タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

元気のひけつ

2008年07月21日 | 山歩きから
登山はエアロビクスの最高峰

 この記事は朝日新聞7月20日の日曜版に紹介されていたものにタカ長の思いを書き加えて作成しています。



 世の中あげて「メタボ、メタボ」の大合唱ですね。男性は腹回りが85cm以上になった要注意、と言われるあれです。内臓脂肪症候群。タカ長など何の根拠もなく「チョッと騒ぎすぎでは??」と思っているのですが、、、、、。

 ともあれこの飽食の時代、腹回りを気にしている人も多いはずです。そのメタボ対策に登山が有効と言うのが今回の朝日新聞の記事なのです。

 黒部市民病院の高桜英輔・高所医学研究所長らは、肥満で軽い糖尿病の人20名に2泊3日立山・室道平(標高2450m)で過してもらいました。すると、安静時も運動時もエネルギー消費が平地より8.3%高まった。この傾向は太った人に顕著だったそうです。血液を調べてみると、脂肪の分解に重要な役割を果たすホルモンが増えていた。血糖値が下がりやすくなるなど、高桜所長は「メタボ改善に有効なことが分かりました」



 登山と言うと特別な人が行うもの、と思われるかも分かりませんが、今回高桜所長らが調査された立山・室道平まではバスで行けますから歩く必要はまったくありません。
 上の写真は中央アルプスの千畳敷カール(標高2600m)ですが、ここまでロープウェイで行くことができます。

 健康のために山に行って怪我や事故を起こしては何のための山か、と言うことになるので慎重な行動が望まれることはもちろんです。出来れば経験者に同行してもらって山歩きをするのが望ましいことは言をまちません。



 上記の例のように高所で生活してメタボ対策とするには西日本で生活している人は条件的には不利になりますが、標高の高いところを歩くことだけがメタボ対策ではないのです。

 登山はウォーキングや水泳など他の運動に比べて「飛びぬけて優れている」と言われるのは山本正嘉鹿屋体育大学教授(運動生理学)

 他の運動ではこなしにくい運動量を、長い時間楽しみながら出来る、と言うのがその理由です。その観点に立てば高い山を歩くことだけがメタボ対策になるのではないとことはどなたでもご理解頂けるはずです。
 近郊のこのような山を荷物を背負って歩けば、知らず知らずのうちに体に負荷をかけながら運動しているのですから効果が期待できることはお分かり頂けますね。

 厚生労働省は、生活習慣病予防に必要な運動の量を体重に関係なく示す単位「セクササイズ」を定めています。
 それによるとメタボリックシンドロームを防ぐには1週間に23単位必要とされています。

 速歩は1時間で4単位
 4時間のハイキングは24単位
 1~2kgの荷物を背負っての4時間の登山は30単位

 このように毎日1時間の速歩を6日間続けるより、週末に1~2kgの荷物を背負って4時間山を歩くほうが単位が稼げると言うことになります。



 とは言ってもやたら山に登れば良いわけではありません。山本教授は「運動は薬と同じ。どちらも適量が重要です」と強調されています。
 急に始めると、膝などの関節を痛め、筋肉痛になる。転倒、滑落事故が目立つのも中高年の登山者。

 そこで山本教授が提案しているのが、安全で適度な運動の目安になる「運動処方」の導入。それぞれの体力、経験にあった登山が出来るシステムづくりです。

 しかし、このシステムが今すぐ機能しているわけではないので、とりあえずは自分の体と相談しながら、経験者とともに歩くのが次善の策になると思います。

 タカ長は多少の登山経験を持っていますが、その経験から言うと前述のように「急に始めると膝などの関節を痛めるから段階を追って」と言う言葉では誰もがわかっていることを実際に山で行うのは意外に難しいのです。その面だけでも経験者の同行が必要だと言えます。(もっともそのあたりを指導できない経験者も多いのですが、、、、、)

 ともあれタカを見るにも、その他の趣味に興ずるにも健康な体があってこそ。腹の周りが気になりだした人はとにかく一度山を歩いてみられては?

 山は良いですよ。