Chimney角屋のClimbing log

基本的にはクライミングの日記ですが、ハイキング、マウンテンバイク、スキー、スノーボードなども登場するかも・・・。

今日はジュニアスクールでした

2016-10-30 01:04:24 | フリークライミング

今日のビッグロックのジュニアスクールは、近所の小学校が授業参観日だったので、参加者4人と、さびしかったのですが、実に楽しいスクールになりました。

少し前に新聞の取材で「指の使い方を工夫して、ジムの全部の壁を登ってみたい」とインタビューに答えていたりょうちゃん、今日、ビッグルーフのルートをレッドポイントして、すべての壁を登りました。まだクライミングを初めて半年ですが、もうビッグルーフを登ってしまうとは驚きです。見ていた周りの大人たちもびっくりです。早熟です。小学3年生の女の子。良い仲間を持ってモチベーションを保ち続けてほしいと願っています。

同じく3年生のUーなちゃんは、とても明るくてかわいい女の子。とってもクライミングが好きで、いろいろなルートにチャレンジしている。ちょっと身長と力が足りなくて登りきれないことが多いのですが、ムーブはきれいだし、何しろ登れなくったってめげない。楽しんでチャレンジしているところが最高です。長く続ければ大成するように感じます。これから楽しんで登り続けるのもよし。でもそのうち大きく化ける気がします。

同じく3年生の男の子、HRKくん。彼は運動能力が優れていて大胆だ。それゆえ基本を無視してもダイナミックに登ってしまう。「飛びつき王子」。りょうちゃんが登れたルーフにチャレンジした時も、すぐに足ブラになるのでハラハラする。欠点でもあるが伸ばせば素晴らしい武器にもなる。個性があって面白い。だからこそ今は基本をしっかり身に着けてほしい。

5年生のTSK君。今日のメンバーの中では本来なら実力ナンバー1なのだが、成果としてはりょうちゃんに先を越されている。というのも今日はルーフをメインにやったからだが、正対が得意なので垂壁は強い。最近お父さんと一緒に岩場に通っているのが素晴らしい。本物の岩を登ってほしいと私は願っている。そして彼のキャラクターが実にいい。実にいい味を出していて、仲間からも指導者からも愛されている。(みんな愛してるけど) 今日もルーフにチャレンジしていた。合理的なムーブを教えながらも、今持っている個性を殺したくない。本物のクライマーになってほしい。

今日参加できなかった子供たち。みんな素晴らしい個性の持ち主です。みんなに教えることは同じですが、それぞれの個性は活かしたい。

教えることは同じでも、対応はそれぞれ変えることが大切だと思っています。

 


NPで初登したルートに自らボルトを打つジレンマ

2016-10-24 23:07:21 | フリークライミング

先日SLCDのみで初登したフェースルートにボルトを打った。

「海賊の娘」5.10cだ。カサメリ沢モツランドの「ジャガバター」の左。このようにほかの人が開拓したエリアにルートを拓くのはやったことがない。すでに拓かれたルートとルートの間に新たなルートを拓くと、既存のルートの独立性を損なってしまう可能性があるからだ。しかしなぜここにルートを作ったのか。それは見た目で明らかにホールドがつながっている自然なラインだと感じたから。しかも隣のルートとホールドが重なっていない。もしかしたらNPで登れるかもしれない。そういう理由だった。掃除してTRで登ってみると思った通りだ。そしてSLDCでリードしてみた。しかし出だしの2本はよく決まったものの、上に行くにしたがってカムの効きが悪くなり、始終使うホールドにカムを決めなければならないため、絶対に落ちられない。上部で落ちたら致命傷。何とか落ちずに登れたからよかったけれども、上部で落ちたらグランドフォールの可能性もある。

NPでリードしたのだからNPのルートとするべきなのだが・・・。

それからしばらく悩んだ。瑞牆の森の管理人と話す機会が多いが、事故の話を聞く機会が多い。瑞牆を訪れるクライマーの質も変化してきた。15年ほど前は公園もなくて、訪れるクライマーも少なく冒険的なクライマーがほとんどだった。だから小さな事故ならば、起こっても自己解決していたのかもしれない。私もソロで事故を起こしてしまったことがあったが、幸い命にはかかわらない事故だったので一人で解決できた。しかし今の状況は違う。いろいろなクライマーが集まるエリアになってきている。

今の瑞牆でNPのままの5.10cのルートに取りついて、行き詰った時にどのクライマーも安全に対処できるだろうか。それを考えると、このルートを封印すべきかとも思った。しかし(自画自賛になってしまうが)登って楽しいルートなので、できればたくさんの人に登ってほしい。だけども事故は起こしてほしくない。「絶対安全」はないけれど、命を落とすような事故はできるだけ避けたい。

いろいろ考えたがボルトを打つことにした。NPで初登されたルートにボルトを打つなんて前代未聞ですが、打ちました。