たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

中臣と忌部

2019-04-17 09:39:29 | 鉄の神々1

<中臣印達神社 なかとみいたてじんじゃ>

 

中臣印達神社に合祀されている阿波遅神社のご祭神は、

大鹿嶋神(おおかしまがみ)、

大香山戸臣神(おおかがやまとおみのかみ)の二柱です。

大鹿嶋神は「鹿嶋」という名称から、

鹿島神宮や中臣氏との関連が噂されるものの、

はっきりしたことはわかっておらず、

また、大香山戸臣神に関しては、

「大年神と香用比売の間に生まれた」

という古事記の記述を踏まえると、

恐らくスサノオ系の土地神だと推測されます。

 

仮に、阿波遅が阿波もしくは淡路を示しているとすれば、

この地にも忌部氏を始めとする「阿波の神」を祀る人々、

そして淡路島のような「渡来人の祭祀場」

が存在したのかもしれません。

周辺の吉備国や出雲国などに比べ、

播磨国には特出した「忌部」の形跡は存在しないものの、

阿波国で製造された土器が、

播磨国の集落から見つかったという話も聞きますから、

両国の間に何らかの交流があったことは確かなのでしょう。

 

そうなるとやはり気になるのが、阿波遅神社が廃絶され、

「中臣」と名の付く神社や、

中臣氏を暗示させる「大鹿嶋神」と、

合祀されることになった経緯ですね。

それらの疑問を抱きながら中臣印達神社を後にし、

同じく「粒丘」ゆかりの地である次の参拝地を訪れると、

神社の裏手の山腹にひとつの社が鎮座していました。