「太陽にほえろ!」当直室 仮設日誌 PART2

6年半ご愛顧いただいた『太陽にほえろ!当直室』(since2002年5月)復活ブログ、引っ越しました。(2014年7月)

山さんからの伝言

2011-01-11 23:16:04 | ファミ劇日誌
『♯715 山さんからの伝言』
主演:金田賢一(島津公一)
助演:石原良純(水木悠)
出演:渡哲也(橘兵庫)神田正輝(西條昭)地井武男(井川利三)長谷直美(岩城令子)西山浩司(太宰準)又野誠治(澤村誠)神山繁(警視監)横谷雄二(吉野徹男)
稲葉義男(飯田隆三)本山可久子(飯田節子)宮部昭夫(田端謙二)河合紘司(菊池)相馬剛三(不動産屋)五月晴子(煙草屋のおばさん?※シーンカット)佐藤正文(相原真二)鷲生功(木場一也)友井達彦(久保哲夫)星野遊(白井良子)高杉省吾 杉山綾子(関根尚子)小野田真之(村上勇)浅野竜夫 本城ゆき(宮島)餅田昌代(婦警)岸野一彦 本橋映代

プロデューサー:岡田晋吉 服部比佐夫(日本テレビ) 梅浦洋一 新野悟(東宝)
脚本:小川英 蔵元三四郎
撮影:内田清美 美術:古屋良和 照明:原裕慈 録音:石井美治
音楽:大野克夫 演奏・大野克夫バンド 井上堯之バンド 編集:神島帰美 整音:坂田通俊 選曲:小林和夫
助監督:村田忍 擬斗:宇仁貫三 現像:IMAGICA 番組宣伝:山口晋 記録:竹田宏子 制作主任:林哲次
協力:国際放映 原案:小川英 企画協力:ジャックプロダクション 衣装協力:株式会社センチュリー Best House 
監督:高瀬昌弘
制作:東宝株式会社

覆面車:クラウン(62-40)ソアラ(65-62)スープラ(86-02)クラウン(43-35)


この作品、本放送時に号泣して観ておりました(^_^;)
デュークが去るのもその原因かもしれませんが、何よりどうしても山さんの面影がよぎるわけで。
個人的にはあのスチールの使い方は絶妙だと思っています。
なにしろ、山さん自体太陽に生き付いている訳ですから、どこかでふと山さんが出てくるような錯覚が襲ってくるわけで、
その点では「もう鬼籍に入ってしまった」というケリの付け方があの「動かない山さん」だと思っています。

昭和52年5月15日夜8時ごろ。
木工を生業にしている飯田工業の社長である飯田隆三はその木工所の2階に通称「飯田寮」という私設の孤児院を営んでいて、現在8歳から高校生までの15名を養っていた。
その「飯田寮」にて事件発生、
金融業の田端謙二がその2階踊り場から3.5m下の地下に転落。
死因、脳挫傷。

田端謙二は事故死、捜査打ち切り・・・・。

担当・山村精一

山さんはボスに事故死という結論を報告し、この事件は終結した形になりました。


その当時の七曲署捜査一係メンバーは、山さんの他に・・・
ボス、長さん、ゴリさん、殿下、ボン。

前後の事件は、「民芸店の女」「辞表」「鮫島結婚相談所」。
山さんにしてみれば、隆を高子の実家に送りだし、全くの一人身の状態、そこに近付いてきた女性の裏心に気付きながら、ちょっとだけ信じてみようとした形跡のあった事件の後で、ボンがズタボロになった直後。
スコッチ転勤の為の欠員補充が出来ず、凶悪事件に6人体制であたっていた繁忙期でもありました。

それから9年後。

デュークの海外研修と転出が決定した直後、飯田から山さん宛てに手紙が。
飯田が死去し、山さん宛ての遺書を残したと。
山さんの名代として出向いたデュークとマイコンは遺書に田端を殺したことの告白を確認する・・・・。

山さんの結論の付けた事件を再捜査をるデューク、しかし山さんらしくない決着につけ方、真実が見えない、何が真実なのか、どうして山さんはこういう結論に達したのか、さすがのデュークも翻弄します。
そして自首する人間が何人も・・・。


私の立場的にはやはりドックやマミーなんですよね・・・。
山さんがこんなずさんな捜査を自ら許すか。

多分、こういうことじゃないかと。
当初は飯田も事故として処理してほしかったけれども、久保の山さんへの自首で話は変わった。
そこで、間違いなく山さんは現場を再現したと思います。その段階で山さんは事故と確信を持った訳ですが、飯田はそうじゃ無かった。
多分、子供たちだってそうじゃ無かった。
飯田はその子供たちの苦悩を汲んで山さんに「自首」したと・・・。
そこで山さんは飯田の気持ちを抑えるために、「罪を見逃しましょう」という普通であれば山さんが絶対使わない言葉を使ったんじゃないだろうかと。
さらにその言葉を使ったことによって、山さん自身の事件簿からも封印せざる負えなかったのではないかと・・・。
結果的に、木場はグレてしまい、飯田も子供たちも重い十字架を背負ってしまいましたが、もし立件していたらこれだけでは済まなかった訳ですし、状況的に過失致死が当てはまるかというと、パニック状態の中での出来事なのでそれも困難だったような気がします。
非常に難しい事件だ・・・。

ただ、何故山さんが飯田に遺書にでも認めろと云ったのか・・・。
一見無責任な感じがしますが、山さんには第三者が調べても事故という結論を出すという自信があったんだと思います。
そうじゃなければ、あの山さんがそんなこと言わないでしょうし。

ただ、この事件の山さんはもしかすると状況的な面で多少私情を挿んでいたかもしれないというのはあります。
同時期の「民芸店の女」や「子連れブルース」は多分にそんな感じのする話でしたから。

=デューク=

海外研修要員として選ばれたデューク。
これを期に七曲署から転出します。

転出編としてはあまりにもあっさりとしていますが、これは意図的なものでデューク最終回としては必然的なものだったようです。
金田賢一さんの意図もかなり反映されているようで、その辺りは「太陽にほえろ!NET」→「お茶の間矢追町劇場 太陽にほえろ!7201」(キヨウさんのサイト)をご覧ください。

どうもデュークという人物は太陽が近代の波に乗る為の実験的なキャラだったように思えます。
それを意図して金田さんも演じてらっしゃったと思います。
ただ、裕次郎さんの降板でそれを未来に持ち越すことは不可能になってしまいましたが、この辺りの感覚はPART2の篁やオサムさんにも少なからず反映して行っていると思います。

ところで、本作のデュークは、師匠としての山さんの「謎」を見事に解いています。
それもかなり悩みながらです・・・いままでストレートに事件を解決してきたデュークですが、実は壁に当たった(迷いを見せた)事件が「男と女の関係」だったりしますので、やはり山さんが関係する事件は入り組んでいて難しい。
ただ、デュークも元々から山さんと同じく「真実を知りたい」というのが基本的な思いとしてあるので、経験を積んで、山さんの遺した「謎」を解決した・・・と思えば、しっかり卒業検定なんですよね。
拳銃で撃たれたりはしませんが、それ以上にちょっと辛いものがありますよね。
やっぱりそういう実験的な意味合いも大きかったんじゃないかなぁ・・・と思います。

しかし・・・
やっぱり次のステージのデュークは観たかったですね・・・。

=台本「決定稿」より、変更と補足=

*山さん宛ての速達は相原弁護士が差し出したもの。その手紙を読んで飯田の事を尋ねるのはトシさんではなく警部だった。

*デュークは飯田寮のことを相原の事務所に直接電話をかけて聞いて知った。

*浜野警視監が登場予定だった。

*飯田寮は2年前に閉鎖

*田端の跡取りはサラリーマンで、長期返済を承諾したため飯田寮は助かった。

*近所の一部では飯田寮に対して喜ばれていなかった。(偏見の目があった)田端の件ももみ消されたと思う者もいた。

*ドックの「ロイヤルゼリー」の件は台本にあり。但し「カツ」のくだりは無し。

*警部のセリフに「隆」の名前が・・・・

*山さんの事件ファイルはマミーたちが梱包

*DJはブルに対して敬語(ブルースさん)

*「刑事は人を傷つけるのを恐れてはならない―」のトシさんのセリフは当初警部だった。

=今回の一係=

翻弄されるのはデュークだけではなく、その相棒のマイコン、山さんを知らないDJまで巻き込んでいきます。
ある意味ドックだって山さんの弟子的部分は大きいですが、今回はデュークに下駄を預けています。
これって、多分ドックの優しさなんじゃないでしょうか・・・。
本当であれば、もっと首を突っ込んでくるはずですが、かなり力抜いていますし、それだけデュークを信頼していたとも取れます。
ジプシーの時は半ば保護者的な立場っていうような感じでしたが、今回の場合は、デュークの心意気を汲んだんでしょうね、それこそ「沈黙は金」。
いつもはうるさいブルも比較的おとなしいですし。
チームワークは固まってましたね。

吉野も良いバランスでの登場です。
デュークも何故吉野に聞こうと思ったんでしょうね。
不思議なシーンですが、妙にうれしく、説得力のあるシーンでした。

=ゲスト=

*何気に『ザ・ガードマン』ですね・・・ただ、吉田の遺影の前に榊という別な意味で悲しい組み合わせ・・・。
飯田の遺影も凝ってます。
祭壇には最近の遺影と、机には過去の遺影。

無名塾から鷲生さんと、どうやら杉山綾子(彩子)さんも御出演のようです。


=ロケ地=

新宿副都心

新宿2丁目

新宿中央公園

飯田宅は月島2丁目、飯田宅は既に無く、周囲もかなり変わっているが道路沿いの建物は現存。

ボスは引っ越した?(#665以後)

警視庁近辺

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