たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

射楯兵主神社

2019-04-07 09:26:16 | 鉄の神々1

<射楯兵主神社 いたてひょうずじんじゃ>

 

イタテ神・兵主神をご祭神とする神社は、

近畿地方を中心に点在しますが、

その多くはイタテ神のみ、

あるいは兵主神のみの奉斎であり、

両神を同じ場所にお祭りしているのは、

姫路市の射楯兵主神社以外にはほぼ見当たりません。

これは、出雲を中心に信奉されるイタテ神と、

但馬を中心に信奉される兵主神の接点が、

姫路周辺だった可能性を示すもので、

言わばこのあたり一帯が「鉄を巡る激戦地」

だったと考えても間違いではないのでしょう。

 

それを裏付けるかのように、古代の地誌である

『播磨国風土記』の中には、アシハラシコヲ

(伊和大神・オオナムチ・大国主神)が、

アメノヒボコと領土争いをしたという説話が頻出し、

兵庫県西部のあちこちにそれらの伝承地が残っています。

風土記が記す「穴」や「室」などの文字からも

推測できるように、恐らく両神の最大の狙いは、

播磨周辺で採取される「鉄」の原材料だった可能性が大です。

稲作とほぼ同時期に伝来したとされる新たな製鉄技術は、

それまで細々とながらも残っていた縄文文化を駆逐する勢いで、

一気に西日本全土へと広まって行ったのでした。