たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

古代の神籬

2016-12-07 10:02:43 | 熊野の神社

<産田神社 うぶたじんじゃ>

 

三重県熊野市の観光名所である花の窟から、

産田川を少々遡った住宅地の中に、

産田神社(うぶたじんじゃ)という古社があります。

一説では、花の窟の前身といわれるほど、

古い歴史を伝える場所でして、

花の窟のご祭神であるイザナミの命が、

この地でカグツチの神を産んだため、

「産田」と名づけられたという伝承があります。

 

産田神社の本殿の両脇には、

直径一尺・高さ五寸の丸石が並べられ、

その中に神籬(ひもろぎ)の跡が残されているのだとか。

神籬とは、古代の「神降ろし」の場所を示す言葉で、

石で囲んだ祭祀場にしめ縄を張って結界を作りました。

神籬の痕跡がこのような形で残っている場所は、

全国的にも珍しく、産田神社の周辺からは、

弥生時代の遺跡も発掘されているそうです。