梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

今日は中日でした。

2006年05月13日 | 芝居
團菊祭も折り返しです。あいかわらずの盛況で、有り難いことでございます。五月とは思えないような気候が続いておりますが、千穐楽まで元気に勤め上げたいものです。

今日は思いつくままとりとめなしに…。
『権三と助十』で、子役さんが着る衣裳が変わりました。それまでは皆々、わりあいこ綺麗な着物だったのですが、お芝居の雰囲気にちょっと合わないということで(我々大人達は煮しめたような格好ですからね)、より簡素なものになりました。男の子の格好が、まるで金太郎さんみたいで可愛いです。

勉強会で上演する『修禅寺物語』のお稽古が十五日からはじまります。監修の紀伊国屋(田之助)さんが、今月中に計五日もお時間を割いて<本読み>をして下さり、本当に有り難いことでございます。出演劇場や出番の都合で、A班B班全員が揃うことはできないのですが、まずは台詞を読み合いながら、お互いのイキをつかんでゆきたいです。今夜は昔の台本を引っ張り出して、予習をいたしましょう。

『黒手組曲輪達引』で、高嶋屋(左團次)さん演ずる鳥居新左衛門に従う門弟たち。そのなかでのリーダー朝顔仙平は松嶋屋(亀蔵)さんですが、続く四人は名題さん(大蔵さん、辰緑さん、新蔵さん、梅蔵さん)です。最近気がついたことなんですが、この四人の髪型というか、マゲの形は、みんなバラバラ、あえて違えているんですね。武士とはいえごろつき同然、風変わりな格好でイキがっているという心なのでしょうか。これからご覧の方はちょっとご注目ください。そういえばこの門弟達の<股くぐり>の件も、演者の工夫でいろいろと遊べるものだそうで、今回も面白いネタが出ております。

最後になりましたが。昨日掲載の、私の肌荒れ治療の記事に、ご親切なアドバイス、ご忠告を頂戴しまして、有り難く思っております。ステロイド剤の副作用につきましては、色々と話にも聞き、文章でも読んでおりますが、私の場合、白粉はもとより化粧水までがしみて痛むというこれまでの状態から、普通に化粧ができる状態にまず戻し、それから肌質、アレルギーなどの検査をした上で、体質に合った化粧法、スキンケアを見つける、という流れで、時間をかけて解決してゆこうとお医者様と相談して決めました。第一段階をこの公演中に解決するには、やはりステロイドを使用するのが妥当なのではないでしょうか。もちろん、症状がだいぶ軽くなった現在では、使用量はグンと減りましたし、もうすぐ使わなくてもよくなりそうです。すべて定期的に通院し、肌の状態を見て頂いた上で判断して頂いております。
今回の症状は、今までで一番深刻でした。なので私も真剣に悩みましたし、下手に自己判断で対処したり、民間治療に頼ったり、広告を鵜呑みにして物品を購入するということなどは絶対にしたくなかった。私の相談をきちんと聞いて下さるお医者様と出会えたこともあり、きちんとした<治療>を、このさい徹底的にいたしたいと思っております。皆様の体験談もお聞かせ頂ければ、なお幸いでございます。

ぐずつく日々が続きますが、皆様どうぞお体にはおきをつけて。
写真は<集合場>に置かれた、『黒手組曲輪達引』での立ち回りで使う小道具です。大きかったりかさばったり、個人で管理するのが大変な小道具は、このように<集合場>で保管することが多いです。