<産田神社 うぶたじんじゃ>
三重県熊野市の観光名所である花の窟から、
産田川を少々遡った住宅地の中に、
産田神社(うぶたじんじゃ)という古社があります。
一説では、花の窟の前身といわれるほど、
古い歴史を伝える場所でして、
花の窟のご祭神であるイザナミの命が、
この地でカグツチの神を産んだため、
「産田」と名づけられたという伝承があります。
産田神社の本殿の両脇には、
直径一尺・高さ五寸の丸石が並べられ、
その中に神籬(ひもろぎ)の跡が残されているのだとか。
神籬とは、古代の「神降ろし」の場所を示す言葉で、
石で囲んだ祭祀場にしめ縄を張って結界を作りました。
神籬の痕跡がこのような形で残っている場所は、
全国的にも珍しく、産田神社の周辺からは、
弥生時代の遺跡も発掘されているそうです。