梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

めでたく打ち出しです!

2006年05月25日 | 芝居
團菊祭もとうとう終わりました。賑やかだった楽屋ともお別れです。
ネタばれになっては失礼と思い、これまで書きませんでしたが、『藤娘』での、成田屋(海老蔵)さんの藤の精が花道を引っ込む幕切れや、『黒手組曲輪達引』での、<矢ガモ>の着ぐるみ、下座囃子による「恋のダウンロード」の演奏、<人間カーリング>ネタなど、様々なおかしみの趣向、いかがだったでしょうか。
また『黒手組~』では、大詰の「仕返しの場」が、従来の演出を改めての、立ち回り主体の派手で美しい見せ場となりました。舞台装置も三浦屋の屋根上という設定に変更し、十余名のカラミは、剣術指南鳥居新左衛門の弟子ということで、『幡随院長兵衛』でも見られる、刺し子の道着に縞の袴を<高股立ち>に端折った姿。女郎の打掛や仲之町の垣根、天水桶など、廓にちなんだ小道具を得物に、華やかな立ち回りが繰り広げられました。ちょうど私が出番を終えて楽屋に戻り、化粧を落としている間だったのですが、お客様の盛り上がっている様子は、楽屋モニターから聞こえる拍手の大きさで十分察せられました。

来月も引き続いての歌舞伎座ですが、師匠の楽屋が変わるので、荷物の移動や整理をしました。帰宅は十一時近くでしたでしょうか。明日は勉強会の会議が国立劇場で、『藤戸』のお稽古が渋谷の藤間宗家稽古場でございます。いずれも午後からですので、朝はゆっくり寝坊ができればよいのですが…。