Chimney角屋のClimbing log

基本的にはクライミングの日記ですが、ハイキング、マウンテンバイク、スキー、スノーボードなども登場するかも・・・。

奥秩父東沢 東のナメ沢

2016-09-12 22:23:58 | 無雪期山岳クライミング」

9月12日。3年ぶりの沢登りに行ってきました。

 

月稜会の会山行で、東沢に日帰り4パーティー(鶏冠谷右俣3名・左俣3名・東のナメ沢3名・西のナメ沢2名)、1泊1パーティー(西俣3名)で行きました。

 

駐車場を全員で7時ちょっとすぎに出て東沢に向かいます。みんな前夜の宴会で夜中の2時過ぎまで飲んでいたのに元気だ。私は「6時起床」と言ってあったのに6時前に起こされて不機嫌。

西俣組は行程が長いのでどんどん先行していきます。残りのメンバーはのんびり歩き、鶏冠谷の出合で分かれます。

 

東沢のアプローチが思いのほか悪かったのと、多少水量が多くて、渡渉でいちいち裸足になっていたので時間がかかりました。

東のナメの取りつきに9時着。

 

私は特にバリエーションルートでは、ガイドブックはあまり読まないし、下調べもしないようにしています。

地形図を頼りに登りたいからです。

でもなぜか、この沢の大ナメはクライミングシューズがいいということは以前から知っていたので、クライミングシューズで取りつきました。

 

傾斜のないスラブの水流の右をぺたぺたと150mほど登り、平らなところで水流の左にわたります。そこから20mほど登ったところにビレー点があり、ここからビレーしてもらいます。

50m登りましたが、プロテクションはナッツで1か所取ったのみでした。

 

残地ハーケン2枚のビレー点から次のピッチに取りつきます。出だしでバンドを右にトラバースすると、そこにはもっとしっかりしたビレー点がありました。

さらにトラバースしようと思いましたが、ぬれていて滑るので、真上に見える垂壁を目指して直上。しかしロープの流れが悪くなり、20mほどで灌木を使って後続の二人を迎える。

 

さてここから垂壁基部に沿って目指す釜に向かうが、ほんの数mだけ非常にぬめっていてトラバースできない。

行きつ戻りつした後に、あきらめて垂壁を登ることにしました。

みじかい垂壁の上にはよくハーケンが効きそうなリスがあったので、そこにハーケンを2枚打って下降支点とし、、スラブに降りてテンショントラバース。

後続の2名も振り子トラバースに似た要領で到着。

あ~、怖かった。

 

最後の傾斜の強いフェースはホールドも残地支点も豊富で難なく登り、そのうえで左岸の樹林に入った。実質的にこれで大滝は終了。

その上には似たようなスラブの滝が2つあるが、巻いて登った。もう12時になってしまった。少々手こずってしまった。

今日のパートナーはぼくりんと山ちゃん。

大ナメの登攀を終えたところ。

 

そこからの遡行はごく初歩的な沢登りで、地図を読みながら、また地図ではわからないところはカンでルートを選び詰めていく。

滝も終わり、水も涸れ、詰めにかかる。シャクナゲが多くなってくる。

次第に踏み跡がはっきりしてきて稜線も近づいた感じがしたころ、上から別パーティーのコールが聞こえた。

わが会の鶏冠谷左俣パーティーでした。登っていくと鶏冠尾根の登山道に出て合流。

いいタイミングでした。

何時だったか忘れた。

 

鶏冠尾根の下山は、心配していたほど迷いやすくも悪くもなく、いつもの通りだが、全員鎖もトラロープにも触らず下山。

今日はもともと雨の予報だったが上々の天気だった。でも下山でとうとう降り出したが、よくもってくれた。

強力な晴れ女が参加していたからだろうか。

鶏冠谷出合を経由し、西沢渓谷の観光道路を歩いていると、前に西のナメ沢パーティーが歩いていた。

 

4時半に駐車場に着くと、鶏冠谷右俣パーティーは車で寝ていた。彼らは13時に戻って昼寝をしていたらしい。どんなルートか知らないが早すぎるだろう。

日帰り組は順調に山行を終えました。

 

私も会山行でなければ、沢に行く機会など滅多にありませんが、久しぶりに楽しみました。


新ルート登攀記1

2016-06-20 22:36:54 | 無雪期山岳クライミング」

2016年5月23日に初めて訪れた岩場。期待を越えたスケールで心が躍った。

この日は月稜会のいとしゅーをパートナーに、アプローチの確認、岩場全体の概念を把握、そして登れそうなところに手を付けてみた。

この岩場は上下に二つの岩峰に分かれていて、それぞれ100m近い高さを持っている。まず残地のリングボルトとハーケンがある、上部の岩場の右端を登ってみたが、残地があったのは取りつきだけで、完登はされていない様だった。あまりすっきりしない内容で40m+20mのやさしいクライミングだった。やさしいと言っても、グレード的にはやさしいが、岩のもろさと支点をとれるところの少なさで、緊張するクライミングではあった。

そのあと、下の岩峰に移動し、岩の堅そうな、すっきりしたラインを選んだ。

岩はことごとく逆相で、花崗岩だがクラックは閉じてしまっている。どこにプロテクションが決まるのか判然としない。この日用意したプロテクションはキャメロットの0.5~3番まで2セット、エイリアンの赤から緑まで2セット、ナッツ1セット、カットアンカーのボルトキットだ。クラックは閉じてしまっているので、ナイフブレードが有効であるように見えるが、あいにく持参していなかった。

私がリードで取りつく。10mほど登りレッヂに立つが、全くカムやナッツを効かせるところがない。ここまでは5.7くらいだが、この先は少し難しくなりそうだ。少し考えて、バックロープでボルトキットを上げてボルトを設置。岩が固く、1本打つのに小川山や瑞牆の3倍くらいの時間がかかる。もちろんボルトなど打ちたくはないが、仕方ない。ボルトを打つなら、最低限グランドアップで手打ち。これだけは守りたい。「トラディッショナル」なクライミングというものはそういうものだと思うからだ。

ボルトを打った先は、カムを使える場所を見落とさないように、しかもホールドをつないでルートを見極める。少し直上した後に右にトラバース。また直上して左に戻るが、この辺りはフットホールドが高くカチや縦ホールドやアンダーホールドで乗り込むムーブが連続する。カムは小さいサイズをクラックとは呼べない岩の隙間にセットしていくので、思い切ったムーブを起こすには勇気が必要だ。

核心部をこなして直上するとテラスがありそうだった。しかしアンダーホールドに決めたカムは信用できず、この直上の1手が出ない。手の届くところの岩は明らかに浮いている。その上にガバカチがあるが、手を出す勇気がない。手前のかろうじて手を放せるところで再びバックロープを引き上げボルト2本目。ここは傾斜もきつく足場も大きくないので、打っている途中に墜落しそうで恐ろしかった。バランスを崩さないように静かにハンマーを振る。ハンマーを振る腕がパンプスる。手首が痛く、ハンマーをしっかり握れないが、もうこの場所からはどうしても登りきらないと無事には帰れないのだ。そう思うと手首くらい壊れても仕方ないという覚悟が生まれる。カットアンカーの先が数ミリ入ると、ホルダー自体がホールドになるので安心できる。あとは力の続く限りハンマーを振るだけだ。死に物狂いでボルトを打ち、カラビナにロープをクリップすると、死の淵から戻ってきたような気持ちになる。

「この上がテラスであってくれ!」と祈って突っ込む。手を出してみたら、実はそれほど難しいムーブではなかったが、これが「初登」というものだし、ボルトの魔術でもある。このボルトが残ることで、次から登る人は、私が感じたことと同じことを感じることは不可能になってしまうかもしれない。しかし良い感性の持ち主であれば想像はできるだろう。そこが妥協点だ。

ワイドクラックともいえる凹角を抜けると果たしてテラスだった。左下に太い松の木があるのだが、足場が悪く、ビレー点には使えない。今日は時間的にもここで終了となるので、ボルトのビレー点を作る。一安心でロワーダウン。しかしこの日のロープは50mだったので着地ができない。途中でバックロープをつないでの着地になった。

1ピッチ目のグレードは5.9 27m。 プロテクションはキャメロット3と0.5各1 エイリアン赤以下緑まで。ボルト2本。

*取りつきから15m直上。右にトラバース後、数m直上。左に戻り顕著な凹角を登りテラス。

 

 

6月20日。約1か月ぶりにこの岩場に戻ってきた。この日のパートナーは月稜会のみじかいさんとアンジェラ。女性2名だ。まずはもっと楽なアプローチはないだろうかと探ったが、結局時間がかかってしまった。しかし帰りにわかったのだが、本当は最短だっただろう。岩場の近くでうろうろしてしまっただけのようである。このアプローチは使える。

 

今日はプロテクションにナイフブレードを追加してみた。ナッツもペッカーもスカイフックも用意した。使わずじまいだったけど。

先月登った1ピッチ目をリードする。やはり2度目は落ち着いていける。しかし、プアなプロテクションには変わりないので緊張はする。フォローのみじかいさんは、核心のトラバースで落ちて振られ、ラインの左からフリーで登りなおした。つまり左からも登れるということだが、ボルトを打たない限り相当なランナウトになるライン。

1ピッチ目フォローのみじかいさん。5.11aくらいは登るのだが・・・。

 

続いてアンジェラもテラスに到着し、いよいよ未知の2ピッチ目。出だしはやさしいが、やはり1ピッチ目と同じく、プロテクションはプアである。岩の隙間を見つけてエイリアンの小さいサイズを決めていかなくてはならない。10m弱登ったところでブッシュに入り、ブッシュを抜けると右上にある上向きの大きなフレークに立つ。ここで先のラインを見極める。右に行くのは簡単そうだが、岩のもろい地帯に突っ込んでしまうラインなのであきらめる。残るは目の前のスラブを2mほど登り、左のオープンブックからカンテにのっこすラインだ。しかしスラブを上がるまでのプロテクションが取れない。またボルトの出番だ。

スラブにカチホールドを拾い、水平クラックを左にトラバース。オープンブックの向こうのカンテを目指すが、右手がアンダー、左手がカンテで左足の小さなフットホールドが不意にかけてしまった。手前のカムが浅効きだったので、思わず大声を出してしまった。落ちるかと思った。何とかカンテに立ちこんだ。ここがテラスであることを願っていたが、自分一人がやっと立てるだけだった。しかもその上には15m以上はテラスがなさそう。もう頻繁に使う小さめのカムが足りない。しかし幸いなことに、そのレッヂはエイリアンの赤がバチ効きだったので、セルフビレーを取り、ボルト1本を設置して、今日はここまでで終了とした。このボルトは、登るためには必要ないので、次回は撤去する予定。ナイフブレードもバックアップで打ってあるが、これも撤去予定。

2ピッチ目(途中)のグレード。5.9 20m。 プロテクションキャメロット2 エイリアン赤から緑1.5セット。

*ビレー点から直上。左上のブッシュを通過し、右上の大きなフレークに立つ。数手のスラブを登り、水平クラックを左へトラバース。オープンブックからカンテを乗越して1人用のレッヂ。

 

2ピッチ目出だしの私。

 

2ピッチ目をトップロープで登るみじかいさん。

 

実にアルパイン的な岩場である。

たかが5.9と思われるだろうが、クライミング技術だけでは登れない。

クラックシステムとは言えないスラブ・フェースクライミングなので、当然プロテクションはクラックより難しい。

「トラディッショナル クライミング」という言葉が一番ふさわしいかもしれない。

何年も前にSさんとともに登った「一粒の麦」のように、全く残置物を残さないで登れたら理想的だったが、

どうやら今回の岩場は別物のようだ。

でも、それは「また違ったプレゼント」をもらったようで、すごくうれしい。

 

「ボルト」という妥協の産物を残さなければ登れないことは残念だ。(フリーソロができるのなら良いのだが)

ただ登りながら最小限のボルトを打つことは、「トラディッショナルクライミング」の範疇であろう。

これは非常にスリリングなことだ。

次に登る人はボルトがあることによって、このスリルは味わえないが、

こういうルートは感性豊かなクライマーにこそ登ってほしい。

初登者の気持ちを想像しながら登れるクライマーにこそ登ってほしい。

まだ完登してないけど・・・。

 

 

 


初登

2016-05-25 00:57:02 | 無雪期山岳クライミング」

5月23日、以前から気なっていた岩場を訪れることができた。遠目に眺めて「かなり大きな岩場だ」と思っていたが、いろいろ調べてみてもクライミングの記録は見当たらない。地形図を眺めてはアプローチの方法などを考えていたが、何年も先延ばしにしてしまっていた。

月稜会の仲間であるIが興味を持ってくれたので、決行した。前夜発でアプローチの起点近くで仮眠をとり、朝7時に歩き始めた。地形図上の破線をたどり踏み跡が途絶えると地形を頼りに進む。1時間弱で樹林越しに岩が見えた。「でかい!」。思っていたよりスケールが大きい。岩は上下2つに分かれていて、それぞれ2~3ピッチ分はあるようだ。つまり100mあまりの岩峰が上下2本立っている感じである。

まず、岩場を裏側の樹林帯から巻いて、上部岩壁のピークに立ってみた。

ピークには何かのしるしだろうか、岩に文字が刻まれていたが、そのほかに人工物はない。

下って上部岩壁の基部に行ってみる。

基部を見回ってみると、古いリングボルトとハーケンがそれぞれ1本見つかった。

さっそくそこから取りついてみる。

 

岩は花崗岩だが、小川山や瑞牆の花崗岩と違って、あまりクラックはなく、カムが使えるところが少ない。ハーケンが有効だが、あいにく今日は持参していなかった。

岩は古期花崗岩というのだろうか。滝谷のような感じである。

上部岩壁を見上げる。

 

まず取りついたラインは岩場の一番右端で、4級程度のやさしい内容だが、ことごとくホールドが浮いているし、支点が取れないので、クライミングのグレード以上に恐ろしかった。

下から見えたハーケンを過ぎると、そこから先には残地支点はなく、登られた形跡は見つからなかった。

40mほどでテラスについたので、後続をビレーしたいが、全く支点が取れない。バックロープでボルトキットを挙げてボルトを打った。

もちろんできることならボルトなど打ちたくないのだが仕方ない。

 

2ピッチ目の出だしは岩が固く快適。しかしすぐにすっきりしない凹角に入り、右のリッヂに上がると、20mほどでさっき来たピークの右端についた。

後続のIが到着。本当のピークより低いところなので40m+20mで終わった。帰りはクライミングシューズのまま歩いて下った。

 

基部に戻ってから下部岩壁に移動した。

 

下部岩壁は、上部岩壁よりさらにすっきりしている。すっきりしすぎていて、NPが使えなさそうだ。

 

じっくり岩を眺めて弱点になりそうなラインを見極めて取りついた。

取りつきから10mほど登るとテラスになるが、全くNPが使えない。さらにここからは難しくなりそうなので、仕方なくボルトを打つ。

岩は固く、逆相のスラブの中にもホールドがちりばめられていて、登ること自体は実に快適だが、カムを使えるところを見落としてはいけない。

20mほど登ると核心部に行き当たる。心もとないマイクロカムと効きの悪いキャメロットの3番をセットするが、そのまま突っ込む勇気がわかない。

微妙な体制でバックロープを引き上げ、ボルトを打つ。打っている途中に墜落しそうだ。

岩が固いうえに体勢も悪いので、時間がかかりつかれる。やっとの思いでボルトを設置し、核心に突っ込む。

登ってみれば5.9程度のむずかしさだったが、グランドアップで初登するとはこういうことだ。

27mほどで安心できるテラスについた。もう今日はこれ以上は無理だ。

このテラスにも支点になるようなものはない。少し左下に太い木があるがルートから外れてしまう。また下降支点をボルトで作った。

この日合計6本のボルトを打ったが、岩が固くて手首が腱鞘炎になってしまったようだ。

ロワーダウンしてみるとロープが足りない。今日は50mロープだった。

バックロープをつないで着地した。

 

開拓途中の下部岩壁1ピッチ目をトップロープで登るI。

 

今のところ場所は公表できません。初登がかかっているからとか言う理由ではなく、これだけの岩場がなぜ今まで登られなかったのかということに、何か理由があるような気がするからです。

それがわかって問題なければ発表できるのですが。

 

それにしても久々の開拓、というより初登。やっぱり私はこういうクライミングが好きなんだ。

ボルトに守られた高難度のクライミングより、やさしくても冒険的で総合的な知恵と経験が必要なクライミング。

こういうクライミングを、私は「クライミング」と呼ぶのだ。


谷川一の倉南稜

2015-09-14 23:41:28 | 無雪期山岳クライミング」

9月14日(月)。月稜会の会山行で一の倉南稜に行ってきました。会の新人2名の一の倉デヴューです。他に中央カンテ組と凹状組が一緒に入りました。

私は7年ぶりの南稜。南稜といえば、大体雨で他のルートが登れないときに行くルートでしたが、今回も昨晩に雨が降ったらしく、岩が濡れていました。

朝6時くらいに駐車場を出発。(こんなに早く出たのは初めて)

濡れていていやらしいアプローチをこなして南稜テラスに到着。天気予報では「秋晴れ」を告げていたが、山はガスに包まれている。そのうち晴れるだろうと思っていたが、結局晴れることはなかった。今日は新人にはリードさせないと宣言していたし、このようなコンディションではどちらにしてもリードはさせられなかった。

馬の背をフォローする新人。

フリークライミングはそこそこやるのだが、今日はいろいろとシステムなどを見て、体験して覚えてもらうのが目的なので、オールフォローでしたが、次は自分たちで登ってもらいたい。

 

時折空は明るくなるのだが、一向に晴れる気配はない。

 

凹状岩壁に張り付いている、わが会の別パーティー。

 

われわれ南稜パーティーは11時過ぎに登攀を終了し、下降した。

我が会は、いつもは上に抜けて歩いて降りるのがスタンダードなのだが、今回は別パーティーの取りつきが遅くなってしまったので、彼らの下山を見守るために、同ルート下降に変更した。

案の定、中央カンテと凹状組は遅くなり、待たされ、出合いに降りたのは6時30分くらいだった。

7人中3人が新人だったので、テールリッジなどでもロープを使ったが、7人全員のチームワークでスムーズに下山することが出来ました。

「スムーズ」というには、ちょっと時間が遅いけど。


久しぶりに瑞牆「錦秋カナトコルート」

2015-08-10 23:06:30 | 無雪期山岳クライミング」

8月10日。ゆーた君とゆいちゃんをマルチピッチにデヴューさせるために、錦秋カナトコルートに行ってきました。

アプローチ。歩きなれない二人ですが、のんびり歩いても通常の時間で取りつきまで行けました。

 

取りつきのテラスで準備。いつ来ても気持ちのいいテラスです。

 

ひゃーひゃーいいながら、1ピッチ目をフォローするゆいちゃん。

 

2ピッチ目は難しかったようです。私もボルトを踏んでしまいました。

よくこんなところを単独で開拓したなあ、と我ながら感心してしまいました。

 

上部左ルートの出だしです。

このピッチはやさしいので、ゆーた君にリードしてもらいました。

 

稜線に出るチムニー。

二人ともワイドクラックは初めて。

 

カナトコ岩のピークに着いたところ。

いい笑顔です。

 

二人ともよく頑張りました。

最初のマルチは何かを覚えると言うより、大体どんなことをするのかが分かればよし。

 

下山は豪雨に見舞われましたが、しっとりとした瑞牆らしい雰囲気を味わえました。

 

こんなきれいな苔の中を下ってきます。

 

瑞牆の森に帰還

 

その後は晴れました。


月稜会、谷川岳で合宿

2014-08-19 22:31:35 | 無雪期山岳クライミング」

8月17日(日)から19日(火)にかけて、月稜会のメンバーで谷川山岳クライミングの合宿をしてきました。

今回はメンバーが11人。でも入山日と下山日にばらつきがあり、自由に出入りできるように、この暑い時期に谷川となりました。私は全体のリーダーでしたので、準備が大変。個人的には、山岳クライミングと言うのは、大人数の合宿という形にはそぐわないと思っているのですが、生きのいい新人が張り切っているので、「最後の御奉公」と引き受けました。でも11人の合宿で、それぞれがいろいろなルートに散るとなると、事故が起きないように、いろいろと気を配らなければならず、緊張もします。しかも私は会の備品がかりもやっていて、合宿の共同装備も準備しなくてはなりません。直前になって「参加したい」とか「参加できなくなった」と言うことの対応もあり、非常にめんどうな役割です。でもこれが「最後の御奉公」。もうこれが終わったら自由に登らせてもらおう。

17日に入山した私と新人二人。そして直前に参加可能になったベテラン女性2人。合計5人で「マチガ沢東南稜」に行きました。

この時期は雪渓の状態が悪く、「マチガ沢」はリスクの高い沢登りになります。

しかもこの日は雨降り。

 

上部には雪渓は無いのですが、皆アプローチシューズなので滑る。

雪の無いマチガ沢は、景色が違って見えるので、「東南稜」の取り付きを探しちゃいました。

東南稜に取り付くと、岩は海苔の佃煮でコーティングされているようで、非常に悪かった。

私は人生痛恨のA0をしてしまった。

 

「沖の耳」に出て「西黒尾根」を下り、降りましたが、今日中に一の倉沢にベースをおくことは断念。

 

翌朝、他の6人が到着して、皆で一の倉沢に入山。ホイール付きのキャリアで共同備品を運びます。

 

一の倉沢に共同備品をデポし、私と新人二人は幽の沢へ。「Ⅴ字右ルート」を目指します。

他のメンバーは「南稜」「中央カンテ」「変形チムニー」に分かれて登る予定。

幽の沢のカールボーデンを先行する新人2名。この日は始めは天気が良くて汗がだらだら。

 

最初のトラバースが分かりにくく、「右俣リンネ」を登ってしまい、懸垂で修正。

正しいルートに戻ってからは、行きのいい新人にリードさせた。

 

リードする新人君。登ることと基本的なシステムは合格点を上げられる。

でもまだルートの読みが出来ていない。これは経験。

「V字右ルート」は最後の草つきが非常に悪いし、「堅炭尾根」までも悪い。

「βルンゼ」を下る予定だったが、「中芝新道」の草がきれいに刈られていたので、もしかしたら下部も整備しなおされいるかと思い、

「中芝新道」を歩いて下った。しかし、下部は崩壊したままだった。ハイカーがこのトラップに引っかかったら危ない。

国道に出る前に夕立に捕まり、濡れ鼠になった。

 

夕立は夜9時近くまで止まず、テント泊は諦め、便所クサイ避難小屋に泊ることにした。

しかし、一の倉沢に入った3パーティーの内、2パーティーが増水のため下山不可能になってしまった。

その2パーティー6人は、「テールリッヂ」でビバークとなってしまった。

 

翌朝19日は晴天。

 

ビバークしたパーティーが「テールリッヂ」に見える。

私も途中まで迎えに行く。携帯でも連絡が取れなかったので、全員無事かどうか心配だった。

しかし、みな非常に元気で下って来た。安心した。

 

2日間でぐちょぐちょになった荷物を広げる。

 

泥のように眠るビバークから戻ったメンバー。

 

今日はこんなに天気がいいのに最終日はクライミングは中止。

 

残念だが、ロープウエーで「天神平」まで行き、ソフトクリームを食べて「高倉山」に登って来た。

新人二人はロープウエーは使わずに「田尻尾根」を走って往復しました。えらい!

 

計画通りには行かなかったが、無事で何より。無事に帰ってくることが一番大切なのだ。

それにみんなにとっていい経験になったはず。

さあこれからは私抜きでやってもらおう。

 

 

 

 


中央アルプス 西横川沢登り

2013-09-11 01:05:55 | 無雪期山岳クライミング」

9月9日、月稜会の会山行で中央アルプスの西横川へ沢登りに行きました。

私のパーティーは、私のほかにメンバー5名。別のパーティーで中御所谷に4名、東横川に7名、北御所登山道からの縦走に5名という集中山行でした。

私は沢登りも好きだけど、雪のない時期はフリークライミングに忙しくて、沢登りは4年ぶり。今履いている沢靴なんか20年近く履き続けている。沢登りは日本独特のアルパインクライミングだ。総合的な山登りの実力が必要。だから重ねて言うけど、私は沢登りは好きなのです。ただフリークライミングは次から次へと自分の課題が現れるので、沢に行っている暇がないだけなのである。

 

最初にロープを出した滝。

慣れたパーティーならロープも出さないのかもしれないが、私はロープを使うことはためらわない。

落ちそうなところ、簡単でも落ちたら助からないところでは迷わずロープを出す。

ロープの扱いが素早ければ、ロープを使うことはマイナス要因にならないからだ。

 

西横川はみじかい沢だが、滝がぎっしり詰まっていて楽しい。

全て巻かずに登れる。

 

長谷部新道に出て千畳敷に向かう。

4時間弱の遡行と1時間弱の登山道歩きで千畳敷に着く。

しかし、延々と他のパーティーの到着を待たされることになった。

 

 

 


瑞牆 一粒の麦

2013-08-22 00:53:54 | 無雪期山岳クライミング」

8月19日、瑞牆山の十一面奥壁「一粒の麦」を登りに行きました。私と澤田氏で開拓したルートですが、今回は福原信一郎さんと行きました。

 

前半のハイライト、2ピッチ目のクラック(5.10b)をリードする信一郎さん。

 

4ピッチ目は全くやさしいチムニーだが、面白い。

 

隣の「ベルジュエール」では杉野先生が登っている。

 

最終6ピッチ目はこのルート中のハイライト。長く美しいコーナークラックを登り、ダイレクトにピークに出る。

 

ピークに立つ信一郎さん。

 

久しぶりに登ったが、本当に良いルートです。

自画自賛になっちゃうけど、もっとたくさんのクライマーに登ってほしいルートです。


明星山 マニフェスト

2012-10-10 00:27:05 | 無雪期山岳クライミング」

10月9日、明星山に行ってきました。月稜会のメンバー5人です。「マニフェスト」にわしとひろさん。「左岩稜」にみじかいさん、うめちゃん、ボクリンの女性3人。

当日の夜中2時半に現地着。前日の内に現地入りして睡眠十分のひろさんに朝早くたたき起こされ、3時間ほどの仮眠しかとれず取り付きに向かいました。

8時にクライミングスタート。

1p目。ひろさんリード。簡単。2ピッチ目もつなごうとするが、フォローのわしがカムを持っていたため、「カムがないと怖い」ということで、少し登った所から諦めてクライムダウン。

2ピッチ目。わしがリード。カムがあればなんてことはない。レイバック、ジャミングで登れて楽しい。

3p目もわしがリード。ルート中、1番難しかった。回り込めば5.9らしいが、支点が取れなさそうなので回りこめなかった。

4p目わしがリード。やさしい。

5p目、下部城塞。わしがリード。「城塞」なんて言われるが、ガバガバ登れてやさしい。トポの6p目もつなげて登ってしまった。

6p目、ひろさんリード。「上部城塞」の下まで。わしはフォローだったが、ハング下のトラバースがちょっと悪く感じました。

7p目、わしがリード。「上部城塞」。5.10aとあるが、それほどにも感じなかった。

8p目、ひろさんがリードでピナクルから、トポの次のピッチの途中まで登ってしまった。ここはⅤ級とあるが、Ⅳ級-程度にしか感じなかった。

9p目、わしがリードで15mほど登り、上部核心の下まで登る。Ⅲ級程度。

10p目。わしがリード。ホールドが細かく5.10dとなっているがそれほどではない。でも核心部分はリーチのない人には難しい。楽しい。鷹の巣ハングにもぐりこむと、鷹に食われたレース鳩の残骸が・・・。

11p目、わしがリードで鷹の巣ハングを這い出て右上。キャメ0.75と1を2つづつ、2を一つ使った。岩が脆く見えてちょっと怖い。12時50分終了。

P6の肩を目指してコンテ。下山は解説通りに降りられず、適当に懸垂を交えて下り、駐車場に3時に着いた。

鷹の巣ハング下の核心のピッチを登るわし

 

鷹の巣ハングを這い出るわし

 さっさと帰ろうと思ったのですが、「左岩稜」の女性たちが5時まで帰ってこなかったので、おんせんは諦め帰京しました。残念。でも女性3人もよく頑張ったので許してあげよう。下山に時間がかかったようですが、登るのは早かったみたいでした。(工事のおじさん談)

 


一の倉中央カンテ

2012-07-25 01:29:41 | 無雪期山岳クライミング」

7月23日。谷川岳一の倉沢中央カンテへ月稜会のメンバーと行ってきました。月稜会の一の倉は国境稜線に抜けるのがスタンダード。ちょっと時間がかかり、夜の下山になってしまいました。

今回は新人をデヴューさせることが目的だったので、私の好きなルートを選びました。他に仲間が変形チムニーに入りました。

テールリッヂをアプローチ。まだ雪渓がしっかりしていたので、アプローチは楽でした。

 

核心のピッチを抜けました。浮き石が多く、フォロー同時に登れなかったピッチが多く、時間がかかりました。

前夜まで雨だったので、壁全体がぬれていて悪かった。

 

変形チムニーパーティーは、コンディション不良のため3ピッチで撤退。

雪渓上に3人の姿が見えます。

 

烏帽子尾根を登って国境稜線に抜ける。月稜会では一の倉を登るなら稜線に抜けるのがスタンダード。

今回は新人の体験が目的だったので、落ちたら助からない場所では全てロープを出しました。

国境稜線に出る手前のササ藪でドコモの携帯を拾いました。心当たりのある方はご連絡ください。