Chimney角屋のClimbing log

基本的にはクライミングの日記ですが、ハイキング、マウンテンバイク、スキー、スノーボードなども登場するかも・・・。

短縮営業決定

2011-03-19 02:15:33 | 銭湯の番台日記

とうとう決断しました。3月23日(水)から、金春湯は短縮営業をすることにしました。いきなりではお客さんが困るので5日間の告知期間を設けました。

 

これがいつまで続くのかわかりません。電力の回復程度を考えながらですが、本当のことを言えば、あまり夜遅くまで営業しているというのはよいことだとは思っていないのです。なぜ皆こんなに夜遅くまで活動していなければならないのでしょう。わしの田舎では、夜8時になると、たいていの家では寝てしまう。もっと遅くまで起きているのは御酒を飲んで騒いでいる(決して毎日ではない)若い男衆だけ。

夜遅くまでお店が開いていると便利です。でもそのサービスを提供する人は、夜遅くまで働かなければなりません。夜遅くまで働く人のために、またほかの人がその人を支えるために働かなくてはならない。「コンビニエンス」を求めていくと全てが24時間になっていってしまう。

悪意のあるチェーンメールを、誰かがどこかで断ち切らなくてはならないのと一緒で、「眠らない街」への同線は断ち切る人が必要なのかもしれない。


銭湯「金春湯」ができること

2011-03-17 02:02:10 | 銭湯の番台日記

今日は上京された被災者らしきお客さんが数人、お風呂に入りに来ました。お風呂からあがって、休憩室で心配そうにテレビで報じられる被災状況を見て帰られました。

金春湯の前の通りは、いつもはかなり交通量の多い道路なのですが、夜になると静かになっています。近くの、深夜1時まで営業するスーパーマーケットも、今は夜8時に閉店しています。また、近所の家々も節電のために、普段よりひっそりしています。

金春湯でも水銀灯4本、蛍光電球13本を外しました。今、短縮営業を検討中です。うちは夜中遅くまで営業している銭湯として、利用されているお客さんには喜ばれていたのですが、こうなると考えざるを得ません。

遅く利用されていたお客さんにも、早めにお風呂に入って早めに寝ていただければ、節電は相乗効果を発揮するし、そのために仕事も早めに切り上げてもらえればもっといい。

また、普段銭湯を利用されていない方も、この機会に銭湯を利用していただきたい。各個人でお風呂に入っていたら、長時間電気も使うし、あらゆるエネルギーが無駄に使用される。家族が多くて、みな別々に入っている方などは、皆一度に入れるので時間の無駄もありません。銭湯ならば、お客さんが多かろうと少なかろうと、使用されるエネルギーは大きく変わらない。特に電力はほとんどお客さんの数の影響を受けないのです。

近くに銭湯のある方は、是非利用してください。


品川大崎「金春湯」 地震の影響で

2011-03-12 01:54:11 | 銭湯の番台日記

すごい地震でした。自分が経験した中で一番ひどい地震でした。被害の大きかった地域の方はどれほど大変か、簡単には想像できません。東京でも卒業式の会場で被害に遭い、亡くなられた方がいたようです。心が痛みます。

私は銭湯の仕込み(湯を沸かし、湯船に湯を張ったり、開店準備をすること)の最中でした。初めは「立ちくらみかな」と思ったのですが、そのうちに湯船のお湯がザップンザップン。「とうとう関東大震災か」と、その瞬間は覚悟を決め、人間はそれぞれ何とか対処しているだろうから「アサ(愛犬)を守ってあげなきゃ」と考えました。しばらくして第2波もきましたが、おさまりました。

しかし、銭湯の店開け前でボイラーが停止してしまい、復旧に時間もかかり、いろいろ点検作業も必要なので、とりあえず店の入り口に「余震が収まるまでしばらくお待ちください」の張り紙。

妻は出かけていたのでどうしているか心配でしたが「大森から歩いて帰る」とのメールが届き、一安心。お客さんが入浴中に、大きな余震が起こったらひとりでは対処できないので、妻が帰ってきたら店を開けることにしました。

妻も無事に帰り、店を開けました。5時。1時間半遅れの店開けでした。でもお客さんはほとんど来ない。しばらくして機械が心配なので見に行ってみると、3つある浴槽の一つの温度が下がっている。またいったん店を閉め、点検のやり直し。貯湯槽のお湯が地震であふれ、配線を濡らしていたためブレーカーが落ちていたようです。復旧。

こんな日にはお客さんもきません。「休んじゃえばよかったなあ」なんて考えていたら、夜になり、急に店が混み始めた。最近では正月の朝湯の時にしか見られないような混雑ぶり。しかし常連のお客さんはほんのわずか。来るお客さんはスーツ姿のサラリーマンと、近所にある立正大学の学生。みんな帰宅難民だ。「今日は営業してますか」という電話での問い合わせもひっきりなしにかかってくる。店が終わって売り上げを計算してみると、普段より売り上げが多かった。こんなことで喜んではいけないのだけれど、寒い夜なので、帰宅できない方に温まってもらえたのはよかったかな。

これ以上被害が大きくならないことを、そして被害に遭われた方に慰めがあることを祈ります。

うちの長男は八王子で帰宅難民です。

 

 

 


今年一年が終了しました

2011-01-01 02:31:02 | 銭湯の番台日記

ただ今日付が変わり、夜中の2時半です。今年も一年の営業が無事に終了しました。

風呂屋は大みそかもお休みできません。大みそかに休んでたらお客さんに怒られてしまいます。お客さんも風呂につかって一年を締めくくるのですから。そして24時、営業終了。しかし風呂屋はそこから大掃除の締めくくり。大掃除は2週間前から少しづつやりました。何せ建物がでかいため、しかも家族3人で営業しているので、大掃除も1日や2日では全く無理なのです。天井は高いので脚立を移動しながら掃除をし、たくさんある換気扇やカーペットの下、外壁も高いので脚立を移動しながら掃除します。でも大みそかの営業が終了しないとできないこともあるのです。だから夜中の2時半に終了なのです。

でも2日の朝5時には新年の朝風呂の準備が始まります。

年末年始も連休とは無縁の風呂屋です。


わしは風呂屋のオヤジなんです

2010-12-05 01:45:11 | 銭湯の番台日記

実はわしは銭湯のオヤジなんです。知っている人は知っている。(当り前か?)

先日、同業者のある方に、「お前は山にばっかりいているけど、山が仕事なのか?風呂屋が仕事なのか?」と聞かれた。もちろん「山が仕事だ」と答えたが、「そんなだから風呂屋がすたれちゃうんだよ」と意見された。まあ普通そう思うよな。自分でも理解できるくらいだから、皆そう思うのは当たり前か。

実はこの仕事、好きで始めたのではないのです。もともとは大学を卒業してYMCAというところに就職し、好きな仕事で頑張っていた。でも妻と結婚し、10年足らずで妻の父親が他界。それで妻の実家の銭湯(大崎 金春湯)を継いだというわけなのです。

自分は銭湯が好きだし、仕事なら何だってやるのですが、一つだけ好きになれないのは、銭湯の仕事っていつもひとりなんです。わしはチームでやる仕事が好き。そこのところだけが今一つ好きになれないところなんです。ひとりでやる仕事はさびしい。わしはお湯の仕込みと流し場の掃除。妻は脱衣場やフロントの掃除。別々です。しかも自分の都合のよい時間にやるので、妻と一緒に仕事をしているという実感はありません。

でも、面白いこともあります。銭湯というところはいろいろな人がやってきます。もちろん常連さんが主なお客さんですが一見さんもいますし、モンモンを背負った人、有名人、かわいい子供も憎たらしいガキンチョも。生活に困っている人、お金持ち。いろんな人が来ます。だから結構平均的な人には想像もつかない、面白いことも起こるのが銭湯なんです。

これから時々ですが、そんな銭湯で起こった笑える話、笑えない話。はらわたが煮えくり返る話。ほのぼのとした話も、少しづつ書いていこうかな。