<備前市・忌部神社 いんべじんじゃ>
今回私が備前市伊部を訪れたのは、
以前から気になっていた「ある神社」
を参拝することが目的でした。その神社とは、
備前焼の神社としてマニア的な人気を誇る「天津神社」
……ではなく、その裏手の山に隠れるようにして
鎮座する天津神社の摂社「忌部神社」です。
その社名からもわかるように、
こちらは忌部氏が祭祀していた神社でして、
越前の越前焼などと共に、「陶祖である忌部氏」
の痕跡を残す場所ともいわれています。
ちなみに、備前焼はもともと
伊部焼・印部焼(いんべやき)と呼ばれており、
伊部という地名も「忌部」から来ているのだとか……。
何でも忌部神社の周辺は、「伊部北大窯跡」
という国の史跡に指定されているそうで、
参道脇の斜面をまじまじと眺めてみたところ、
大小様々な大きさの「陶器の破片」が
散乱しているのがわかりました。
当時この一帯で行われていた大規模な窯の操業は、
恐らく忌部氏らによって持ち込まれた技術であり、
のちの備前長船に代表されるこの地の
刀工とも深くつながっていたのでしょう。