梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

『三大名作』のうちの…

2007年01月18日 | 芝居
すでにチラシやポスターでご存知のお方もいらっしゃいますでしょうが、歌舞伎座2、3月公演は、『仮名手本忠臣蔵』と『義経千本桜』の通し狂言でございます。
数多くある義太夫狂言のなかでも、このふたつと『菅原伝授手習鑑』をあわせた3作品は<3大名作>とか<3大丸本歌舞伎>ともよばれておりまして、各演目の各幕それぞれが見どころ多く、大変充実した構成になっております。みっつとも幕場が多い狂言ですから、どこかひと幕を抜き出しての<みどり>方式の上演もままございますが、1日の上演で、ある程度ストーリーが首尾一貫できる場割りでの<通し狂言>も可能なため、折に触れて、お客様にどっぷり義太夫狂言をお楽しみ頂く興行もございまして、この度はふた月連続での上演となりました。

師匠も両月出演いたしまして、2月『忠臣蔵』では石堂右馬之丞・「道行旅路の花婿」の早野勘平・斧定九郎の3役、3月『千本桜』では、「鳥居前」「渡海屋・大物浦」「河連法眼館・同 奥庭」の3幕で、源義経を通し役でお勤めになります。
私自身は過去三作ともに<通し狂言>に出演させていただきましたが、これまでとは師匠が演じるお役も変われば、自分が携わる幕場も変わると思います(私のお役は未定)。名作と言われるだけあって、お役のそれぞれに、色々としきたりがあったり、先人がご工夫なさってきたやり方がございますので、ひとつひとつ勉強してゆければと思います。

どうぞ早春の歌舞伎座で、こころゆくまで古典歌舞伎をお楽しみ下さいますよう!