<雲南市・釜石>
これまでの記事では主に、「越からきた異国人」
という想定でオロチ伝説を考察しましたが、
先日ご紹介したシン・ゴジラの例えのように、
オロチを「荒ぶる自然」と捉えることも可能です。
仮に災害鎮めの側面から、オロチ退治を考えるなら、
「八塩折の酒」とは、天災つまり
「国津神の怒り」を鎮めるために、
必要不可欠な神事だったのでしょう。
恐らく、スサノオがアシナヅチ・テナヅチに、
自らの手で酒を造るよう命じたのも、
その土地で採れた供物と、その土地の人々の祈りが、
国津神(土地の神)の祭祀には必須であり、
「それらを怠れば災厄が起きる」
という戒めが含まれていたのだと思われます。
さらに言うなら、各地のイズモ族の協力と、
各地のイズモ族の神事なくして、
「天孫族が日本を治めることは難しい」
という比喩でもあったのかもしれません。