梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

初映画

2007年01月03日 | 芝居
地元の映画館で『大奥』を観てきました。
テレビシリーズでは<皇女和宮>や<春日局><柳沢騒動>を描いてきましたが、今回のモチーフは<江島生島事件>。昨年の『元禄忠臣蔵』から少し下った時代ですから、江島はもちろんのこと、月光院となったお喜世もでてきます。
そうそうたる顔ぶれの<奥女中たち>による、ねちっこくていやらしい権勢争いも見どころですが、実は劇中、山村座の舞台で繰り広げられる芝居には、私が日頃お世話になっている先輩や同期数名が、ズバリ歌舞伎役者役で出演しているのです。『宮島のだんまり』で、まさに大歌舞伎の世界が展開しておりますので、これからご覧になる方は要チェックですよ!(もちろんパンフレットにもお名前は載っています)

肝心の歌舞伎座の舞台のほうは、少しずつですが肩の力が抜けてきました。『金閣寺』では、師匠の動きを見て自分の動きを調節するための、心の余裕みたいなものが、わずかながらも生まれてきております。<段取りを段取りで終わらせない>ために、もっとゆとりをもって演じられればよいのですが、まだ手順を粗相なく追うのに精一杯というところが情けないですが、ひと月で絶対変わってみせますよ!