本日<團菊祭 五月大歌舞伎>の初日。昼の部の『外郎売』は、成田屋さんのご復帰の舞台ということで、大変な盛り上がりとなりました! 花道揚幕の中での第一声からして割れんばかりの拍手。その拍手は揚幕を勢いよく開けての登場から、七三でのキマリまでも途絶えることなく、声にならないどよめき、ため息が客席に満ち、加えて大向こうさんの「成田屋!」「待ってました!」のかけ声も降り注ぎ、まさに舞台と客席とが渾然一体、同じ舞台に出ている者として、今日のこの一瞬に立ち会えた幸せを感じたのはもちろんのこと、お客様のあまりに熱い反響に、思わずゾクゾクいたしました。本当にお目出度いことです! どうかいつまでもお元気舞台に立って頂きたいですね。
…『権三と助十』も、喜劇仕立てのお芝居なので、反応も上々。『外郎売』の新造からの拵えがえはせわしなかったですが、賑やかに楽しく演じられるので苦にはなりません。
さて本日は初日ということで、上演時間が延び延びとなり、十一分遅れで終演。夜の部の開演も十分遅れの午後四時四十分となりました。当初の『黒手組曲輪達引』終演予定時間が午後九時十三分でしたので、オヤオヤ今日は九時半までかかるかなと思われましたが、その後の芝居でとりもどし、結局七分押しですみました。例の音羽屋(菊五郎)さんのチャリ場も大ウケ、大詰めの立ち回りも盛り上がりました。私の新造役では、まだ段取りにこなれない部分がございましたので、明日はきちんとこなせるように気をつけます。
楽屋風呂に入りますので、楽屋を出たのは午後十時。先月より遅くなってしまいました。今日はいつもお邪魔している門前仲町<ココナッツパーティー>で夕食をとりました。カウンターでたまたま 隣り合わせた二人連れのうちの一人がお誕生日で、もう一人が内緒でバースデイケーキを用意していて、私もお相伴にあずかってしまいました。これをきっかけにお話しすることができ、こういう出会いがあるのもこの店ならでは。持つべきものは行き着けですね。
さて、三日前のクイズの解答。あのセルロイド製の物体は、『アミのカツラをかぶるときに、生え際部分が巻き込まれないように 介錯するためのもの』でした。靴に対する靴べらの役割だと思って下さい。アミカツラの生え際部分は柔らかいので、これをつかわないと、額に引っ掛かって内側に巻き込んでしまうのです。透明なのはカツラをかぶる人が見えやすいように、先が丸くなっているのはカツラの生え際の形に合わせているのです。
とはいえこの品、すべてのアミカツラに使用するとはかぎりません。前髪があるカツラのときにのみ使用するので、立役の、月代(さかやき。頭頂部の髪)を剃った髪型の時は、巻き込みようがないので使いません。女形全般と、立役で月代を剃らない髪型の時(『狐と笛吹き』は平安時代の話で、この時代はまだ月代を剃らなかった)に使います。
日頃お世話になっている尾上辰巳さんのブログの今日の記事に、私の写真が載りましたので、もしよかったらご覧下さい!
…『権三と助十』も、喜劇仕立てのお芝居なので、反応も上々。『外郎売』の新造からの拵えがえはせわしなかったですが、賑やかに楽しく演じられるので苦にはなりません。
さて本日は初日ということで、上演時間が延び延びとなり、十一分遅れで終演。夜の部の開演も十分遅れの午後四時四十分となりました。当初の『黒手組曲輪達引』終演予定時間が午後九時十三分でしたので、オヤオヤ今日は九時半までかかるかなと思われましたが、その後の芝居でとりもどし、結局七分押しですみました。例の音羽屋(菊五郎)さんのチャリ場も大ウケ、大詰めの立ち回りも盛り上がりました。私の新造役では、まだ段取りにこなれない部分がございましたので、明日はきちんとこなせるように気をつけます。
楽屋風呂に入りますので、楽屋を出たのは午後十時。先月より遅くなってしまいました。今日はいつもお邪魔している門前仲町<ココナッツパーティー>で夕食をとりました。カウンターでたまたま 隣り合わせた二人連れのうちの一人がお誕生日で、もう一人が内緒でバースデイケーキを用意していて、私もお相伴にあずかってしまいました。これをきっかけにお話しすることができ、こういう出会いがあるのもこの店ならでは。持つべきものは行き着けですね。
さて、三日前のクイズの解答。あのセルロイド製の物体は、『アミのカツラをかぶるときに、生え際部分が巻き込まれないように 介錯するためのもの』でした。靴に対する靴べらの役割だと思って下さい。アミカツラの生え際部分は柔らかいので、これをつかわないと、額に引っ掛かって内側に巻き込んでしまうのです。透明なのはカツラをかぶる人が見えやすいように、先が丸くなっているのはカツラの生え際の形に合わせているのです。
とはいえこの品、すべてのアミカツラに使用するとはかぎりません。前髪があるカツラのときにのみ使用するので、立役の、月代(さかやき。頭頂部の髪)を剃った髪型の時は、巻き込みようがないので使いません。女形全般と、立役で月代を剃らない髪型の時(『狐と笛吹き』は平安時代の話で、この時代はまだ月代を剃らなかった)に使います。
日頃お世話になっている尾上辰巳さんのブログの今日の記事に、私の写真が載りましたので、もしよかったらご覧下さい!