梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

稽古手本忠臣蔵・ろ

2007年01月29日 | 芝居
本日は『道行旅路の花聟』を先にやり、あとは『大序』『三段目』…と上演順の稽古となりました。これまで花四天でしか出演していなかった『道行』に、はじめて後見で出させて頂きます。立廻りを間近に、そして裏側から拝見できるので、また違った勉強ができそうです。もちろん後見としての仕事も、用事は少ないですがきちんと勤めたいです。
『三段目』で判官を取り囲む、いわゆる〈止め大名〉は二度めですが、『大序』で居並ぶ大名は初めてです。意外と正座している時間が長い! あとで立ち上がり、石段を降りて引っ込みます(しかも長袴をはいて)から、心して臨まなければ…。この役は名題下が演じるものとはいえ、役柄としては塩冶判官や若狭介と同格の者たちと考えてもいいので、貧相にみえてはいけないのですが、さりとて過剰な演技は禁物。分をわきまえたうえで、ふさわしい雰囲気を出すのが難しいですね。
『四段目』では師匠の黒衣の後見。以前お話した〈呼び〉もさせて頂きます。
…『五段目』での師匠演じる定九郎の、裏方としての仕事は、稽古場ではなにも確認できないもの。明日の舞台稽古でやってみるしかないというのが不安でございますが、経験者の先輩に教わった通りにやること。これがすべてでしょう。今日は血糊を手作りしました。
『七段目』も狭い稽古スペースでは本番通りの段取り、動線で演技ができません。なんだか「まあ、舞台稽古で考えましょう…」という事柄が多いのが、小心者にはビビりまくりなんですが、『忠臣蔵』の各役各仕事は、ある程度は心得ていて当然と考えられております。うーん、不勉強の身が恥ずかしい!