6月15日。瑞牆 天鳥川北の沢右岸スラブに行ってきました。メンバーは私のほかにゆーたくん、ひだいさん。
このエリアは2003年ごろに私と月稜会やチーム84の仲間などで開拓したエリア。最近出版された瑞牆のトポで初めて公開されたエリアです。ほとんどのルートがスラブかクラックで、高グレードなルートは無いのですが、特にスラブではグランドアップで開拓されたルートばかりなので、落ちてはいけないところが随所にあり、初心者向けのエリアではありません。しかしどのルートもライン取りが自然で、やさしくても楽しいルートばかりです。
「執念の掃除婦」5.10cの下部小核心を登るゆーた君。
浅いグル-ブにハンドジャムとフットジャムをきめるのがコツ。
「執念の掃除婦」の核心。
これを1発で決められればスラブの達人。
「執念の掃除婦」の上部。
難しいところは下部に集中しているが、ルートが35mと長いので、さいごまで気は抜けない。
「虹を追いかけて」5.9をリードするわし。
このルートはグルーブ、フレークのレイバック、スラブ、ダイクのトラバース、縦のスローパーなど、変化に富んだ35mのルート。
途中、ポケットにカムをきめないと10mほどランナウトする。次のボルトが見えないので、きちんとホールドを見極めて行かないと行き埋まる。落ちれば大フォールとなる。いきなり初心者がリードするのは大変危険。
「スリーダイク」5.11bを2撃のゆーたくん。
このエリアでは唯一のラップボルトのルート。しかし、1ピン目から2ピン目までは墜落は許されないダイクのトラバース。
そこから核心が始まる。核心を抜けても決して期の抜けないスラブとマンとリング。
「むすんでひらいて」5.8。
クラック初リードのゆーたくん。見事オンサイトでした。
このルートはクラック入門にうってつけ。
「腕ひしぎ逆十字固め」5.10cのわし。
このルートはわしが初登したのに、今回は1テン。初登以来登れなくなってしまった厳しいルート。
8mとみじかい中に、クラックの要素がぎっしり詰まった三ツ星ルート。
薄かぶりのフィンガークラックから甘いハンドジャム、奥にはハンドが決まるのに手が届かないので手前にフィストを決めひきつけなくてはいけない終了点直下。途中で関節技がかかった状態になる。
クラッカーなら、是非登ってみてほしい1本。
「天鳥川ミュージックホール」1ピッチ目、5.9 35mのリード&フォロー
「虹を追いかけて」から左に分かれる。このルートもポケットにカムをきめないと10mのランナウト。
カムをきめるところまでも7~8mのランナウトを強いられる。決していきなり初心者にリードはさせられない。
久しぶりにこの岩場を訪れましたが、10年以上も前に、自分がやっていたことがこういうクライミングだったことを思い出しました。
このころは全くグレードを追いかけていなかった。やさしくても、誰も登っていないラインを下から登る冒険的なクライミングをしていた。
これこそ自分流のクライミングだった。
ときにはボルトを打っている途中に墜落したこともあった。
降りてきた仲間のロープが岩に擦れて、芯だけになっていたこともあった。
そんなクライミングをしていたことが懐かしく思えた。
そんなクライミングがしたい方は行ってみてください。
昔はきちんと踏み跡があったのですが、最近はアプローチが薄くなり、分かりにくくなっています。
迷いながら探して下さい。