かわるがわる現れる役者たちにお稽古をしてくださいました。一心會のお疲れもまだおありでしょうに、本当に有難いことでございます。
一対一の稽古ですから、じっくりと見て下さいまして、こちらの至らぬ点をどんどん指摘して下さいます。今日はとくに視線の方向をご注意頂きました。手足の動きだけではなく、それに合わせて顔でも踊らなければ振りが生きないということで、どこを見て踊ればよいかとか、顎の上げ下げなど細かくおっしゃって下さり、より振りに心が通うよう、意味が生まれるよう導いて下さいました。
その他たくさんダメ出しを頂きましたので、きちんと吸収するまでは大変大変! 明日のお稽古までにしっかり咀嚼しなくては…。

全員が顔を揃える日までは、こうした<個別集中稽古>が続きます。