Chimney角屋のClimbing log

基本的にはクライミングの日記ですが、ハイキング、マウンテンバイク、スキー、スノーボードなども登場するかも・・・。

今日の小川山

2014-07-28 23:53:21 | フリークライミング

7月28日(月)、小川山に行ってきました。

今日の目標は「とろろ」5.12a。前回ほぼオンサイトと言うところまで行って、ヌンチャクが足りず下ってしまった。今回はちゃんと登りなおすために行きました。

まずは「あみだ岩」の「ロトシックス」でマルチ。途中で岩がガチャガチャしたところや樹林を通過するが、1ピッチ目と最終ピッチは面白い。オールリードで登らせていただきました。1ピッチ目と2ピッチ目はつなげて登ってしまったのですが、ロープが非常に重くなり後悔しました。裏側に懸垂すると歩いて下れました。

「ロトシックス」の最終ピッチ。なかなかたのしいコーナークラックでした。

 

他にもアップがてらに登りたいルートはあったのですが、すぐに「とろろ」。本日1便目。前回のホールドなど、全て忘れていて、登れたところで落ちちゃいましたが、1フォールで上まで抜けました。その後大休止。

「とろろ」、もうすぐ終了点。

 

他のメンバーは、前回私がグランドアップで開拓した「チェインジングコーナー」5.10bを登っていました。

右のクラックからコーナー左のクラックに移るところが核心。

 

「自然薯」の右に、新しいルートが開拓されていましたので登ってみました。

長いルートでローワーダウンには、途中で結び変えが必要です。

下部は5.10aくらい。上部は5.10dくらいですが、長いので5.11bになっているのでしょう。

技術的な難しさはあまりありませんが充実していました。

もちろんオンサイト。

そのルートの下部です。画像は私ではありませんが。

 

最後に「とろろ」をもう1便出しましたが、レスト中にバランスを崩して落ちてしまうと言うミス。

もう登りなおす体力が残っていませんでしたので、本日はこれでおしまい。

 


我が登山史12(山岳会に所属すると言うこと)

2014-07-26 01:27:07 | 山とクライミングの話

私は20代半ばで登山とクライミングをはじめ、山岳会に入会したのは38歳の時だった。

登山を始めたころ、山を歩くだけなら仲間は要らないと思っていたが、クライミングを始めてみると、単独では限界があり、ガイドをお願いした。でもいつもガイドをお願いしていたのではお金が続かないので、山岳会に入ろうと考えた。「月稜会」を知ったのは30歳のころだった。そのころ「月稜会」の連絡先は、新宿に有った「白樺スポーツ」の店員だった。私はそこを訪ねて行ったが、あいにく店員は留守だった。それから入会するまで8年もかかってしまったのだった。すぐにまた訪ねればよかったのに、なぜ8年もたってから入会したのかと言えば、それだけ山岳会の敷居が高かったのだろう。山岳会に入会するには、実績を積んでから、と考え「北岳バットレス単独」や「冬の石尊稜単独」などを行ってから会を訪ねることにした。意を決して月稜会の門をたたいてみると、全くそれまで考えていたような心配はなく、すんなり溶け込めたのであった。

それからは毎週の休みは山に費やすことが出来、「もっと早く山岳会に入っていればよかった」と思ったのだ。何しろ「月稜会」と言うのは、皆月曜休みだから、パートナー探しに苦労しない。山も岩も毎週のように登れる環境になった。ただ、そのころの「月稜会」は岩の停滞期で、実質的には先輩のSさんと私がリーダー的な存在になってしまった。ほとんどのクライミングはSさんと行った。その後、有望な新人が入会したり、今まで岩を諦めていた人が登り始めたりして、活気づいてきた。

しかし数年経過してみて、私はもっと刺激的なクライミングを求めるようになり、私よりも強いクライマーがいる会を求めた。そこで「チーム84」にも入会することにした。でも私のメインは「月稜会」である。なぜならば、この会の人間関係は、切っても切れないくらい絆が強くなってきてしまったからである。だから私は、「チーム84」で得た経験を「月稜会」にフィードバックしようと考え、両方の会に所属することに決めた。

両者は対照的な会である。「月稜会」はきちんとした会則を守り、堅実な会の運営を行い、それなりに縛りもある。しかし「チーム84」は会則もなく、全く自由な会である。それぞれ自立したクライマーが寄り集まって自由に山に行っている。それぞれに良さがあって、その両方に所属することによって、メリットは倍増する。

山岳会に所属すると言うことは、パートナーが見つかると言うこと以上に意味がある。もちろん、先輩の経験や知識や技術というものを吸収できるということも大きい意味だが、私の感じたことは、モチュベーションが保てることである。仲間が出来ることで刺激を受け、それが自分のモチュベーションにつながる。一人でもモチュベーションは保つことはできると思うが、やっぱりパートナーを探す労力や、出かける準備などでモチュベーションに支障をきたしてしまう。コンスタントに山に向かうなら、やっぱりいつも仲間がいたほうがいい。

私も山岳会の敷居が高いと感じていたほうだが、実際は高くない。迷っているなら、出来るだけ早く入会してみるのがいい。いやだったらやめればいいのだから。


甲府幕岩フリークライミング

2014-07-24 00:56:52 | フリークライミング

7月22日(火)。甲府幕岩に行ってきました。今回は写真を1枚も取らなかったので画像なし。同行者2名。

出来れば「甲府の軟派師」5.12a/bをやりたかったのですが、梅雨明けしたと思われる今日の天気は、朝からカンカン照り。「甲府の軟派師」までのアプローチである「なべちゃん」5.8を登ったところで汗ダクダク。やめて木陰のルートばかりを登りました。登ったことのないルートばかりで数を稼ぐことにしました。

「動物がイッパイ」5.10b:オンサイト。みじかい。

「木の実がイッパイ」5.10c:オンサイト。さらにみじかい。

「シリコロカムイ」5.10d:ラインを間違えて右を登りすぎ、根性でクライムダウンしオンサイト。面白いルートだがライン取りが分かりにくいのが良くない。

「ジべリングス」5.11d:オンサイトトライでは、上部の細かいホールドを探りながら手順を組み立てる余裕がなく、オンサイトを逃す。下りながら手順を組み立てて2便でレッドポイント。素晴らしいルートでした。こういうルートをオンサイトしたい。

「秘密の岩園」5.10c:オンサイト。長くてムーブも面白い。独立性もあっていいルートです。

「エキセントリック・ヨシコ」5.10b:オンサイト。倒木が邪魔。みじかい。ムーブは面白い。

「ダダ」5.10b:オンサイト。これは面白い。ムーブもホールドもいいし、余計なホールドに騙されることなく、組み立てながら登れるジムナスティックなルート。

「コジマン」5.11a:登ったことがあるつもりだったが、同行者の回収便で登ってみたら、どうも初めての気がする。多分この日がオンサイト。見た感じでは楽しいルートに見えないが、登ってみるとなかなか面白い。でも、ホールドが細かく、組み立てながらオンサイトするのは、このグレードを目標にしているクライマーには難しいかも。

「ワイルドトットちゃん」5.10b/c:オンサイト。☆印は付いていないが、登ってみるとなかなか楽しい。

と言う訳で、今日もオンサイト祭になり、チャレンジ精神が足りませんでした。もうこの季節、甲府幕岩は木陰のルートしか登れませんね。

 


我が登山史11(登れたグレードより登れるグレード)

2014-07-17 00:53:19 | 山とクライミングの話

私は山登りをしたかったのか、岩登りをしたかったのか。よくよく考えてみると、やりたかった山登りが岩を登る山登りだったんではないかと思う。そもそもそういうところを登るのが山登りだと思い込んで始めたんじゃないかと思う。「険しい岩場を登って山頂に立つ」と言う山登りをしたかったのだ。だから今でも岩を登るのなら上まで抜けたい。たとえば一の倉の岩場を登るのなら一の倉岳の山頂まで行きたい。岩を登るだけではないクライミング、山頂に立つためのクライミングをしたいのだ。

でも核心は岩場。だから上手に登れるようになりたい。山岳地帯でのクライミングは落ちないクライミングが基本だ。だから落ちないようにクライミング技術を伸ばしていくのだ。Ⅴ級であろうがⅥ級であろうが、「自分はこんなところで落ちるわけはない」と言う自信と裏付けが欲しいのだ。大体体感ではⅤ級なら5.11aで落ちない自信。Ⅵ級なら5.11cで落ちない自信が必要だ。そのためにはレッドポイントのグレードよりも、オンサイトのグレードを大切にする。オンサイトグレードというのは、人によってとらえ方が違うように思う。「オンサイト出来たグレード」と言う人もいるし、「オンサイト出来るグレード」ととらえる人もいる。私は後者の考えだ。つまり、落ちないで登る自信のあるグレードとうことになるだろう。

こういうクライミングを目指していくと、思い切った動きが苦手になってくる。いつでも確実に、丁寧に登る癖がついてくる。デッドポイントやランジなどはあまりやりたがらないし、保持できる自信のあるホールドでなければ諦めてしまう。でもそれでは上達出来ないのだ。だからしっかりしたボルトルートでは思い切ったクライミングを心掛けないといけない。落ちても大丈夫なところで、落ちながらクライミング技術を延ばしていく。それによってオンサイトグレードが上がってくると言う側面も大切にしなくてはいけないのだ。そういうフリークライミングをやっていない「本ちゃんクライマー」はいつまでたっても登れるようにならない。登れると分かっているルートにしか行けないのだ。登れると分かっているところだけ登っているのなら、それはクライマーではない。ハイカーと同じである。いくらハーネスをつけてロープを結んでいようと、登れるか登れないかわからないところにチャレンジしなかったら「クライマー」と呼ばれる資格がない。

近年の私は、山に雪のない時期はフリークライミングに絞っている。雪のある時期は出来るだけ山に入る。フリークライミングの技術を上達させながら雪山の本番に備えるパターンになっている。


スポルティバ ボルダーX Midの試し履き評論

2014-07-11 22:43:54 | 山とクライミングの話

買ったばかりのアプローチシューズ「スポルティバ ボルダーX Mid」をはいて10kmほどのお散歩に出掛けました。台風一過の猛暑と夕立。強烈な湿気でおお汗をかいての散歩でした。

 このアプローチシューズ、今まで履いていた5.10のアプローチシューズの後継として手に入れたのですが、この靴を選ぶときの条件は、登山靴より軽快に歩けて防水性能が良いということでした。つまり、今まで履いていた5.10のアプローチシューズのように、岩場の多い山を2~3日かけて縦走出来る靴と言う条件でした。

これが履きつぶしてしまった5.10のシューズ。アプローチシューズではありますが、フリークライミングのアプローチにはオーバースペック。むしろ岩稜歩きや夏場の山岳クライミングルートでのアプローチに活躍しました。それと雨の日の犬の散歩。何しろ濡れた岩に強く、ゴアテックスも使ってあるので、本当に重宝するシューズでした。しかしミッドソールのウレタンがボロボロになってしまい、もう使用不可能でした。ご苦労様でした。

さて、「スポルティバ ボルダーⅩ Mid」はどんな感じでしょうか。

まず、靴に足を入れた時に感じるのは、かなりしっかりした靴だと言うこと。足形にもよりますが、私の足には隙まなくフィットします。靴ひもを締めあげると足全体がよく締まり、5.10のルーズ感とは対照的です。

歩き始めてみると、登山靴を履いた時のように、足ががっちりと守られているような感じ。しかし、登山靴のようなぎくしゃくとした歩きにはならない。拇指球から先の反り具合によって、スムーズに体が前に出る感じです。平坦な道を長く歩くには疲れなくて済みます。この点は、5.10も良かったのですが、5.10はソールの反りというより、ソールの柔らかさによって歩きやすさが生じていたように思います。「ボルダーⅩ」は、5.10に比べて、足の左右へのぶれが少なく、足がまっすぐ出ます。ですから足の自由度は5.10のほうが高く、ボルダーⅩは悪い道でも足を守ってくれそうな感じです。

今日は雨上がりだったので、濡れた鉄板の上や木の上でも試してみました。

お店でボルダーⅩのソールを触ってみた感じでは、他のビブラムよりゴムが柔らかく、「これは5.10に匹敵するフリクションかも」と思いましたが、流石に5.10のソールにはかないませんでした。でも、今までの登山靴に使われていた一般的なビブラムより、ウェット性能は上がっていることは確かなので、山になれた人には十分でしょう。

総じて言えば、ボルダーⅩはより足の保護を重視したアプローチシューズであり、より平坦な道を長く歩きやすくした登山靴であると感じました。使い方とすれば、無雪期の岩場の多い縦走や、足場の悪いクライミングのアプローチ、そしてやさしい山岳クライミングルートに適したシューズとして良くできた靴だと思います。

 

フィット感  ボルダーⅩ 5点   5.10 4点

サポート性         5点         3点

安定感            5点        4点

軽快感            4点         5点

剛性             5点         3点

フリクション         3.5点        5点

エッヂング性能       3点         4点

軽さ              4点         5点

オシャレ           4点          3点

 

以上、私の評価ですが、実際山で遣ってみたらちょっと変わるかも知れません。

 

 


我が登山史10(私を導いてくれる多くの人々1)

2014-07-06 00:51:38 | 日常

単独の山登りやクライミングに始まって、その後は沢山の山屋やクライマーにお世話になり影響や刺激をもらって今に至ってる。

山登りやクライミングを始めたきっかけは、誰かに影響を受けたのではないが、登り始めて気がついたのは、一人で登っていては限界があると言うことだった。そこで教えを乞うたのはガイドの山崎ユウワさんだった。この方には登山やクライミングの基礎をみっちり仕込んでもらった。仕込んでもらっただけではなく、この方をを通して、いろいろなクライマーと出合うことが出来た。

まずは、今でも理想のフリークライマーである杉野先生。この人のオールラウンドなクライミングと見識の深さ。美しいクライミング。フリークライミングの世界では私の理想です。

そしてM浦さん。この方の硬派なクライミングスタイルは、私のアルパインクライミングにおける理想でした。豪快な人間性や辛口な批評も納得できるものであり、私の反省材料になりました。

私より年下ですが、ガイドのM野君も山崎師匠を介して知りいました。彼の技術や知識にも刺激を受けています。自分も負けていられないと思いながら岩や山に向かっています。

その後、クライミング技術を磨かなければ、とクライミングジムに通い始めました。私のホームジムはビッグロック。長年お世話になっています。オーナーのジュン1さんはレジェンド。そのおおらかな人柄はみんなに愛され、レジェンドなのに親しみ深い。私はどんなに登れるようになっても、人を寄せ付けないようなクライマーではなく、こんな人間になりたいのです。

そしてあねご「あっ子さん」。現在どれだけお世話になっているかと言えば、こんなにお世話になっている人は他にいません。人柄はもちろん、未だに理想のクライミングをして見せてくれます。どんなルートでもジタバタしない、いつも落ち着いたクライミングは私の理想です。まあこのあねごのお世話になったクライマーは沢山いるようですが、その中の一人になれること自体が幸せです。

ビッグロックの元スタッフ、ごあん君。彼の人柄の良さは、自分も見習うものがありました。ジムに来てくれる人を引き付ける人柄。ビッグロックを象徴するようなスタッフでした。

続いてひろし君。彼もみんなに好かれる人柄。今は独立してクライミングジムを経営していますが、何しろやさしくてみんなを受け入れてくれる親しみやすさがありました。彼もビッグロックの象徴のようなスタッフでした。

今のスタッフMくん。私はクライマーとして刺激を受けています。何しろ力強い。彼は自分にないものを沢山持っている。作るルートも独創的。彼のように登れれば、自分ももっと強くなれるような気がするのです。

ビッグロックの支配人的スタッフBennyさん。私は彼には近寄りがたくて、あまり話をしたことがありませんでした。でも最近、作業を通じて感じたのは、彼の勤勉さ、仕事としてジムにかかわる誠実さがすごいと思うようになったのです。クライミングが好きなのかどうなのかは分かりませんが、こんなに誠実に忠実に勤める人は尊敬に値します。

ジム仲間には、刺激を受ける人が沢山います。初心者の時から見ていたのに、自分より登れるようになっちゃった人。AYUちゃん、よしか、やまか、もりたくん、など。行きのいい奴、ゆーたくん、なかむらくん。同じ指向のしゅうさん、すぎやまくん。教える立場ではFTGさん、しんいちろうさん、ふくキョンさん。思い出せばもっともっと名前が出てくるのだけど、何しろみんなが刺激になる。

私もかなりの年になって来たけど、皆に囲まれてクライミングや山登りが続けられる。

ありがとう。

このシリーズは、まだまだ続く・・・。


我が登山史9(鎖と梯子は大嫌い)

2014-07-03 01:01:31 | 山とクライミングの話

私は原始的な山登りが好きだ。とはいっても、登山用具は原始的ではないので、いくら原始的な登山が好きといっても、ある程度は文明に頼ってしまう。ただ、山に設置された人工物に頼って登る登山だけは満足感がわいてこない。

たとえば山に登るにしても、人によって作られた登山道から登るよりも地形を読んで合理的なルートで登りたい。たとえ登山道を登るにしても、人によって設置された鎖や梯子は使いたくない。

アルパインクライミングならば、残置プロテクションは使わずに登りたいし、フリークライミングでも、ボルトルートよりNPルートのほうがより充実感がある。ルート開拓だったら極力グランドアップで初登したい。自然の山や岩は、出来るだけ自然のままで登りたいのだ。

ある年の夏、私は月稜会の期待の新人と、槍ヶ岳の日帰り登山をした。朝6時過ぎに上高地を出発して夕方に戻ってきたが、二人は全く鎖と梯子には触らずに登って来た。しかし、槍の穂のルートは、岩の弱点に鎖と梯子が設置されているので、梯子の間に手や足を突っ込んで、「触ったら感電死するぞ!」などと冗談を言いながら登って来たのである。槍ヶ岳には鎖も梯子も必要ない。ないほうがいいのだ。こういうことを言うと「登れる人はいいかもしれないけど、そうでない人は登れないじゃないか」という反論を受ける。でも山登りってそういうもんじゃないだろうと思う。登れなければ、次には登れるように努力して出直してくるものだ。山は厳しい。だから今の自分では登れない山があったってあたりまえじゃないか。どうしても登りたければ、ガイドさんにお金を払って、ロープをつけてもらって登るんだな。「橋は渡らなかったのか?」という突っ込みは勘弁してください。

次の年だったか、私は単独で北鎌尾根から西穂までの縦走をした。中房温泉から入山し、その日の内に北鎌尾根上に上がり、翌日は槍を越えて北穂の先まで。翌日には西穂を越えて上高地に下山した。1泊目は地面にごろ寝。2泊目は岩小屋と言うワイルドな縦走で楽しかった。しかしこの山行も鎖と梯子には触らなかった。鎖と梯子は大嫌いなのだ。特に槍から西穂の稜線は、鎖と梯子さえなければ、世界の何処に出しても恥ずかしくないアルパイントラバースルートだ。でも鎖と梯子のおかげで、毎年未熟な登山者が事故を起こす最悪なルートになってしまっている。このルートは技術や体力など、登山の実力を磨き上げてチャレンジすべきルートなのに・・・。

鎖と梯子に頼って登るくらいなら、ヘリコプターで山頂に立っても良くないか?私は生涯山登りは続けるつもりだが、登るために鎖や梯子を使うぐらいだったら、自分の実力で登れない山があっても潔く諦める。