たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

備前の忌部氏

2019-04-28 09:08:18 | 鉄の神々1

<備前市・忌部神社 いんべじんじゃ>

 

今回私が備前市伊部を訪れたのは、

以前から気になっていた「ある神社」

を参拝することが目的でした。その神社とは、

備前焼の神社としてマニア的な人気を誇る「天津神社」

……ではなく、その裏手の山に隠れるようにして

鎮座する天津神社の摂社「忌部神社」です。

 

その社名からもわかるように、

こちらは忌部氏が祭祀していた神社でして、

越前の越前焼などと共に、「陶祖である忌部氏」

の痕跡を残す場所ともいわれています。

 

ちなみに、備前焼はもともと

伊部焼・印部焼(いんべやき)と呼ばれており、

伊部という地名も「忌部」から来ているのだとか……。

何でも忌部神社の周辺は、「伊部北大窯跡」

という国の史跡に指定されているそうで、

参道脇の斜面をまじまじと眺めてみたところ、

大小様々な大きさの「陶器の破片」が

散乱しているのがわかりました。

 

当時この一帯で行われていた大規模な窯の操業は、

恐らく忌部氏らによって持ち込まれた技術であり、

のちの備前長船に代表されるこの地の

刀工とも深くつながっていたのでしょう。