タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

アリランの青い鳥~その2

2008年11月12日 | 韓国情報
アリランの青い鳥~その2

 このウォン・ピョンオさんはその後、キョンヒ大学に鳥類研究所を作り、その国際的な活躍が世界に認められている韓国一の鳥類学者です。今でも元気に活躍されており、いつだったかNHKのテレビでその活躍の様子を拝見したこともあります。また、昨年佐世保で行われたシンポジュームにも参加されたことを聞きましたが、あいにく都合が悪くてそのシンポジュームに参加できなかったのは残念なことです。


     シベリアムクドリ     写真: キム・ソンヒョン

私たちが主催して05年12月に開催した「タカの渡り全国集会」で基調講演をお願いした朴眞永(パク・チニョン)博士はそのウォン先生の教え子であり、朴眞永博士は現在韓国の環境部(日本の環境省にあたります)の本省で、韓国の野鳥の世界を統括されています。05年10月には韓国で最初の渡り鳥研究センターがホンド(紅島)に出来て、チェ・ヒヨン所長以下研究員の方々とも親しく交流させて頂いていますが、その研究センターも環境部が統括されている国の機関です。


      シベリアムクドリ     写真: キム・ソンヒョン

このように考えると、私たちと韓国との交流の歴史ははるか朝鮮戦争前までさかのぼるような気がして、何とも言えない自負みたいなものを感じるのです。
野鳥の世界で韓国と交流しているのはもちろんタカ長たちだけではありません。多くの人たちが交流されていることをタカ長は知っていますし、その交流がますます活発になっていくことを願ってこの話を紹介させて頂きました。

 タカ長観察地のメインゲスト、ハチクマさんも春、韓国から渡って来ているのです。そのことを考えると、私たちもまたこれまで以上に韓国の研究者との交流を深め、出来るだけ早い時期に日韓共同でタカの渡りを調査する日が来ることを願っているのです。



アリランの青い鳥

2008年11月11日 | 韓国情報
アリランの青い鳥

表題は絶版になっている書名です。1羽のシベリアムクドリが、朝鮮動乱で生き別れになった父子をつないだと言う、実話を基にした物語です。絶版になっていますから図書館で読むしか方法が無いのですが、子ども向けの易しい本ですから是非読んで頂きたいと思い紹介させて頂きます。

 1964年5月北朝鮮から一通の封書が山階鳥類研究所(以下山階鳥研)に届きました。差出人は北朝鮮科学院生物学研究所の元・洪九(ウォン・ホング)所長で、その内容は下記のようなことです。
 元所長は北朝鮮で、日本の足環をつけたシベリアムクドリを捕獲したが、このシベリアムクドリはいつ誰が放したものか調べてほしい、と言うことでした。


      シベリアムクドリ     写真: キム・ソンヒョン

 山階鳥研で調べてみると、そのシベリアムクドリは1963年6月6日にソウル郊外の清涼里で、ウォン・ピョンオが放したことが分かります。そのことを知ったウォン所長は驚きます。朝鮮戦争の動乱で離別し消息不明になったわが子と同姓同名だったからです。元所長は再度山階鳥研に連絡して、その漢字表記を確かめるのです。
 ピョンオの「オ」は「旿」と書きますが、この漢字を人名に使っている人は非常に珍しいのだそうです。
そのことを山階鳥研からの2回目の返信でウォン所長は知ります。「ウォン」と言う姓も、もともと韓国では少ない姓です。そのうえウォン所長はその昔、少年だったピョンオを連れて野鳥の標本作りのため野山を歩いていたことと思いあわせ、このウォン・ピョンオは、あの日以来一日も忘れることのなかったわが子であることを確信するのです。


     シベリアムクドリ     写真: キム・ソンヒョン

 この父子をつないだシベリアムクドリの話はソ連のプラウダによりスクープされ、ニューヨークタイムスでも報じられ世界的なニュースとなるのです。1000万人とも言われる朝鮮戦争の離散家族のうち、消息の分かった最初の肉親になったのです。
                           (つづく)

今日の観察~今シーズンのまとめ

2008年11月10日 | タカの渡り観察
今シーズンの概要がまとまりました

 タカ長観察地の観察結果の概要がまとまりました。集計はトビ吉書記長(?)によるものです。先ずは次のグラフをご覧下さい。



 先日も紹介したグラフですが、最終的な数字も入れています。



 観察したタカの内訳です。タカの総数は5339羽になります。

 タカ長観察地の内訳はほぼ80%がハチクマでハイタカ属とノスリがそれぞれ10%程度になります。この傾向には毎年大きな変化はありません。それとサシバの数が少ないと言うのがこの観察地の特長になります。

 この観察地を渡るサシバは大陸と関係しており、四国⇒九州⇒南西諸島と渡っていくサシバとは別のグループではないかと考えています。いまDNA解析による研究も進められているようですから、そのうちタカ長の疑問も解決されるものと期待しています。

2008年秋の概要

   観察日数           66日
   観察者延べ数        321名

   観察したタカ        5339羽

     内訳
         ハチクマ         4073羽
         ノスリ            559羽
         サシバ           100羽
         ハイタカ属         598羽
         その他 
                        9羽


     ハイタカ属の渡り方向

              西向き         421羽
              東向き         177羽

 以上が数字的な概要です。

 記録したタカは例年と比べて特段の変化はないようですが、内容的にイマイチな結果に思えるのは、ハチクマの時期の大きなドラマを見ることが出来なかったからでしょうか?

 ともあれ今シーズンは終了しました。春の渡りまでは渡り関係の速報はなくなりますが、タカ関係の話題を含めて随時更新を続けていくつもりです。

 渡りのシーズンオフもよろしくお願い致します。



今日の観察~11月9日

2008年11月09日 | タカの渡り観察
今シーズン最後の観察です

 9月1日から始めた今シーズンの連続調査は今日で終わり、そのことをアナウンスしていたのでいつもの常連が集まって楽しい仕事納めとなりました。

 天気が曇で終日肌寒く感じました。11時の気温が11.1℃。数字の1ばかりが並びました。



 タカ長のカメラに収まるのはこのジョウビタキだけです。今朝はベニマシコもでました。しかし、ゆっくりとしてくれないのでタカ長のカメラでは撮影できませんでした。



 ノスリも近くを飛んでくれました。これなど近いのですが天気が良くないのでそれらしい色が出てくれないのが残念です。撮影の仕方も良くはないのですが、方向的には順光になるところですから直射光線が当たっていたらノスリの色が出たはずです。残念でしたね。

今日の結果

   11月9日    曇

     観察者    タカ長 キョージュ カメ吉 カンヌシ トビ吉 御大  他
     観察時間   8:00-16:00

       ノスリ             12
       ツミ               3
       ハイタカ    東向き    7
       ハイタカSP   西向き   1

 終日厚い雲おおわれた最終日でしたが、今日も二桁のノスリが飛びました。今日で終わるのは残念な気もしますが、いくら暇人のタカ長とは言っても家庭の事情もあるので連続調査終了の宣言をさせて頂きます。





 本日のハイライトは何と言ってもこれでしょう。タカ長観察地の上をツルが飛びました。おそらくナベズルのはずです。北から南に向けて一気に流れていきました。このまま一直線に飛んだとすれば四国西部に行くことになります。

 このツルを見送ったあとすぐに愛媛県の鳥友に電話しました。そのとき鳥友は四万十市でツルの調査をしていた由、「今年はツルの飛来が多くて35羽目前にいる」と言う話でした。明日彼の観察地のツルが38羽になっていたら計算が合うのですが、、、、、、。

この時間カメ吉おじさんは観察地を後にしていました。彼と一緒に見ることが出来たら「ツルとカメが揃ってめでたしめでたし」で今シーズンの観察を終了することが出来たのに、、、、、。

       ともあれ今シーズンの観察は終了します。9月1日の観察開始から今日までタカ長観察地を支えて下さった      すべての人に心から感謝申し上げます。

               有難うございました。

 連続調査は終了してもこのブログの更新は続けていくつもりです。これからもよろしくお願い致します。

今日の観察~11月8日

2008年11月08日 | タカの渡り観察
老老介護の身であれば、、、、

 昨日は恵みの雨、たまっていた雑用を済ませて夜の会合へ行こうとした矢先に家内の実家から電話が入りました。義母が急病で病院へ送られたとか。

 その夜の会合は町内会の広報委員会で、広報部長をしているタカ長は絶対にはずすことが出来ない会合でした。そこで定時に会合を始めて、参加者に協力して頂いて議事を促進し、1時間で会議を済ませて実家に駆けつけました。

 病院に行っても集中治療室に入っている義母に面会できるわけでもなく、今日の昼前になってやっと面会して先生から様子を聞くことが出来たのです。病状も心配することもないようすでした。

 「昨日から何も食べていないので胸がむかつく、、、」と義母。何を呑気なことを言って、と思われた先生からお叱りを受けそうになったので家内の妹が「元気だからそんなことが言えるのですね」と話したら「それもそうだ」と先生も苦笑されていたとか。

 その程度の病人なので、そして病院に行ってもチョッと顔を見る程度で何もすることがないので早々に帰ってきました。

 気分だけは若いので自分の歳を考えることはありませんが、考えてみればタカ長は来年古希を迎えます。立派な前期高齢者、つまり「立派なご老人」だと言うことですね。老老介護の身であれば今日のようなことが多くなってくるのでしょうね。



 突然ご馳走の写真が出てきましたが間違いではありません。久しぶりに家内たち姉妹が顔を合わせたので近くのレストランで昼食を楽しんできたわけです。







 人が食べたご馳走の写真を見せられても面白くもないでしょうが、このようなことが出来るのですから大事無いと言うことで、他事ながらご安心下さい。

今日の結果

   11月8日   曇時々小雨

     観察者    トビ吉 カメ吉 カンヌシ キョージュ 他
     観察時間    9:30-15:30

       ノスリ              6
       ツミ               1
       ハイタカ   西向き     1
       ハイタカ   東向き     5
       ハイタカSP   西向き   1
       ハイタカSP  東向き    1

 この時期、この天気にしては良く出たようですね。今シーズンの観察、つまり今年の観察は今日と明日の週末だけです。そのことをPRしていたので多くの人が観察地に来て下さいました。ありがたいことですね。

 明日こそ最後の観察です。天気も回復するはずですから皆さんと最後の観察を楽しみたいと考えています。



今日の観察~11月7日

2008年11月07日 | タカの渡り観察
観察を休んで、、、、、

 今日も観察した、と言いたいのですが本当は水入り、恵みの雨が降りました。少々疲れのたまっているタカ長は家でのんびり昼寝、と言いたいのですが、本当は目前に迫った「情報交換会」の準備作業に追われています。

 この情報交換会には韓国からキム・ソンヒョン研究員とピン・ギチャン研究員を招いて韓国のワシタカ類の現況について話してもらう予定です。また、渡りについても話してもらいます。

 今その資料を送ってもらい、日本語の間違いなどをチェックしているのです。これらの作業は舞台裏のことですが、同じ作るのなら日本語らしい日本語で書かれた資料にしたいのです。


     カンムリワシ     写真: キム・ソンヒョン

 韓国では4例しか記録の無いカンムリワシの写真です。彼から送られてきた資料にも取り上げられていますから当日紹介があるはずです。


     カンムリワシ     写真: キム・ソンヒョン

 当日はこのような珍鳥の話だけでなく、韓国におけるハチクマやサシバの渡りについての発表もあるはずです。

 とは言っても韓国では渡り調査の記録は少ないのです。そのためタカ長たちの韓国での渡り調査の体験も十分役立つと考えています。

 ともあれタカの渡りを考えるときどうしても避けて通れない韓国情報について韓国からのお客さんを交えて話し合うことは有意義なことで、今から楽しみにしています。


今日の観察~11月6日

2008年11月06日 | タカの渡り観察
落穂ひろいの段階にはいったようです

 すっきりしない天気だとは言えタカの姿をほとんど見ることのない今日の観察でした。落穂ひろいの段階、と言って良いのでしょうか?

 タカ長は野暮用が出来たので今日の結果だけお知らせします。

  11月6日    曇

    観察者    トビ吉 カメ吉 タカ長
    観察時間    8:00-16:00

       ノスリ             2
       ツミ              1
       ハイタカ   東向き     3
       ハイタカSP  西向き    2

 ご覧のような結果です。この時期になっても多くの渡りが記録されると止めるに止められないことになりそうですが、どうやらその心配はなさそうです。

 いくら暇人とは言ってもタカ長もそれなりにやらねばならないこともありますから、今日の結果を歓迎することにします。




全山紅葉の三瓶山

2008年11月05日 | 山歩きから
今シーズン初めて紅葉をアテました

 今日のタカ長、観察はトビ吉おじさんにお願いして紅葉の三瓶山登山をしました。今シーズンははずればかりの紅葉の山歩きでしたが、今日はアタリでした。そのためデジカメで写真の撮り放題、フィルム時代には考えられないことですが、帰宅してパソコンで再現したら475枚撮っていました。
 今日は8GBのSDカードを入れていましたから間に合いましたが、日帰りの山歩きでこの調子ですから、長期の海外旅行となるとどれほどのSDカードを準備すれば良いのでしょうか?

 ともあれ粗製乱造の今日の写真ですが、全山紅葉していたことの証拠写真にはなりますから紹介することにします。









 以上は男三瓶から女三瓶への稜線から見た紅葉です。文字通り全山紅葉していました。





 そのあと三瓶山が火山であった名残と言ったらよいのでしょうか、火口湖にあたる室の内に下りました。栄養分の乏しいこの火口湖に何か知らない魚が泳いでいました。気のせいかやせているように見えました。



 その室の内から見た男三瓶山です。河口の中から見上げた風景、と言って良いのでしょう。近くには「鳥地獄」と言われる火山ガスの噴出孔があります。そのそばを通りましたが臭気は感じなかったので今ガスが出ているのかどうか分かりません。



 子三瓶から見た男三瓶の紅葉です。子三瓶に登る道は荒れていて苦労させられましたが、西日を浴びた紅葉の美しさに救われたような気がしました。

 今日は久しぶりにしっかり歩きました。休憩時間を含めると7時間半におよぶ山歩きでした。まだまだこれだけ野山が歩けるのですから感謝、感謝です。本当に有難いことです。

ところで今日の観察結果です

  11月5日    晴

    観察者     トビ吉
    観察時間    8:30-16:00

      ノスリ            12
      ツミ              6
      ハイタカ   東向き    1
      ハイタカ   西向き    1
      ハイタカSP  西向き   1

ノスリ・ラッシュ(?)もそろそろ終わりになるのでしょうか?

 ウイークデイはともかく週末組の参加が予想される土日までそこそこの渡りが続いてもらいたいものです。すべては神頼みですが、、、、。





今日の観察~11月4日

2008年11月04日 | タカの渡り観察
ノスリの数が500を超えました

 昨日の午後からパッタリトと止まったタカの渡り、今朝は天気も回復したので大きな期待を持って観察地に行きました。しかし、早朝のねぐらだちらしいタカの姿が見えないばかりか、トビさえも見ることが出来ませんでした。嫌な予感。勇んだ気持ちが落ち着いた10時前、北側から2羽、南側から3羽とノスリが出てくれてホット胸をなでおろしました。





 一度の2羽のノスリが撮れるのは初めての経験ですね。タカ長カメラの射程距離に来てくれないのです。これは何とか撮れる距離でしたが、写真を見てお分かりのように、天気は晴れていても乳白色のシートを覗いたようにしか見えないのです。空気がクリアではないのですね。

 ともあれ今日でノスリが500羽を超えました。秋のシーズンでは初めての記録です。タカ長観察地の記録としては春のほうが多いのですが、これは単なる偶然なのでしょうか。チョッとだけ気になるところです。

今日の結果

   11月4日    晴

     観察者    タカ長 トビ吉
     観察時間   8:00-16:00

       ノスリ              31

       ツミ                5
       ハイタカ   東向き       1
       ハイタカ   西向き       1
       ハイタカSP  西向き      3
       ハイタカSP   東向き     1

 この程度の数ですからヒマと言えばヒマ。観察期間も1週間足らずだと思えば何となく淋しい気持ちを胸に観察を続けています。



 暇な時間は写真の実習、と言ってもタカ長の手に負えるのはジョウビタキだけです。この何か分からない鳥はメジロですが、すぐに飛び去るので写すことができません。これはやっと1枚だけシャッターを押すことが出来たものです。もうひとつ2枚だけ撮った鳥がいるのですがシルエットになっていて何を写したか思い出せません。

    そろそろタカ長も始まったのでしょうか?気になるところです。

 

今日の観察~11月3日

2008年11月03日 | タカの渡り観察
今年のノスリはどうなっているのでしょうか???

 過去の記録を見ても、11月にはいって3日間も40羽以上のノスリが記録されたことはありません。今年のノスリはどうなっているのでしょうか?

 観察地での話題になるのは今年は台風が一つも上陸しなかったと言うことです。そのためにノスリに限ったことではないでしょうが、野鳥の繁殖率は例年より良かったはずだ、と言う話です。説得力のある話です。

 それにしても11月にはいって出ると言うのは説明できません。タカ長観察地のノスリの記録も新記録が出そうですが、観察最終日に多くのノスリが記録されたら止めるに止められないことになるのではないかと心配しているところです。



 今日の渡りは10時半から13時までに集中、それ以外の時間はまったく飛びませんでした。そのためタカ長は写真の練習です。
 露出の補正が悪かったようですが、むつかしく考えないでアップすることにします。練習生の作品ですからご容赦下さい。

 

 シジュウカラを撮ったのは初めてですが、このジョウビタキはすっかり私たちの仲間になった感じで私たちを上から見下ろしています。



 ホオジロは相変わらずさえずっています。そのくせカメラを向けるとすぐに逃げるのでなかなか思うように撮れません。野鳥写真を撮る人の苦労が分かるような気がします。



 モズも初めて撮りました。これらの野鳥は観察地の常連でもあるので、これからは露出補正も考えてもう少しはマシな写真を撮りたいと考えています。

今日の結果

   11月3日    曇

     観察者    タカ長 キョージュ トビ吉 カメ吉 カンヌシ 御大 他 
     観察時間   8:00-16:00

       ノスリ            40
       ハイタカ   東向き    4
       ツミ              4
       ハイタカSP  西向き  11
       オオタカ   西向き    1

 一面の曇り空でタカを見つけやすいはずなのに、それが見つからないのでしょうか。頭の上を通ったであろうタカが西側の山の稜線に消える直前に見つけることが多かったのでSPとすることが多くなりました。