たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

野見宿禰と埴輪

2019-04-26 09:59:03 | 鉄の神々1

<たつの市遠望>

 

だらだらと続く長い石段を登り切り、

やっとの思いで野見宿禰神社(陵墓)の前に立つと、

そこはやはり神社というより、

人が葬られた古墳という表現が相応しい場所でした。

聞くところによれば、この地が野見宿禰の

陵墓の比定地となったのはごく近年のことで、

古墳内にどのような人物が埋葬されているのか、

はっきりとはわからないのだそうです。

恐らく、たつの市の全景を一望できるこの場では、

かつて野見宿禰とも縁する土地の有力者が

「国占め」を行い、ご神体山である

的場山に向かって祭祀をしていたのかもしれません。

 

ちなみに、野見宿禰が考案したとされる「埴輪」ですが、

実際に葬儀での使用が一般的になったのは、

もっと後の時代だという話もあります。

ゆえに、野見宿禰が埴輪を造ったという確証はないものの、

野見宿禰という人物が、強靭な身体能力と

前衛的な知識を有していたことは事実でしょう。

 

プチ登山の唯一のご褒美ともいえる、

山上からの眺めを堪能しながら、

相撲取りでもあり呪術者でもあった

野見宿禰が果たそうとしていた目的、

そして「埴輪」という不可解な焼き物について

つらつらと想像していると、ふいに頭の中に

「ある焼き物の産地」が思い浮かんでまいりました。