たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

八塩折の酒

2019-04-01 09:06:28 | 出雲の神社

<雲南市・釜石>

 

一説に、オロチの尾から出てきた

アメノハバキリ(草薙の剣)は、

「アラハバキ」を指すとも言われています。

仮に、アシナヅチ・テナヅチを

アラハバキと同一視するなら、

スサノオは「アシナヅチ・テナヅチの剣」

を奪った、「何か(誰か)」を打ち取った、

という風にも解釈できるのかもしれません。

つまり、オロチの尾から取り出した神剣は、

もともと先住民が所有していた剣であり、

「出雲の砂鉄」とも置き換えられるのでしょう。

 

スサノオがなぜ「自ら」酒を造らずに、

アシナヅチ・テナヅチにという先住民に

八塩折の酒を用意させたのかというと、

オロチを倒すためには「イズモの神」の

全面的な力添えが必要だったからなのだと……。

出雲の先住民が自らの手で行う「神事」こそが、

最も重要な「作戦」だったのだと思われます。

恐らく、八塩折の酒と言うのは、

アラハバキにしか造ることができない、

「特別な酒」だったのかもしれません。