明日21日から、被災地熊本の社会福祉協議会がボランティアの受け付けを開始するようです。
被災者はもちろん、地元の職員やボランティアも相当疲れ果て極限に達していると思います。是非力になってほしいものです。
しかしやみくもに現地に向かうのはいかがなものでしょう。深呼吸してよく考えましょう。
被災地で地元に迷惑をかけずに活動できるでしょうか。自活能力や判断力が必要です。ボランティア保険は出発前に自分の地元の社協で入れます。たぶん加入していないと活動させてもらえません。行ってから加入するのでは、被災地にひと手間かけてしまうというような情報はお持ちでしょうか。持ち物をいちいち被災地に問い合わせないとわからないというようなことはないですか。ボラセンにはどうやって行くのか、自分で考えていけますか。そういうことをいちいち問い合わせなければならないようでは考え直したほうがよさそうです。特にゴールデンウィーク直前は被災地の社協の電話は鳴りっぱなしになるでしょう。これに対応しなければならない受け入れ側は、ある意味被災者に近い状態になります。
そういうことがクリアできるのなら、ぜひ被災地に行って誰かのために働きましょう。
でもその前にもう一つ。「頑張る」という気持ちは大切ですが、実際にできることは小さなことです。そのギャップに落ち込んだり、不満をボラセンのコーディネーターにぶつけるようなら考え直したほうがいいと思います。「小さなことでも誠実にやる」「立場を越えて理解し合う」という気持ちがもっと大切です。大活躍しよう、などとは思わないほうがいいです。1回行って被災者の笑顔が一つもらえれば上出来。
ボランティアをするということは、沢山きつい仕事があればあったで大変ですが、思い描いていたことができなかった時もフラストレーションがたまります。私はボランティアに行って心に傷を負って帰ってきた仲間をたくさん見ましたし、話も聞きました。しかし1週間や10日のボランティアに比べて、1か月、あるいは数か月の間、現地に張り付いているコーディネーターのストレスはくらべものにならないと想像します。建設的な意見を謙虚に述べるのはいいのですけど、不満をぶちまけるようなことはしてほしくありません。
私は多くの方にボランティアに参加してほしいと思いますが、よくよく考えていってほしいのです。現地に行かなくても、被災地のためにできることはあります。自分の持っている賜物、財産、気持ち、健康に応じてできることをするのが良いと思います。それを考えると、何かしてあげたいけど何もしてあげられないという人もたくさんいるはずです。それなら被災地を思うことだけでもいいと思います。
以上、私の考えがすべて正しいとは思いませんが、前回の震災を通して感じたことの一部です。