すごい地震でした。自分が経験した中で一番ひどい地震でした。被害の大きかった地域の方はどれほど大変か、簡単には想像できません。東京でも卒業式の会場で被害に遭い、亡くなられた方がいたようです。心が痛みます。
私は銭湯の仕込み(湯を沸かし、湯船に湯を張ったり、開店準備をすること)の最中でした。初めは「立ちくらみかな」と思ったのですが、そのうちに湯船のお湯がザップンザップン。「とうとう関東大震災か」と、その瞬間は覚悟を決め、人間はそれぞれ何とか対処しているだろうから「アサ(愛犬)を守ってあげなきゃ」と考えました。しばらくして第2波もきましたが、おさまりました。
しかし、銭湯の店開け前でボイラーが停止してしまい、復旧に時間もかかり、いろいろ点検作業も必要なので、とりあえず店の入り口に「余震が収まるまでしばらくお待ちください」の張り紙。
妻は出かけていたのでどうしているか心配でしたが「大森から歩いて帰る」とのメールが届き、一安心。お客さんが入浴中に、大きな余震が起こったらひとりでは対処できないので、妻が帰ってきたら店を開けることにしました。
妻も無事に帰り、店を開けました。5時。1時間半遅れの店開けでした。でもお客さんはほとんど来ない。しばらくして機械が心配なので見に行ってみると、3つある浴槽の一つの温度が下がっている。またいったん店を閉め、点検のやり直し。貯湯槽のお湯が地震であふれ、配線を濡らしていたためブレーカーが落ちていたようです。復旧。
こんな日にはお客さんもきません。「休んじゃえばよかったなあ」なんて考えていたら、夜になり、急に店が混み始めた。最近では正月の朝湯の時にしか見られないような混雑ぶり。しかし常連のお客さんはほんのわずか。来るお客さんはスーツ姿のサラリーマンと、近所にある立正大学の学生。みんな帰宅難民だ。「今日は営業してますか」という電話での問い合わせもひっきりなしにかかってくる。店が終わって売り上げを計算してみると、普段より売り上げが多かった。こんなことで喜んではいけないのだけれど、寒い夜なので、帰宅できない方に温まってもらえたのはよかったかな。
これ以上被害が大きくならないことを、そして被害に遭われた方に慰めがあることを祈ります。
うちの長男は八王子で帰宅難民です。