<神倉神社 かみくらじんじゃ>
松明を持った男たちが勢いよく山を駆け下りる
「御燈祭」で有名な神倉神社という古社があります。
ただし、山頂にある神社をお参りするには、
鳥居の前に断崖のごとくそびえ立つ
急峻な石段を踏破しなればなりません。
その神倉神社へと続く足場の悪い石段を、
岩壁に這いつくばりながら登っている最中、
山頂から降りてきた地元の人と思われるおじさんに、
「登るよりも降りるほうが大変やで。
でも足元だけ見て一歩ずつ降りれば大丈夫」と、
励ましの?声をかけられました。
そのときは気の利いた返事を考える余裕もなく、
「わかりました…」と息も絶え絶えに答えたのですが、
山の上にある神社の参拝を終えて、
いざ「恐怖の下り坂」に差し掛かった際、
ふとおじさんの言葉が蘇り、その助言に従い
ゆっくりゆっくり階段を下って行った結果、
とても楽に麓にたどり着くことができたのです。
そのときつくづく思ったのは、
「先を焦ったらダメ」ということでして、
何でもひとつずつ丁寧に取り組むことが、
最も効率よく物事を達成できる手段なのでしょう。