たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

ゴトビキ岩

2016-12-03 10:44:21 | 熊野の神社

<神倉神社 かみくらじんじゃ>

 

今回の旅のテーマに「無社殿神社」を選んだとはいえ、

日本有数の聖地が点在する熊野には、

たくさんの「メジャーな神社」が鎮座しており、

それらを無視するのもまた不自然な話です。

ゆえに、無社殿神社を巡る途中で、

いくつかの有名な神社にも参拝したのですが、

改めて振り返ってみるとそのどれもが、

もとは「巨石」や「大滝」や「大樹」など、

大きな自然物を信仰としている場所だと気づき、

熊野の地の原風景を垣間見たような思いがしました。

 

例えば、御燈祭(おとうまつり)で知られる神倉神社は、

神武天皇が紀伊半島に上陸した際に

立ち寄ったともいわれる場所ですが、

山の上の社殿の横には大きな磐座があり、

岩と岩の間に白石がぎっしりと敷き詰められています。

色鮮やかな朱色の社殿は、どちらかというと添え物で、

お社に収まりきらないほどの巨大な磐座は、

眼下に広がる新宮の市内からも見ることができます。

ちなみにこの巨石は「ゴトビキ岩」と呼ばれ、

現地の方言で「ヒキガエル」を意味するそうです。