<雲南市・釜石>
一説に、オロチの尾から出てきた
アメノハバキリ(草薙の剣)は、
「アラハバキ」を指すとも言われています。
仮に、アシナヅチ・テナヅチを
アラハバキと同一視するなら、
スサノオは「アシナヅチ・テナヅチの剣」
を奪った、「何か(誰か)」を打ち取った、
という風にも解釈できるのかもしれません。
つまり、オロチの尾から取り出した神剣は、
もともと先住民が所有していた剣であり、
「出雲の砂鉄」とも置き換えられるのでしょう。
スサノオがなぜ「自ら」酒を造らずに、
アシナヅチ・テナヅチにという先住民に
八塩折の酒を用意させたのかというと、
オロチを倒すためには「イズモの神」の
全面的な力添えが必要だったからなのだと……。
出雲の先住民が自らの手で行う「神事」こそが、
最も重要な「作戦」だったのだと思われます。
恐らく、八塩折の酒と言うのは、
アラハバキにしか造ることができない、
「特別な酒」だったのかもしれません。