たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

瑜伽神社

2019-04-20 09:00:33 | 鉄の神々1

<粒坐天照神社 いいぼにますあまてらすじんじゃ>

 

粒坐天照神社の境内を探索している最中、

何気なく背後の裏山を見上げると、

本殿の脇から山腹に向けて、

急な階段が設置されていることに気が付きました。

その意味深な配置に、ただならぬ気配を感じ取り、

すぐさま小高い丘の上へと登り始めた直後、

森の中からザザっと落ち葉を踏みしめる音が聞こえ、

目の前に突然、野生の鹿が現れたのです。

 

近年、こうした住宅地の近辺でも、

「鹿」「猿」などの野生動物に遭遇する場面がよくあり、

境内を取り囲むようにして、獣除けの電気柵が

張り巡らされている神社なども時折見かけます。

参拝する側としては、若干の戸惑いを覚えてしまうものの、

氏子や近隣の人々にとって、

獣害対策というのは本当に厄介な問題なのでしょう。

 

そんなことをつらつらと考えつつ、

鹿に刺激を与えないよう、忍び足で石段を登り切りると、

丘の上に小さな古い社が鎮座していました。

瑜伽神社(ゆうがじんじゃ)と呼ばれるその社のご祭神は、

手置帆負命(たおきほおいのみこと)。

一説に、神話の天岩戸の件において、

紀伊忌部の祖である彦狭知命とともに、

天御量や瑞殿を作ったとされるこの神は、

讃岐忌部の祖としても知られた存在でした。